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自分の限界を突破して0から1を生み出す発想術

0から1を生み出すというのは、アイデアを思いつきで口にするのでなく、基礎データを自分自身で時間を集め、類似例を分析して現状を把握した上で、事実を積み上げて論理を構成すること、そしてさらに、その論理から自分の想像力を駆使して発想を飛躍させることです。

今回は「無から有を生み出すイノベーション力」を本気で身につけたい人のために、名著「0から1の発想術」で提案されている11の考え方を紹介します。

消費者のニーズを正しく捉えるために
SFD/戦略的自由度

「会社として何を提供したいのか」ではなく、「ユーザーはいったい何を求めているのか」と、ユーザー側から発想することが重要です。

ユーザーが求めていること(目的)がわかれば、次にそれを達成するための軸(手段)はいくつかあるのか、洗い出す。その手段の軸に沿って、具体的にできることは何かを検討して実施する。これが戦略的自由度の発想方法です。

ポイント
1. ユーザーの目的を考える。
2. 目的を達成する幾つかの軸(方法)を設定する。
3. 軸に沿ってどんなことができるのかを検討する。

情報格差こそビジネスチャンスになる
アービトラージ

私たちは常に固定概念にとらわれています。しかし、そこにとどまっていては、新しい発想は生まれません。

固定概念の外に出るためにこそ、情報を活用すべきなのです。そしてまた、固定概念にとらわれやすいからこそ、そこから抜け出した一握りの人間が、情報格差によって富を得ることができるというわけです。

ポイント
1. 情報格差でサヤを抜く。
2. 固定概念にとらわれず、外からものを見る。

「組み合わせ」で新たな価値を提案する
ニュー・コンビネーション

「ニュー・コンビネーション」という発想は、足せばそれでOK、ということではありません。

日本の家電の多くが陥ったように、機能をプラスすることばかりに注力して、ユーザーが必要としていないものを提供しても意味がありません。機能をプラスすれば価格は序章するわけなので、必要のないユーザーにとっては良い迷惑です。

むしろ「ニュー・コンビネーション」は「〇〇と〇〇を足したらどうなるだろう?」という発想の転換として捉えましょう。

ポイント
1. 既存の2つのものを足してみる。
2. 足したことで、価格と価値がいかに変化するか。

「稼働率向上」と「付加価値」の両立を
固定費に対する貢献

固定費を削って利益を確保しようとするのではなく、今まで稼働していなかった曜日、時間帯に稼働することはできないか、という発想です。

固定費は言い換えれば「資産」です。

それを遊ばせておくのはもったいない。遊ばせておくぐらいならナローキャスティングやポイントキャスティングでユーザーを取り込んでしまえば良い、という発想です。

ポイント
1. 固定費を遊ばせていては、利益は生まない。稼働時間を分析して混んでいない時には値段を下げてでも稼働率を上げよ。
2. 稼働率を上げるには、ナローキャスティングやポイントキャスティングで顧客をシールドする。

高速化した変化のスピードについていく方法
デジタル大陸時代の発想

「あの頃はよかった」というように、過去を賛美してはいけません。

なぜなら、その時代にはもう戻れないのだから。

私たちはいまだに全貌が見えない「デジタル大陸」の上を、自分の航海図を頼りに進んでいくほかありません。

ポイント
1. 個々のデジタル機器がインターネットなどによってつながり、「デジタルアイランド」が、「デジタル大陸」になりつつあるという現実を認識する。
2. その上で「5年後の生活・ライフスタイル」を創造し、そこからサービスや商品に落とし込む。

「兆し」をキャッチする重要性
早送りの発想

「早送りの発想」は、アンテナの感度が求められます。常に「流れ」に目を配って「兆し」を発見し、アイデアに結びつけていきましょう。

ポイント
1. すべての「新しい概念」は、すでに存在している(世界のどこかにある)と考える。
2. 小さな「兆し(=ヒント)」を捉えて高速の早送りを行い、来るべき未来を想像する。

Uber, Airbnbもこの発想から生まれた
空いているものを有効利用する発想

イノベーション力を持った個人にとっては、アイドルエコノミー時代はまさに、望むべき世界かもしれません。スキルさえあれば、企業に属していなくても、安定した仕事や収入を得ることができるので。

ポイント
1. 既存の思考にとらわれず、360度の視野で「空いているもの」を探す。
2. 「働いていない」「使われていない」「空いている」ものを有効活用する。そのためにはネットを使ってユーザーとサービスを結びつける。

「業界のスタンダード」を捨てる
中間地点の発想

定義が固まっている業界こそ、むしろチャンスと考えて中間地点を探してみることを勧めます。

これはビジネスの現場での思考でも同様で、考えが固まって膠着してしまったら、「中間地点はどうだろう?」と問い直すことで、新しいアイデアを見出していくことができるはずです。

ポイント
1. AとBという2つの方法がある場合、その中間地点でポジショニングすることで差別化を図る。
2. 折衷案ではなく、大きな枠の中にスイートスポットを見つける。

「もしあなたが〇〇だったら」が思考を変える
RTOCS/他人の立場になる発想

RTOCS = Real TIme Online Case Study
現在進行形で起きているビジネスや経済の動きをベースに行うケース・スタディです。

一般にビジネススクールなどで行われるすでに答えの出ている古いケース・スタディではなく、まだ答えが出ていないリアルタイムの"生きた事例"を対象にして、実践的な問題解決能力を身につけようとするのがRTOCSです。

今の時代、データを集めることは容易いです。しかし、データは集めただけでは、宝の持ち腐れです。そこから結論を導き出さねばいけません。

RTOCSでやってはいけないことは、データを集めずに「もし、自分が〇〇だったら・・・」と思考することです。

現状と課題を正確に把握した上で検討しなければ、それは単なる感想か夢想です。「俺は〇〇のやり方が嫌いだ」という低次元の話に終始してしまいます。
データやファクトを見て分析し、その人の立場から解決策を発想することが重要です。

ポイント
1. 他人の立場になって徹底的に考えることで、思考回路が劇的に変わる。
2. RTOCSは4~5人でアイデアを出し合ってブレーンストーミングをした方が発想が広がる。
3. 行き詰まった場合には、上のレベルで考える。

発想の飛躍が息の長いビジネスを生む
全てが意味することは何?

何人かで話し合っていてアイデアが生き詰まってしまった時には、ぜひ使ってみてほしい手法です。

ポイント
1. A、B、C・・・と各論が出てきたときに、「What does this all mean?」(それらすべてが意味することは何なのか?)という質問をぶつける。
2. この質問によって、A、B、C・・・各々の自称のそれら全てを意味している「X」を見つけ出す。
3. A、B、C・・・という事実を足し合わせて結論を得るのでなく、「X」へと発想を飛躍させ、そこから答えを考え出す。

あなたには何が見えるか?
構想

デジタル大陸以前の時代は知識を持っている人材に価値を認めていました。ですが、今や知識はGoogle検索に置き換えられてしまいました。

知識はインプットするだけでは意味がありません。それを発想に結びつけ、ひたすらアウトプットしていきましょう。そうすることによって「思考のジャンプ=イノベーション」の発想ができるようになります。

ポイント
1. 構想は、コンセプトやビジョンよりも1つ大きな概念である。
2. 構想は「見えないもの」を個人の頭の中で絵にすることである。

最後に

以上、11の発想術を本を引用する形で紹介しました。興味を持った方はぜひ原著を手に取ってみてください。

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