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「人間に幸せを与える食用豚の仕返し」

 僕は豚肉を食べられない。スーパーで売られている豚肉を見るのも嫌だ。実家が養豚業を営んでいるせいだ。

 物心ついた頃、初めてできた友だちは子豚の「トン助」だった。トン助は他の子豚たちよりも成長が遅く、売り物としては出来の悪い方だった。けれど成長が遅い分、僕は他の子豚たちよりもトン助と長く一緒に過ごすことができた。出荷されるまで他の豚と比べたら、時間があった。食用豚は通常、六、七ヶ月で出荷される。トン助の場合は、出荷までに十ヶ月もかかった。消費者に少しでも柔らかくおいしい肉を届けるために、食用豚たちは一年も生きることなく、短い生涯を閉じる。

 僕は父親にトン助をペットとして飼わせてほしいとお願いした。けれど養豚業者として真面目に生きている父はそれを受け入れてはくれなかった。理由はいちいち一頭一頭の豚にかわいそうとか情を入れたら、養豚業なんて成立しないからダメだというものだった。一頭の豚を特別扱いしたら、他の豚たちが気の毒だろなんて矛盾するようなことも言っていた。父は養豚業者として、豚たちのことは平等に扱いたかったらしい。ペットがほしいなら、猫や犬を買ってやるぞと言われたけれど、僕は断った。僕はペットがほしかったわけではなく、トン助と離れたくなかっただけだから…。トン助じゃないと意味がなかった。

 トン助を食用肉にしたくなかった僕は、トン助を連れて家から逃げ出したこともあった。子どもの足では遠くへ行けるはずもなく、すぐに見つかり、連れ戻された。傷がつくと売れなくなるから、トン助を外へ連れ出してはいけないとも言われた。

 トン助は同じ時期に生まれた子豚たちは見られなかった桜を眺めながら、トラックに乗せられ、養豚場から食肉加工場へ向けて旅立った。別れ際、泣きじゃくる僕をじっと見つめていたトン助のやさしい眼差しが忘れられない。同じ子どもだったはずなのに、いつの間にかトン助は僕を追い越して大人に成長していた。「心配しないで、大丈夫だよ」と言うかのように、抵抗することもなく、鳴きわめくこともなく、トラックの荷台に向かって静かに歩き始めた大切な友だちの姿が忘れられない。その日出荷されるトン助以外の豚たちも乗り込み終えると、トラックは躊躇することもなく、食肉加工場目指して発進した。

 追いつけるわけないと分かっていても、僕は「トン助、トン助!」と叫びながら、トラックの後を走り続けた。僕の声に気付いたトン助が一瞬、鳴き声をあげた気がした。しかしトラックはあっと言う間に見えなくなった。見えなくなっても、追いかけ続けた。そのうち石につまずいて転んでしまった。膝を擦りむいてしまっていた。立ち上がった時、ふいに風が吹いて、無数の桜の花びらが僕の視界をかすめた。トン助と同じ色の花だと思った…。

 僕はそれ以来、桜の花も嫌いになった。トン助のことを思い出してしまうから…。

 一刻も早く、大人になって実家から離れたいと願うようになった。豚なんて見たくないし、豚肉なんて食べたくない。とにかく養豚業の家には居座りたくなかった。

 あえて寮のある遠くの高校へ進学し、大学生になると一人暮らしを始めた。豚を乗せたトラックなんて見かけることもない都会で、豚を意識しなくて済む生活を送っていた。スーパーの精肉売り場には近づかなければいい。別に肉を食べなくたって生きていける。豚肉じゃなければ、牛や鶏なら食べられる気もしたけれど、結局は養豚と同じ理屈で彼らも人間の都合の良いように飼育された憐れな存在だと気づいた。だから僕はいつの間にか肉全般を食べられなくなっていた。

