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#3:社会と戦うためのカードとデッキ構築とは?

Louis Izumi:THE JUNKS ライターのルイス・イズミです。前回の「#2:大学や学歴は大切?」の記事では、社会と戦うためのカードがないのなら大学へ進学したほうが良いとのお話だったと思います。社会と戦うためのカードとは、具体的に何が必要だと思いますか?

Hirotaka Shiraki:結論から言うと、コミュニケーション等の対人能力だ。

Who is … ?
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Hirotaka Shiraki/人間ヲタクで自称アクマの芸術家
Louis Izumi/過去に色々あったTHE JUNKSのライター

Ⅰ. 社会とは戦うもの?


Louis Izumi:「社会と戦うため」という発言がありましたが、社会とは戦うものだと思いますか?

Hirotaka Shiraki:平等を目指すのならね。平等を目指せば自由競争が進むから、何を手に入れるにしても戦わないといけなくなるんだ。戦わなければ、競争に負けた敗者から狙われて奪われる。

Louis Izumi:それは、平等は能力に差があろうとも、全員が同じスタートラインに立たされるから必ず争いが生まれるということですか?

Hirotaka Shiraki:その通り。簡単に言えば、老若男女全員に釣竿を与えるのが平等だ。本人が釣れるか釣れないかは条件に含まれていない。昔は釣れないと死ぬ世界だったから、釣れる人間が釣れない人間に釣り方を教えることで、人類は発展をしてきたんだ。だが、もう釣れなくても誰も死なない世界になった。

Louis Izumi:なるほど。教えられる側だけでなく、教える側も教える必要がなくなったという意味にも受け取れそうですね。

Hirotaka Shiraki:昔よりも教えるデメリットが増えたんだ。教えられる側は「私に都合の良いタイミングで、私に都合の良い言葉で、私に都合の良い方法を教えて欲しい」と思っている。教えてもらうことは当たり前の権利だとね。豊かな国らしい問題だろう?
それどころか、ちゃんとした反論も努力もせずに「教え方が悪い」と文句を言うんだ。文句を言うから将来性がないのか、将来性がないから文句を言うのかは知らないがね。

Louis Izumi:うーん。確かにそんな態度を取られると、教える気もなくなってきますね。

Hirotaka Shiraki:「権利は得るものではなく与えられるものだ」と豪語する人間たちは国が用意した教育機関に任せようじゃないか。我々は彼らを見限るのが正しい。助けようとするほうが間違っているんだ。助けられる上限は決まっているのだから。

Louis Izumi:うーん。見限ることに対しては否定できないのですが、ただ仕事上、教えないといけない状況もあるかと思います。サラリーマンは教育係になることもありますからね。その点はいかがでしょうか?

Hirotaka Shiraki:雇うのなら背中だけでなく手元も見せ、金を貰うのならパフォーマンスをし、教えたいのなら近くの棚に入れておくのがベストだ。本当に教えて欲しかったら、さっさと有識者に気に入られて勝手に近くの棚を漁れということだ。

Louis Izumi:気に入られるには、どうすれば良いと思いますか?

Hirotaka Shiraki:愛嬌。

Louis Izumi:ええと、それだけ?

Hirotaka Shiraki:愛嬌がないから気に入られないというわけではないが、愛嬌はあるに越したことはない。簡単に手に入って盾にもなるコスパの良いカードだ。物事を楽にするためのカードでデッキ構築しておけば、苦労の楽しさは感じられないが、目標は達成しやすいだろうさ。

Ⅱ. デッキ構築とは?


Louis Izumi:あの、デッキ構築ってなんですか?deck(甲板)?

Hirotaka Shiraki:甲板が由来かは知らないな。トランプ一組をデッキということから、主にトレーディングカードゲームで使われる言葉だ。ゲームすらしない君のために簡単に説明すると、有限なカードの中から好きなカードを選び、枚数制限があるルールの中で戦うゲームだ。

Louis Izumi:例えば、どんなカードがあるんですか?

Hirotaka Shiraki:その質問はゲームによって違うから、回答が難しいね。大雑把に言えば、直接戦える武器カードや身を守る盾カード、自分を強くするバフや相手を弱くするデバフカードとかかな。僕が前回の記事で話した「戦えるカード」とは武器カードのことだ。武器がないと戦えないからね。

Louis Izumi:へえ、面白そうですね。カードゲームはトランプぐらいしかやったことがないんですが、ポーカーのように強い組み合わせとかがあるのでしょうか?

