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やりたいことをやり続けられるのに必要なこと

 一般社団法人CAP高等学院の代表理事をしています佐藤裕幸です。CAP高等学院は広域性通信制高校である鹿島山北高等学校と提携しているサポート校で、高校卒業に必要な単位を所属する生徒さんに最適な形で取得をしてもらうためにサポートをする一方、時間割がないオンライン上の学校にすることで、生徒さんの情熱と才能を解き放ち、自分の在り方を考えてもらっています。

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 今回は、先日オンライン個人指導をしていた生徒さんとのやりとりから気づいたことを書いてみたいと思います。


「自分のやりたいことや志望校が決まっていないんですけど…」

 授業の前に、生徒さんからLINEに相談がありました。「事前に悩んでいることを共有してくれて、ありがとう。授業の時に『今の気持ちを話してね』」と伝え、授業に臨みました。

周りを見て感じる焦り

 授業当日。まずは、自分のやりたいことや志望校が決まっていないことに対して、改めてどう感じているのか話を聞くことから始めました。すると、「友達を見ていると、すでにやりたいことや志望校も決まり、すでに勉強も始めています。でも、僕はまだそれが見つかっていないので、なかなかやる気も起こらず焦っています」
 皆さんも同じような経験はありませんか?僕自身は、そのような焦りすら生まれない能天気な高校生でしたので、その当時に経験はしていませんが、社会人となって、一時期ただ仕事をこなすだけになっていた時に、「自分が本当にやりたいことがまだ見つかっていないのでは…」と急に焦り出したことを思い出します。

焦りが生まれる原因

 「自分がやりたいことは何か?」という質問をすると、大抵の場合は“職業”で考えてしまいます。しかしながら、実際に知っている職業なんてせいぜい自分の周りでしている人がいるとか、何かしらのメディアを通じて知ったとか、ごく狭い範囲程度でしかないはずで、その中に自分がやりたいものがなければ悩みますよね。また、「自分がやりたいことは何か?」と尋ねられたときに、「ビジネスマン!」と答える人もあまりいないように思います。そもそもビジネスマンの定義も曖昧で、この場合は「会社員」と同義になるのでしょうか?
 つまり、「自分がやりたいことは何か?」という質問は、極めて解像度が小さい質問ということになります。ということは焦りが生まれる原因の一つには、自分がやりたいことに対する“解像度の小ささ”ということにもなります。
 また、普段から自分がやりたいことをどのくらい考えていて、しかもそれをどれだけ言語化しているか?ということにも影響しています。
 自分がやりたいことと直接関係ないかもしれませんが、僕の個人的な経験をひとつ話します。僕が外資系生命保険会社で営業をしている時、当時の上司である支部長さんが、朝のミーティングで営業トークの具体例を話してくれました。その具体例も非常に役立ったのですが、例を示してくれた後の言葉が非常に役に立ちました。
「今日話したトークの内容を今日中に最低3人にはしてください。3人に話せば、そのトークはもはや教わったものではなく、皆さん自身が発する言葉になります。」
 
こういう話をすると、「型を丸暗記せよ」に聞こえるかもしれません。しかし、僕が伝えたいのは、自分のやりたいこと(この場合は最終的に自分を信頼して、お客様として契約してくれること)を実現するために、“自分の思いを言語化する”ことの重要性です。つまり、自分がやりたいことを“言語化できていない”ことが焦りの生まれる原因となります。
 さらにもうひとつ挙げるとするならば、自分のやりたいことを親身になって聞いてくれる人の存在の有無です。
 焦りを伝えてくれた生徒さんは、自分が所属している学校には、そういう人がいないと話していました。自分自身でいうのも少し気持ち悪いのですが、その生徒さんには、僕という存在があったことにより、まだ十分ではないにしても、僕と対話をしながら少しずつ方向性が見えてきました。しかしながら、そういう存在を身近に感じられないとすると、さらに周りが気になり、必要以上に焦りを感じてしまいます。つまり、焦りの原因のもう一つは、“焦りを正直に話せる存在が身近にいない”ことです。

