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#1:学校の勉強は必要?

Louis Izumi:THE JUNKS ライターのルイス・イズミです。前回の「#0:TALK ABOUTとは?」の際にも話題に上がりました、学校の勉強の必要性についてお話しできればと思います。よろしくお願いいたします。

Hirotaka Shiraki:結論から言うと「勉強はしなくても良いけど、あまりにもデメリットが多すぎる」って話だね。

Who is … ?
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Hirotaka Shiraki/人間ヲタクで自称アクマの芸術家
Louis Izumi/過去に色々あったTHE JUNKSのライター

Ⅰ. 学校の勉強って大切?


Louis Izumi:この悩みをもつ学生さんたちはたくさんいると思います。不登校の方や中卒(最終学歴が中学校)の方で、学校の勉強が苦手だったけれど成功している方っていらっしゃいますよね。

Hirotaka Shiraki:「ビジネスとしての成功」を人生の目的にするのなら、学校の勉強は「重要ではない」というのが答えになるね。特に日本の教育においては根本的に目的が違うから。

Louis Izumi:なるほど。教育の目的ですか。

Hirotaka Shiraki:これは国によって考え方が違うんだけれど、日本は「最低限のライン」を重要視しているんだ。治安や保障のためにね。授業のスピードを苦手な子に合わせるというのは、日本人なら経験があるはずだ。だからこそ得意な子は伸びにくい構造になっている。

Louis Izumi:確かにひとつの教科に特化しているより、全体的にバランスよく点数を取っている方が良いとされますね。

Hirotaka Shiraki:理由はシンプルだよ。義務教育において、点数が取れていないことのほうが問題になるからだ。前の記事で義務教育は「脳の使い方の基礎」という話をしたよね。「因数分解なんて人生でいつ使うんだ」なんて思っている時点で、そもそもの目的が理解できていない。
義務教育の段階では、因数分解という学問を学んでいるのではなく、公式という前提ルールのもとに物事を論理的に考えられるかを問われているんだ。レベルで例えるなら、学問書の間に挟まった広告ぐらいかな。

Louis Izumi:それは私に刺さります。

Hirotaka Shiraki:僕は決して勉強できないことを責めているわけじゃない。頭ごなしに「勉強をしなさい」という親もいるし、勉強をする理由についてちゃんと説明できない大人が多いのも事実だと思う。それどころか、子どもたちに「勉強は必要ない」と無責任な甘い言葉を投げて、落ちてくるのを舌なめずりして待っている大人もいるからね。

Louis Izumi:うーん、最悪ですね。

Ⅱ. 勉強をしないとどうなる?


Louis Izumi:自分の子どもに勉強して欲しいけど、なかなか苦戦している親御さんも多いかと思います。「なんで勉強しないといけないの?」と聞かれたら、どう答えるべきだと思いますか?

Hirotaka Shiraki:勉強をするとどうなるのか、勉強をしないとどうなるのか。理想論や感情論ではなく具体的に説明するべきだと思うよ。子どもの純粋な疑問には、答えるのが大人の仕事だから。ちなみにルイスは勉強をしないとどうなると思う?

Louis Izumi:ええと。職業の選択肢が少なくなります。あとは、あんまり給与が良い会社に就職できないとか、悪い人に騙されたりとか。

Hirotaka Shiraki:良いね。職業の選択肢はどうして少なくなるのかな?

Louis Izumi:業種によっては資格が必要だったり、新卒採用において大手企業は国公立や院卒(最終学歴が大学院)が最低条件だったりすることもありますから、少なくなるかと。

Hirotaka Shiraki:そうだね、その通りだよ。でも医者になりたいと思わないのなら、貴重な学生時代の時間を払ってまで医師免許って要らないよね。

Louis Izumi:まあ、そう言われたら、そうですね。

Hirotaka Shiraki:開業医になれば給与も高いけれど、体力も知力も必要で、とにかく求められるものが多い。医療が進歩している日本においては、医者が神格化されることも珍しくなく、責任も重いうえに手を抜けば命を失う。理不尽に恨まれることだってある。
つまり僕が言いたいのは、職業の選択肢が減るのはそんなに悪いことではないということだ。可能性や自由があり過ぎると、選択肢が多すぎて選り好みをしてしまい、大きなチャンスを逃すこともあるんだよ。

Louis Izumi:勉強は希望職種の水準を上回れば十分で、技術職であれば勉強はあまり重要ではないということでしょうか?

