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私のトラウマ6

車を運転することへの抵抗は減らないけれど、ドーンと大きな音がするフラッシュバックは1回だったと思う。幻聴も交通事故当日のみ。

トラウマ反応は、安心安全な場所で過ごす事で、次第に治まると言われている。病院での治療が必須ではない。

私がとても参考にさせてもらった資料が「支援者のための災害後のこころのケアハンドブック(静岡大学)」です。

https://www.shizuoka.ac.jp/th_earthquake/care_hndbk_R.pdf

当時、東日本大地震もあり、誰もが強いストレスにさらされる可能性がある日常生活。とても役に立ちました。

「ストレス反応はいつもと違うショックを受けたときの自然な反応です。」

「安全で安心できる生活を続けていくうちに徐々におさまっていきます。」

「ストレスがかかるときは"食べる・寝る・話す"を心がけましょう。」

この言葉たちに、とても支えられました。
ありがとうございます。

心理士の仕事をするなかで、さまざまな知識や情報を学び、私自身が助けられた。知らないままでも、トラウマ反応は治まっていったかもしれないけれど、知識を得る事で見通しが持てたことは、心の安定につながった。

だからこそ、必要に応じて、トラウマ反応の心理教育を大切にした。

知識を知ったから、すぐに治る訳ではない。
即効性は、ない。

自分でコントロールするのが難しいから、困るのがトラウマ反応だ。

だけど、お守りのように、その知識がある事で、不安な時や、トラウマ反応を体験するたびに「これはトラウマ反応だ。」と気づける。

気づくことで、その体験やストレス反応に名前がつく。私の幻聴のように。

なんだか分からないままのものは、扱いにくい。なんだか分からないまま、それに振り回されてしまう。知ることで、気づく。気づくことで、その体験に名前がつき、体験と自分を区別できる。

なんだか分からない音がするとして。それが虫の鳴き声なのか、サイレンなのかで、行動は変わる。虫の鳴き声なら、そのまま放っておいて、動かなくてもいいかもしれない。だけど、サイレンなら、そこから逃げなければならないかもしれない。その判断は、その音が何かを知っているから、できる。

トラウマ反応は、無害の虫の鳴き声に、命の危機を感じて、緊急避難を開始するようなもの。

もちろん、その虫が毒を持っていたりしたら、その虫から離れる必要もあるかもしれない。

音のないものにも、危険と安全は潜むけど。

トラウマ反応は、全ての音に反応して、警戒して、緊急事態だと思ってしまう状態といえば、分かりやすいのだろうか。安全でも、過去の危険だった時の体験が、また今回も危険だと判断してしまう。だから、その反応を引き起こすもの(引き金)を知ることが、まず大事。

つづく

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