これらの焦りを解決する3つのキーワード

 これらの焦りを解決する3つのキーワードはズバリ

  1. 解像度

  2. 強制力

  3. 習慣化

です。1については、“解像度を大きくする”というのはすぐにイメージできると思いますので、その具体的な方法について話します。2については、「それって、むしろ無理やり何かをやらせることになり、自分のやりたいことができないんじゃないの?」という声も出そうですが、どういう意味で“強制力”が必要なのかを話します。3については、ここが一番難しいと思うことかもしれませんが、焦りが生まれる原因と絡めながらお伝えしたいと思います。

解像度を大きくする

 以前で言えば、イチローさんやプロゴルファーの石川遼選手、サッカーの本田圭佑選手の作文、最近で言えば、メジャーリーガーの大谷翔平選手のマンダラチャートが有名ですが、目標を具体的に分解し、必要な要素を明確化することが大事です。目標達成までのプロセスを可視化し、全体像を把握することで、やりたいことを持続的にイメージし続けることができます。誰もがイチローさんや大谷翔平選手のようなスーパースターになりましょうということを推奨しているわけではありません。ただ、「やりたいことは何か?」と尋ねられて悶々とする中で、一つの解決策として知っておくといいかと思いますし、これらの選手の方々の作文やマンダラチャートは、インターネットで検索すると、すぐに出てくるので、具体的に参考にしやすいかと思います。あえてモチベーションを上げる言い方をするのであれば、実際に参考にしながら作文を書いたり、マンダラチャートを作ったりする人は、10%もいないと思いますので、作成した人はそれだけでも他の人よりかなり前進できるようになれるのではないかと思います。
ちなみに、大谷翔平選手が作成したマンダラチャートでは「ドラフト1位指名8球団」という目標を掲げ、その目標を達成するために必要な要素を具体的に書き出しています。

  • 目標達成に必要な要素を8つに分解

  • それぞれの要素をさらに8つずつ要素に分解

  • 具体的な行動や意識を書き出す

このように、目標を分解することで、何から始めれば良いのか、何を意識すれば良いのかの解像度が大きくなり、明確化します。

強制力を働かせる

 「やりたいことをやる」ために考慮しなくてはいけないことに、それを“やりたいときだけ”では、やり続けられないというのがあります。例えば、先ほど例に取り上げた様々なアスリートたちは、好きな野球やゴルフ、サッカーをやりたい時にだけやっていたのでしょうか?決してそうではないことは容易に想像できますよね。やりたいことをやり続けるためには、やはりどこかでやり続けるための“強制力”を働かせているわけです。
 例えば、イチローさんはマルチ安打を記録した試合の後に、その良かった感触を体と感覚に残しておくために必ず練習をすることを決めていたと、当時同僚だった佐々木主浩さんが話していました。イチローさん本人の口からではなく、同僚から伝え聞く話には説得力がありますよね。そういう意味でやりたいことをやり続けるためには、ある種の強制力が必要であることがわかります。ただ、誰かから強制的に「やれ!」と言われてしているのではなく、自らに強制力を働かせているのが大きなポイントなのかもしれません。
ただし、そうは言っても自ら強制力を働かせてやり続けることは、なかなか難しいと感じている人については、周囲から強制力を働かせられる環境を整えていくことも重要になるでしょう。あるいは、目標達成のデッドラインを設け、それを他の人と共有することで、強制力を働かせることも大事になるかもしれません。 

習慣化する

 個人的には、これが一番難しいのではないかと感じています。
2016年に刊行された「やり抜く力 GRIT(グリット)」という本があります。

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 この本の中で習慣化することの難しさに触れています。なぜかというと、普段の時間の大半はすでに習慣化されている様々な行動に支配されていて、その習慣は長年の積み重ねで身についてしまっているものです。したがって新しいことを習慣化するためには、まずはもともと習慣づいてしまったことを追い出すことから始めなくてはいけません。「隙間時間を利用して効率的に…」みたいなことも言われますが、隙間時間までも埋めてしまったら、結局息苦しくなって、追い出されるのは新しく習慣化しようとしたことになるのは明白です。したがって、やりたいことをやり続けることを習慣づけるためには、