 肉が苦手だと必然的に焼き肉屋へは行けない。ステーキもハンバーグも無理となると、外食そのものが億劫になった。だから僕には友だちがいなかった。それは当然のことだった。外食も、それからお花見さえも拒絶する僕に、声を掛けてくれる同級生は必然的にいなくなった。友だちなんていなくても別に構わないと開き直っていた。僕にはトン助という友だちがいて、その大切な友だちのことを僕は守ることができなかったのだから…。友だちができたとして、守ってあげられないなら、ずっと一緒に居られないなら、つらくなるだけだ。つらい思いをしてまで、友だちがほしいとは思えなかった。一人の方が気楽だし、傷付かなくて済むし、僕はこれからもずっと孤独なままでいいと自分に言い聞かせていた。

 トン助のことも忘れて、都会で自主的に孤独生活を謳歌していたのに、出会ってしまった。一緒に居たいと思える相手と…。
 肉を食べることなく、野菜中心の偏った食生活を送っていたせいか、僕は体調を崩すことが少なくなかった。
 その日も体調を崩して、総合病院を訪れていた。帰り際、病院の中庭にカーディガンにパジャマ姿で車椅子に乗っている彼女の瞳に心奪われてしまった。やさしい瞳がトン助を思い出させた。その眼差しの先には、桜の木があった。桜の花なんて咲いていない、冬枯れの桜の木が…。
「桜井さん、寒いのに勝手に外に出ちゃダメですよ。」
彼女を見つけた看護師さんが慌てて駆け寄ってきた。
「ごめんなさい。どうしても外の空気が吸いたくて…。」
「体に障りますから、病室へ戻りましょうね。」
桜井という名の彼女は看護師に車椅子を押されて、院内へ戻って行った。

 その日以来、僕は彼女のことが頭から離れなくなった。一人で居よう、孤独がいいって決めていたはずなのに、どうしても彼女のことが気になって仕方がなかった。彼女のやさしい瞳がトン助に似ているという理由だけではなく、なぜか彼女に惹かれる部分があった。それが何なのかは分からなかったけれど…。

 体調が治っても、僕はその病院に通うようになった。一目、彼女に会いたくて…。でもなかなか彼女には会えなかった。冬だし、寒いし、外に出るなんてめったにないか。この前、看護師さんから注意されていたし…。なんて思っても、時間の許す限り、僕はその病院へ足を運んだ。

 面会のフリをして、時々、入院病棟へも訪れるようになった。桜井という名字は知っていたから、その名字の部屋を探してみたけれど、なかなか見つけることはできなかった。廊下を歩いていると、遠くから見覚えのある女性が車椅子に乗せられてやって来た。彼女だった。看護師ではなく、見知らぬ若い男性が彼女の車椅子を押していた。二人はお似合いのカップルに見えた。彼氏くらいいても当然か…。でももしかしたらお兄さんか弟さんってこともあり得るし…とわずかな希望を抱いて、すれ違いざま、二人の表情をちらっと伺った。あろうことか僕はそのまま、二人の後をつけ、彼女の病室を覗いてしまった。

 彼女を個室の病室に送り届けた彼は、彼女の唇にキスをした。僕がすぐ傍で覗いていることなんて少しも気付いていない様子で…。やっぱり恋人同士だった…。うなだれる僕に「何をしているんですか?」と不審に思った看護師が声を掛けた。僕は慌てて何も言わずにその場から立ち去った。

 なんだ、そっか…彼女には恋人がいるのか…。お似合いだったもんな…。何の病気かは分からないけど、あんな素敵な彼氏がいれば、彼女はきっとすぐに元気になって退院できるだろうな…。僕と違って、彼女には幸せな未来が約束されているんだ。

