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カメラは盗られなかった

蓮池ヒロ / Hiro Hasuike

海外に住んでいたときの、ちょっとした後悔の話。

去年はフリーランスの写真家/ライターとして独立し、念願のスペインはバルセロナ移住に向けて、冬の1ヶ月間に試住を行った。その後は、ポルトガルのポルト→スペインに戻ってバレンシア→マレーシアのクアラルンプールに、それぞれ1ヶ月ずつ試住してみた。

いまは、日本の拠点とするべく沖縄の本島に住んでいる。

写真との向き合い方の変化

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最近、写真の考え方が大きく変化して、シャッターを切る回数が格段に増えている。1日1回はカメラを取り出すように。

もっと日常のなんでもないシーンや思い出を記録しておこう、と思った。物事や被写体ありきで撮影するのではなく(それもそれで良いけど)、自然に被写体と向き合っている撮影にしたい。

そのためには、日々の現象に着目して、面白さや規則性、変化に敏感になる必要がある。だから、練習や機会を増やす意味でシャッター数が増えたのだ。

なにより、撮っている私が楽しい。写真には私の姿は写っていなくても、被写体(人物以外でも)との距離感は写り込む。

「ファインダー越し」のように自分の世界を押し付けずに、観る人が疲れないラフで空気感の伝わる写真が撮りたい。同時にメディアとして伝える役割も静かに持ちたいと考えるようになった。

メディアとしてわかりやすい写真

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海外に住んでいたおよそ4ヶ月間は、観光地や有名なお店、レストランなど、メディアとしての記録写真が多かった。

つまりは、ブログや記事に使いやすい写真のことだ。異国の写真だ、綺麗だろーすごいだろー感。

海外に住むという自分にとっては刺激と新しい発見の連続だったのに、物事や被写体ありきで、カメラを出そうとも撮ろうともしなかった。


だから、日常の自然な写真が少ない。

モデルになってもらった友達のキリッとしたカッコいい写真はあるけど、一緒に宅配ピザを食べた写真はない。

Airbnbで1ヶ月一緒に暮らしたホストとの会話は覚えていても、毎日縮んでいる照れ臭い距離感を写した写真はない。

「そのとき気付かなかったから今がある」とは理解していても、「どうして残しておかなかったんだろう」という些細な後悔が残る。

カメラを盗られなかった代償

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海外生活では、貴重品を入れたカメラバックを背面に背負っていながら行動したが、危ない目にも合わず、窃盗もなかった。

特にバルセロナでは、日本人ターゲットのスリが多発している。知り合いもスマホを盗られたし、大使館からも注意があるほど。

対策として、ポケットにはスマホさえいれなかったし、バッグも後ろからチャックを開けられにくいものを選び、カメラを使う場面は最小限に。

その結果、カメラを取り出すことが億劫になったし、高いカメラレンズで綺麗な被写体をただ撮るだけの作業のようになってしまった。


確かにカメラを絶対に盗られたくないし、盗られたら半年以上は落ち込むだろう。撮ったデータもなくなるかもしれない。

それでも、撮りたかった。

また行けば良いし、行くのだけれど。そのときの記憶や考えたこと、何に興味を惹かれているのかは変化していくものだから、同じ写真は撮れないだろう。(正確には撮っていないけれど)

このちょっとした海外での後悔を反省に、少しずつ諦めずに日常を撮っていくことに決めた。

疲れない写真を撮る写真家として

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写真とは不思議で、全く同じカメラレンズで同じ場所で写真を撮っても、人によって全く異なる印象の写真になる。

人それぞれの考えやクセ、何を写真の基準とするかは違ってくるからだ。さらに、レタッチでの変化を好む人もいる。

被写体やシーンごとに、一般的に王道とされる撮り方はあるけど、正解はないのだから、外したって良い。


周りに同業者が少なく、ひとりで活動していると、SNSで活躍しているフォトグラファーや良い機材で綺麗な被写体を撮る方を見かけて、つい嫉妬心や羨ましさを抱いてしまうときがある。

嫉妬はやっかいだけど、自分を振り返り、なぜ嫉妬したのか分析することで、気付きや新たなアイデアのタネに変換もできる。

なぜそう感じるかは、現状に満足していない私の姿があると同時に、撮影者の承認欲求や見せびらかし、伝えたい気持ちの圧が強すぎる場合があるのかもしれない。

写真は好きに撮れば良いし、エゴもあって良い。強い気持ちの圧で心が動いた経験が私にもある。

全員が自然が写真を撮っていたら、刺激が足りないかも。みんな一緒はつまらない。

しかし私は、「観る人が疲れない写真」を撮っていきたい。

被写体との距離感が自然で、空気感が伝わって穏やかな気持ちで写真が観れる。被写体を伝えるメディアとしての熱を持ちながら、重さを感じない。

その上で、自分の色を静かに表現していきたい。

・・・

皆さんの写真の話も聞いてみたいです。
方法論やテクニックも役に立つし有難いけど、想いや考えを綴ったnoteも増えると嬉しいですね。

「#写真の話をしよう」のハッシュタグ作ったので、良かったらどうぞ!


沖縄で活動してます。写真や文章周りでお役に立てることがあったら、お気軽にご相談ください。
沖縄 / スペイン / アート / スポーツ観戦 / 水中 / 街の文化、あたりの興味が高めです。

良い商品やサービスを、写真や文章で真摯に伝えたいたいです。本当に良いものが選ばれる時代だからこそ、埋もれてしまうのはもったいない。微力ながら、携わりたいと思っています。


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蓮池ヒロ / Hiro Hasuike

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! もし記事が良いなと思ったら、写真も見ていただけると喜びます。 https://www.instagram.com/hiro_hasuike

蓮池ヒロ / Hiro Hasuike
フォトグラファー / ライター(フリーランス)|大阪在住(ノマド) / 1993|写真と暮らしを探求するために移住を繰り返してます|ここでは偏愛・フォトエッセイ・読書メモなど|Portfolio:https://h-hasuike.com