固まりきれない氷の上に立つように
どんよりとした厚い雲の日々。首都タリンはとうとう最高気温も氷点下となってきた。セントラルヒーティングで暖められた団地の共同玄関を抜けると新鮮な空気が肺を清める。体感気温としては、まず間違いなく、気温が下がるに連れて低く感じるのだか、なぜか氷点下の空気はどこか生命力に満ちているようで一息でシャキッと身体が目覚める音がする。暖房で怠けていた細胞たちが自ら熱を発する、そんな体の強がりが心を温めてくれる。
反対に2,3度といった中途半端な気温が最も寒い。
「これで晴れていてくれれ