 そう考え始めたら、ストーカーまがいのことをして彼女を追っていた自分が愚かに思えて、自分の人生そのものがバカバカしくなった。一人がいいとか強がって生きてきた自分が惨めに思えた。友だちも彼女もいない…。きっとこれからもできることはない自分に虚しさを覚え、気付くと僕は、踏切の傍に立っていた。別にこれまで希死念慮なんて抱いたことはなかった。死にたいなんて考えたこともなかったのに、たった一度失恋したくらいで死にたくなる自分はなんて弱いんだろうと心の中で自分自身を嘲笑っていた。死んだら、あの世でトン助に会えるかな…なんてぼんやり考えていた。

 電車に飛び込もうとした瞬間、誰かに身体を強く抑えられた。
「おめでとうございます。あなたは命を救う人間の一人に選ばれました。」
何を言われているのか、さっぱり分からなかった。普通、明らかに死にたがっている奴に、おめでとうなんて声を掛ける奴なんているか?非常識な奴だなと顔を上げると、横づけされていたトラックの荷台に僕は放り込まれた。
「何するんだよ、どこに連れて行くつもりだ?ここから下ろせ。」
何を言っても、何度大声を上げても、返答はなく、トラックは止まることなく走り続けると、どこかへ到着した。

 「今日、臓器を提供してくれる人間が見つかりました。」
さっきおめでとうとか言った奴が今度はそんな恐ろしい戯言を発した。
「へっ?臓器を提供って…。」
「あなたはさっき死のうとしていましたね。あのまま死んでしまってはもったいない。どうせ死ぬなら、生きたがっている人間にあなたの臓器を提供しましょう。」
夢か何か、はたまたとっくに死んでしまってあの世にでもいるのかと思った。自分の知っている世界ではない気がした。
「ちょっ、ちょっと待ってくれよ。たしかに僕は死のうとしたけれど、本気じゃなかったっていうか…魔が差したというか…。」
恐ろしい戯言を吐いた奴はふーっと深い溜め息を吐いた。
「あなたも往生際が悪いですね。別に苦しい思いはさせませんから。我々は人でなしの人間と違って、やさしい生き物ですから。ちゃんと臓器を取り出す際に害のない麻酔を準備してありますから、安心してください。」
人でなしの人間と違ってやさしい生き物?何を言ってるんだこいつ。人間にしか見えないのに…これは新手の人身売買なのか?なんて考えていると、もう一人、誰かがやって来た。
「今日はこの人間の臓器を抜き取ればいいんですね…。」
注射器を片手に現れた彼の瞳に僕は見覚えがあった。
「トン助…。トン助だろ?」
人間にしか見えない彼の瞳はトン助の瞳によく似ていた。
「猪岡先生に向かって失礼だぞ。猪岡先生はトン助という名前なんかじゃない。人間の臓器を摘出する第一人者なのだから。」
さっきから訳の分からないことを言っている奴がまた、ますます混乱させるようなことを言ってきた。
「彼は…少し顔色が悪いようだ。念のため、血液検査をしよう。臓器摘出はその後だ。」
猪岡というトン助に似た瞳の人は僕の顔をじっと見ると、急にそんなことを言い出した。
「猪岡先生、すぐに摘出しないなんて珍しいですね。彼は若いし、多少顔色が優れなくても臓器はきっと問題ないでしょう。臓器を待っている人間、生きたがっている人間はたくさんいるんですよ。死にたがっている人間なんかに同情している暇はありません。」
「同情ではないよ。念のために調べるだけだ。もしも健康状態に問題があって、臓器そのものが使い物にならなかったら、摘出しても意味はないからね。」
猪岡という人は顔色ひとつ変えずに淡々とそんなことを言った。
「それでは血液検査をして問題がなければ、翌朝すぐに手術に取り掛かろう。」
僕は逃げ出すことができないように、ベッドに拘束された。少しずつ信じられない状況を理解し始めた僕はこれが現実ではなく、夢であってほしいと心の中で祈っていた。さっきまで死にたかったはずなのに、死にたくない、生きたいと思うようになっていた。

