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ヒロ
2020年7月5日 18:44
雨音はいつの間にか聞こえなくなっていて鳥たちの力強い羽ばたきの音がした窓から見下ろしたアスファルトはもう乾きはじめて水溜まりが煌めいてる雨上がりの風が涙を拭ったかなしみは黙って耐えるも良し笑い飛ばすも良し涙で流してしまうも良し私のやり方で向き合っていく雨音と傘に隠れて泣いた帰り道は世界から切り取られたおとぎ話みたいだ律義に守ってる赤信号隣に立ち止まった無垢
2020年6月25日 18:08
傘を叩く雨音に耳を傾けると嫌なことがちょっと雨といっしょに流れて薄れていくようなそんな気がしてみわたせば楽しそうな笑い声大きな水たまりの上で小さな長靴が跳ねているどんより僕らを覆う厚い雲の向こうにあるあおい空を待ちながらいまこの時も楽しめることいつまでも忘れないでいよう道端の花をつたい落ちる雨粒に立ち止まってじっと見とれてた帰り道ふと我に返って足早に立ち去る
2020年4月15日 18:04
ひとりの夜に響く雨音はよく似合う静かな雨音は何かを綺麗に洗うようで小さく開けた窓から思わず外に手を伸ばした私だけが知ってる秘密誰にも知られたくない感情無かったことにできないのは分かってるからせめて心の棘の先が丸くなるまで止まないで窓をつたって落ちる雨粒を目で追った幼い頃なぜか傘を閉じ頭からずぶ濡れで帰って叱られたこと思い出して笑みが零れた私だけが知ってる