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ジャック・マーから若人へ、ぼくから新入生へ

"The first job is the most important. Not necessarily a company that has a great name but you should find a good boss that can teach you how to be a human being, how to do things right, how to do things properly, and stay there. Give yourself a promise: I will stay there for, at least, three years. Then you start to move. A lot of people (gesture. Meaning "changing their jobs time after time). That's no good. I've seen a lot of disasters." Jack Ma, WTF summit in Davos 2019. 
筆者意訳:卒業後の初めての就職先が君の人生に大きな影響を与える。会社が有名かどうかなんて大したことではない。大事なのは君の上司だ。人として大切なこと、正しいことを正しく行うことを教えられる人を見つけなさい。そして、見つかったら、どんなことがあっても3年間はその人のそばで学びなさい。 私は多くの人が職に就くや否や次の転職先を探し移る人を見てきたが、ろくなもんじゃなかったよ。

しびれる。。。

隣りにいた進行役の人の心からの同意の声が洩れるくらいに。

残念ながら、今の日本で職を上司で選ぶことはほとんどできない。上司どころか部署さえも入社後の“配属ガチャ”に委ねることになる。“石の上にも3年”というが、ジャック・マーさんのアドバイスは幸運にも尊敬する上司に巡り会えた場合であって、そうでない場合はこの例ではないと思う。(無責任かもしれないが、メンタルヘルスのためにも“逃げ恥”である)。

ただし、上のアドバイスが当てはまる場合もある。大学、高校、中学の新入生だ。(課外活動という意味では、何も学生に限らない)。

新入生の皆さんへ、
ご入学おめでとう!皆さんが期待に胸を膨らませているうちの一つに部活動、サークル活動があるかと思います。やりたいことが決まっている人は大いに結構。でも、いまいち定まらず迷っているのなら、ぜひとも“2年生”を見て選んでほしい。3年生、ないし4年生はそりゃあかっこよく映る。そんなこと今の自分にできっこないと彼らを過大評価しがちになる。でも、まず新入生の面倒を見るのは2年生だ。彼らが君らの“上司”だ。そして、2年生の姿が君の1年後の姿になる。だから、迷っているのなら、ぜひとも尊敬する1つ上の先輩を追ってほしい。

「お前もまだ学生だろ!」って突っ込まれそうだが、ご愛嬌。ちなみに、勧誘文句として3年生以上が新入生見学者に述べると結構効果ありましたよ(体験談)。その際は2年生を誇るといいと思います。



ここで終わってもいいのですが、興味深かったので、もうちょっとジャック・マーさんのダボス会議での発言を拾ってみます。(英文抽出はサボります。なお、以降は以下の動画での氏の発言の意訳です)

“我々はテクノロジーが人類に恩恵を与えると信じている...(中略)...しかし、初期の段階ではテクノロジーが牙を剥くことがある。第一次世界大戦は第一次テクノロジー革命により引き起こされ、第二次世界大戦は第二次テクノロジー革命がもたらした。そして今、第三次テクノロジー革命が起きている...(中略)...Don't be evil (Googleのモットー) (“邪になるな") では不十分だ。世界のため、未来のために積極的に良いことをすることが求められている...(中略)...キーとなるのはデータだ。データが効果的でスマートなデータの使い方を教えてくれる。そして、それこそが我々のできることだ。”

「いやあ、おたくの国がその第三次世界大戦を起こす気満々じゃないか!?マーさん党員でしょ?」と思わずツッコミを入れてしまいそうですが。(詳しくはこちら:AIの軍事利用を目的とした大学の学科を中国が開設。トップ層の高校生獲得を狙う)。そうは言ってもアメリカもロシアも開発に躍起になっているから、経済大国2位としての勢力均衡を図るためだと思いたいです。

それから動画は見つからなかったのですが、こうも言ってます。ソースはこちら(5番目と6番目。意訳です)

“きちんと寝なさい。寝ないと戦えません。”
“賢い人をマネジメントしたいならマネジメントを文化に起因させなさい。彼らが何に価値を置いているのかを見定めるのです。それをせずにルールやら法やら文章やらで縛り付けてしまっても、彼らはそれに従いません。”

世界中に向けての発言ですので、日本で起きていることも、どうやら世界中で起きているみたいですね。あるいは、優秀な人材獲得競争はやっぱり世界規模とも見えます。

ここまで見ると、冒頭の発言の真意も、
・データは強力だが、使い方を誤ると今後の世界がやばい

・悪いことしなければいい。法に触れなければいいだけでは不十分

・積極的に人類と子孫のために善行せよ

・その姿勢とやり方こそ上司が部下に教えるべきものであり、部下であるあなたが価値を見出すべきものなのだ

となってくる。

重たいバトンだぜ。

コーヒーをご馳走してください! ありがとうございます!