 「君の名前は…。いつもは名前なんて聞かないのだが…。」
「木下正人だよ。本当に僕のこと…覚えてないの?トン助…。」
採血されながら尋ねると猪岡は静かに語り出した。
「トン助という名前も、君のことも覚えてはいないが、君がそういうのなら、私はトン助という名前だった可能性はある。こんな話、人間にはしたことはないのだが、私はね、かつて豚だったんだ。」
人間にしか見えない猪岡が大真面目に自分は豚だったとはっきり言った。
「やっぱり…あなたはトン助なんですね。」
「ある夜…豚小屋に一頭の猪が現れてね。君たちは猪の仲間なのに、人間の思い通りにされて飼い慣らされている。それでいいのかって。それでいいのかと尋ねられたら良い訳はないけれど、豚たちは自らの意志で自分の人生を決めることはできないからね。生まれて間もなく、しっぽを切られ、歯を抜かれ、種豚以外、雄なら睾丸も取られてしまう。麻酔もされずに…。痛みの次は自由のない淡々とした日常生活が始まる。狭い空間に閉じ込められ、身体を大きくするためにひたすら食べ物を食べるだけの生活…。しばらくしてまたその猪がやって来て、山の神さまに君が死んだら、人間の姿で生き返らせてほしいとお願いしておいたよと。豚のままでは人間に仕返しはできない。人間に仕返しするなら、人間の姿の方が都合が良いだろうと。私は食肉として加工され、短い生涯を終えると、猪が言った通り、本当に人間の姿に生まれ変わっていた。自分が豚だったことは覚えているけれど、どこで誰と過ごしたのか、名前があったことも覚えてはいない。君は私のことを知っているようだね…。」
さっきまで冷酷に見えていた猪岡が少しやさしく笑みを浮かべた気がした。
「そんなおとぎ話みたいな話をされてもすぐには信じられないけれど、でももしも本当にそうだとしたら、あなたはトン助に間違いないです。あなたは…養豚業を営んでいる僕の父に育てられ、僕は幼い頃、あなたを友だちとして慕っていた…。食肉にしたくなくて、ペットとして飼わせてほしいと父に訴えたけれど、ダメだった…。子どもの僕は無力で、守ってあげられなくてゴメン…。」
「もしも本当に君と私が友だちだったとしても、それは過去の話だ。友だちだったとしても、君を逃がすことはできないよ。私は…人間に復讐するために人間の姿に生まれ変わったのだからね。しかし本物の人間たちのように低俗な真似はしたくない。健全に仕返ししたいと思って、身体だけ健康な死にたがっている人間から臓器を摘出し、臓器移植を待つ、生きたがっている人間にその臓器を提供する。復讐すると同時に人助けもしているんだ。本物の人間たちなら、無差別に豚のことを食用として好き勝手に扱うが、私はそんなことはしない。生きたい人間にはチャンスを与えたい。」
「あなたの言っていること、なんとなく分かってきましたが、でもどうして臓器なんですか?別に人間を殺すだけでも十分に仕返しにはなると思うのですが…。」
「ただ殺してしまったら、もったいないじゃないか。それに最近人間は、豚を食用としてだけではなく、移植用にも利用し始めた。食われるために大量生産されるばかりか、今度は臓器を提供するためだけの豚も多く飼育され始めた…。豚だった私はね、人間よりも豚ファーストなんだよ。仕返しより先に、今、生きている豚たちを救いたいんだ。本来、豚は十五年ほど生きられる。しかし、人間の都合で生まれて数ヶ月で殺されてしまう…。もっと伸び伸びと生を謳歌してほしいんだ。臓器が必要なら、人間は人間の臓器を使えばいい。だから臓器なんだよ。」
彼の説明を聞いた僕は言葉が出なかった。言われてみればすべてその通りだから。人間はなんて自分勝手な生き物なんだろう。豚たちのことを食用として飼い慣らすばかりか、人間に臓器を提供する道具としても利用するようになった。豚にだって人間と同じく命はあるのに…。ひとつひとつちゃんと命を持って生まれてくるのに…。
「分かりました。僕は豚たちの命を蔑ろにしてしまっている人間のひとりとして、潔く、あなたに臓器を摘出されます。僕の臓器が他の人間を救うことになれば、豚の臓器は使われずに済むんですよね。」
「君が物分かりの良い人間で良かったよ。あぁ、そうだよ。こうして人間が人間を救えれば、豚の臓器なんて必要なくなる。君の命は誰かの命の中で続いていくんだ。そう思えば怖くないだろ?私はそう考えながら、食肉に加工されたよ…。誰かが私の肉を食べて、それが命をつなぐことになれば少しは自分が生まれた意味もあったかなと思ったりしてね。」
彼は遠い目をしてそんなことを呟いた。
「僕の臓器…。誰に提供するかもう決まっているんですか?」
「もちろん決まっているよ。あまり口外してはいけないことなんだが、なぜか君には話したくなるよ。心臓は桜井という若い女性、肝臓は…。」
「桜井?あの桜井さんを僕の心臓で助けられるのなら、本望です。是非、お願いします。僕…彼女の役に立ちたいんです。」
彼が話している途中、桜井という名前を聞いた僕は思わず口を挟んでしまった。
「君は…彼女と知り合いなのか?」
「いえ、一方的に知っているだけで…。その…移植が必要なほど、重い病気だったとは知らなくて…。」
「彼女の場合は、心臓移植の手術を受けられないと、そう長くはもたない。君と違って、彼女は病気にもめげずに未来を信じて、生きたがっているからね。早く助けてやりたいんだ。彼女だけじゃない。そういう人間が世の中にはたくさんいるから、知恵を働かせた人間が、豚の臓器まで利用し始めたんだ…。」
知らなかった。命の灯火が消えかかっているほど、彼女が重病だったなんて…。桜の花が咲くまで生きられるかななんて思いながら、桜の木を眺めていたのかもしれない。彼氏ともいつまで一緒に過ごせるか分からない不安と戦いながら、懸命に明るくふるまって生きていたんだ…。彼女に約束された明るい未来があったわけではなかった。じゃあ僕が、僕の心臓で彼女に明るい未来を約束してあげよう。大好きな彼女に僕ができることはそれくらいしかないから…。