Hirotaka Shiraki:もちろん。組み合わせもあるし、タイミングよくそのカードが引けるかどうかの運にも左右される。

Louis Izumi:つまりカード自体は沢山あるから組み合わせは無限にある。でも手持ちカードの枚数に制限があって、全てのカードをいつでも出せるわけじゃないということでしょうか?

Hirotaka Shiraki:流石、理解が速いね。武器カードだけでも勝てないし、バフやデバフカードばかりだと武器カードを引く確率が下がって、そもそも戦えなかったりするわけだ。強いデッキを持っていたとしても、運が悪かったら負ける。

Louis Izumi:うーん、難しそうです。

Hirotaka Shiraki:ゲームは難しいから楽しいんだよ。有限な時間と予算の中で、自分なりのオリジナルデッキを作り、限られたカードを使って、戦略や運で戦うんだ。まさに人生と同じだろう?

Louis Izumi:所謂、ゲーム理論ですね。

Hirotaka Shiraki:人生をデッキのように考えるというのは珍しくない。お遊びのような感覚で自分自身を管理できれば、ポジティブやネガティブではなく理屈で考えられるから、無駄な苦労を避けられるんだ。

Ⅲ. 一番強いカードは?


Louis Izumi:デッキ構築論では、人生において一番強いカードは何になるのでしょうか?

Hirotaka Shiraki:コミュニケーション能力だね。対人能力は他人を動かす力だから、全ての悩みが解決すると言っても過言ではない。

Louis Izumi:確かに、そうですね。でも、かなり高度なスキルだと思いますが、どうすれば手に入ると思いますか?

Hirotaka Shiraki:既にカードは持っているよ。

Louis Izumi:会話が苦手な人でも?

Hirotaka Shiraki:ああ。だが人生に使うカードは自分でレアリティを上げていかないといけないんだ。持論を展開しても良いかい?

Louis Izumi:どうぞ。いつものことですから。

Hirotaka Shiraki:僕は20歳までは新しいカードが手に入りやすい時期だと考えている。だから20歳までは様々なことに挑戦をして、既存のカードを育てながらも新しいカードを手に入れて、そして自分のデッキに取り入れていくのが理想的だと思うんだ。自分なりに取捨選択をしながらね。

Louis Izumi:一つのカードを育て続けるのは、あまり効率的ではないのでしょうか?

Hirotaka Shiraki:一つを突き詰めるのは素晴らしいことだと思う。でも自分の環境や基礎ステータスによって、手に入りやすいカードや育てやすいカードは必ず存在している。人間には骨格や性差、運動神経のような個体差があるから、同じ数字を出すために、得意な人より何倍も努力をしないといけない場合がある。その時に頼れる柱が一本だと、精神的に折れる可能性があるんだ。同じデッキ構成の人間に負けると、自分の上位互換だと思いこんでしまったりね。

Louis Izumi:ああ、その気持ちはわかります。自暴自棄になったり、嫉妬したり、自己嫌悪に陥ってしまった人も知っていますから。

Hirotaka Shiraki:だから僕は、精神衛生を最優先してデッキを組むことを推奨している。特に若い子が組みがちな「ルックス」は、かなりトリッキーなカードで、タイミングや相手によって「効果」が変わるんだ。僕にとっては10倍の効果があっても、君にとっては0.5倍というようなことが当たり前に起こる不安定なカードなんだよ。
武器カードではないから別のカードと組み合わせる必要があり、他人の基準に依存するため美しさや可愛さといった評価が抽象的で、人間は必ず老化するから基本的に価値は右肩下がりだ。ルックスばかりに力を入れていると精神的に不安定になるのは自明だろう。

Louis Izumi:需要がある玄人向けカードなんですね。

Hirotaka Shiraki:デッキの主軸は、抽象的な物差しを使わずに自分の能力を客観的に証明できるものが良い。

Louis Izumi:メインは安定して数字が出せるものにして、上手く戦えないときのリスク分散や、保険も用意しておく。本当に人生と同じですね。

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この作品に記載されている内容はすべてフィクションです。名前、登場人物、場所、事件などは Hirotaka Shiraki の想像の産物であり、何もかも架空のもの。実在の出来事、土地、人物(生死を問わず)との類似はまったくの偶然です。 そして我々は意思を得た鉱物であって人間ではありません。死を知らぬ無機物であるが故に私の作品には貴方にとって倫理的に問題がある内容が含まれることがあります。またアクマと自称することがありますが、それは角が似ているから。たった、それだけです。我々はサタンや他のアクマとは何の関係もありません。神に誓って。

Hirotaka Shiraki及びTHE JUNKSの運用費に使用します。