Hirotaka Shiraki:ここで君の「悪い人に騙される」という意見を持ち出そうか。悪い人って、なんで騙すんだと思う?

Louis Izumi:なんで騙すか?ええと、楽してお金を得たいからですよね。

Hirotaka Shiraki:うん。言い方を変えると、横暴な上司や客に胃を痛めながら月に160時間(8h×20日)働いて手取り20万円を貰うより、老若男女誰でもいいから一人騙して100万円を貰う仕事があったら、そっちを選ぶ人間がいるってことだ。
単純に考えてくれ。同じ100万円なら、頭も良くて頼れる友人に囲まれている奴を狙うより、義務教育すらまともについて行けなくてロクな友人もいない奴を狙うと思わないか?

Louis Izumi:ううん。辛辣ですが、否定できないです。

Hirotaka Shiraki:頭の良い学校に行っているから優秀なわけではないが、周りに優秀な人間が集まりやすい場所で勉強をすれば、周りの大人は君に期待をして多くを教えようとするし、無償で君を庇おうとしたり助けようとしてくれる。君が勉強をすることで、物事の判断が自分でできるようになるだけでなく、自然と周りの友人や大人が守ってくれる可能性が高くなり、精神的・肉体的な被害に遭う確率が下がるという話だ。どれだけ日本の治安が良いとしても十分なメリットだと思うよ。もちろん放棄する自由もあるけどね。

Ⅲ. 楽しく勉強をするには?


Louis Izumi:勉強の重要性はわかっているけれども「苦しい」という子も多いと思います。なにか勉強を楽しめるコツはありますか?

Hirotaka Shiraki:うーん、そうだね。性格にもよるんだけど、テストで60点を取るにはどこまで理解している必要があるか。70点や80点ならどこまで解ければ良いのかを、ゲームとして楽しむのが一番かな。

Louis Izumi:ゲームですか。

Hirotaka Shiraki:勉強ってPvE(Player vs Enemy)と変わらないんだよね。だからマウントを取りたいとか、競争に興味がある子のほうが有利なのは事実だけど、出題される範囲は決まっていて、志望校の過去問は何年分も公開されている。周回すればいつかはクリアできるんだよ。ただ長期戦だから、最低限の体力と精神力は必要だけどね。

Louis Izumi:すいません。PvEって何ですか?

Hirotaka Shiraki:対人戦じゃなくて、コンピュータと戦うゲームってこと。相手の強さは決まっているし攻撃パターンもある。最終ボスは一体で挑戦も基本は一回だけど、ボスと同じステータスの敵で何回もテストプレイができるんだ。だから一発で倒そうとするより、周回前提で対策を練るほうが攻略しやすいんだよ。
明確な合格というプライズがあって、高度なテクニックは不要。たくさんの子供たちが勉強して進学し、高所得を得るという再現性もある。しかもテレビゲームと違って勉強をすれば周りの大人が褒めてくれるという特典付き。勉強ほどコスパの良いものはないからね。

Louis Izumi:プライズ(景品)ですか。考えたことなかったです。

Hirotaka Shiraki:まあ楽しむのは難しくても、精神的な負荷を減らすことが重要なんだ。偏差値やテストの数字で落ち込むこともあるだろうけど、同い年の子どもを基準とした偏差でしかでしかない。
まず大前提として自分は馬鹿だからこの問題が解けないんじゃなく、この問題を知らないから解けないという事実に気付くかどうかだ。10代のうちの能力格差なんて大したことない。せっかくの学校生活も楽しまないといけないんだから、メンタルなんて崩してる場合じゃないんだよ。

Louis Izumi:勉強も学校生活も楽しめることが理想ですね。

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この作品に記載されている内容はすべてフィクションです。名前、登場人物、場所、事件などは Hirotaka Shiraki の想像の産物であり、何もかも架空のもの。実在の出来事、土地、人物(生死を問わず)との類似はまったくの偶然です。 そして我々は意思を得た鉱物であって人間ではありません。死を知らぬ無機物であるが故に私の作品には貴方にとって倫理的に問題がある内容が含まれることがあります。またアクマと自称することがありますが、それは角が似ているから。たった、それだけです。我々はサタンや他のアクマとは何の関係もありません。神に誓って。


Hirotaka Shiraki及びTHE JUNKSの運用費に使用します。