 「血液検査の結果、一応臓器には問題は見られなかった。手術に取り掛かるよ。ちゃんと麻酔をかけるから安心して。苦痛は与えない。」
翌朝、麻酔の注射を打たれ、薄れゆく記憶の中、彼の瞳を見つめながら、僕はこう呟いた。
「猪岡先生…あなたに出会えて良かった。トン助に再会できて幸せだった。どうか僕の心臓を桜井さんに届けて…彼女の命を救って…。」

 次に目覚めた時、僕は誰かの視線に気付いた。彼女の視線だった。
「キレイな桜の花…。桜を見られて本当に良かった。私に心臓を届けてくれたドナーの方、本当にありがとう。あなたのおかげで私は今こうして桜の花を愛でることができています。」
彼女の中で僕の心臓はちゃんと生きていた。彼女の命の一部になれて幸せだと思えた。僕はというとどうやら桜の木に生まれ変わったらしい。あんなに嫌いだった桜の花も、彼女に幸せを与えられるなら、悪くないと思えた。トン助と同じ色の桜の花…。僕はもう歩くことも話すこともできない存在になってしまったけれど、彼女や猪岡先生が僕の傍に来てくれることを信じて待っているよ。誰かの心を癒すことができるなら、動けなくても、ここでじっと立ち続けていられる気がするんだ。

 いつかの風によく似た春風が吹いて、僕の花びらを彼女のすぐ傍に運んだ。彼女はその花びらを大切そうに拾って手のひらで包み込むと、鼓動を確かめるように、もう片方の手を胸元に当てていた。

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