  1. 繰り返し行うことで

  2. 無意識にでもできるようにし

  3. 自動化する

の3つの要素を踏まえる必要があります。そして、それを実行するためには、

  • 自分の1日の行動をリスト化する

  • 行動の中で“これは悪い習慣!”と思われるものをなぜ悪い習慣かという理由とともにリストから抜き出す

  • 悪い習慣から抜け出すための方法を考える、もしくは信頼する人の力を借りて抜け出す方法を教えてもらう

  • 悪い習慣をしなくなった時のインセンティブを用意し、モチベーションを高める

  • 悪い習慣を追い出したところに、やりたいことをやり続けるための習慣を入れ込む

  • やり続けるための新しい習慣はできるだけシンプルにして、継続しやすいものにする

  • 時に習慣化を維持するためのアプリの利用などテクノロジーの力も有効活用する

などをしてみるといいかと思います。

やりたいことをやり続けることで生まれてくる「0→1突破思考」

 ここまで、やりたいことをやり続けるために必要な3つのこと(「解像度を大きくする」「強制力を働かせる」「習慣化する」)を書いてきましたが、一番伝えたいことは、やりたいことをやり続けることで得られる「0から1を生み出す力」です。「0から1を生み出す力」とは、何もない状態から何かを作り出すことで、この力を身につけることで、やりたいことをやり続けることで、むしろ自分自身が必要とされる存在にまでなれます。
 そして、この「0から1を生み出す力」にも法則があり、まずは

  1. 正しい失敗を積み重ねる: 失敗から学ぶ

  2. 具体的な仮説検証を繰り返す: 成功と失敗のパターンを見つける

  3. 成功のパターンを分析・再現: 成功のパターンを体系化する

  4. 掛け算でブレイクスルーを起こす: 複数の成功パターンを組み合わせる

  5. 仕組み化して効率を上げる: 仕組み化

の5つのフェーズが必要になります。
 例えば、僕の話にはなりますが、僕はプリンがスイーツの中で最も好きで、いろいろなお店に行ったり、お取り寄せしたりして、とんでもないほど食べてきました。しかしある時に、「最高に美味しいプリンを自分で作れば、心置きなく食べることができる」と思いました。そこでYouTubeを見たり、あらためて購入したプリンの何が決め手でこれだけ美味しいのか?みたいなものを、実際に作りながら考えました。全然熱が通らなくて滑らかとは言い難いほぼ液体のままのプリンになったり、“す”(プリンの中にできる穴)が入ってしまったり….めちゃくちゃ失敗しながらも、加熱をレンジでしたり、フライパンに変えたりなど、何度も繰り返しながら成功と失敗のパターンを見つけていき、成功した時の条件を分析し、再現できるかを検証しました。また、カラメルづくりはこのパターンで、プリン液の温度はこのパーンなど複数のパターンを組み合わせて、より究極のプリン作りに励みました。その結果、今ではプリンを作るのはほぼ機械的に作れるようになり、いつでも自分にとって“究極のプリン”ができるようになり、おかげさまで、人に出せるくらいのになりました。「(お世辞とは思いますが)これいつ商品にするの?」と言ってもらえる機会も増えました。
 そして、この5つのフェーズを意識しながら行動し続けることで、「0から1を生み出す力」も身につき、新たに生まれてきた「やりたいこと」もやり続けることができます。

まとめ

 最後に、これまで書いてきたことをまとめます。やりたいことをやり続けるためには、

  1. 大きい解像度: 目標や現状をより具体的に詳細に理解すること

  2. 自ら作り出す強制力: やるべきことをやらざるを得ない状況を作ること

  3. やりたいことの習慣化: 意識せずとも自然に行動できる状態にすること

が必要で、さらにそれから得られる「0から1を生み出す力」では

  1. 正しい失敗を積み重ねる

  2. 具体的な仮説検証を繰り返す

  3. 成功のパターンを分析・再現

  4. 掛け算でブレイクスルーを起こす

  5. 仕組み化して効率を上げる

の5つのフェーズから法則化されることで、次々と生まれる新たなやりたいことも全てやり続けることができるようになります。
 そして何よりも大事なことは、やりたいことを考え続けることではなく、まずは行動し続けることで、やりたいことの実現に近づいていくということではないでしょうか?

最後に

 一般社団法人CAP高等学院は、広域性通信制高校・鹿島山北高等学校提携のサポート校です。教室を持たず完全オンラインで最適・最速の単位取得を実現し、空いた時間を生徒が自分のやりたいことを見つけるための活動に使ってもらっています。
 1日6〜7時間、机の前に座り先生の話を聞くだけの授業は一切ありません。自分の学びは自分で決めることができます。
 中学校3年生はもうすでに高校入試を終え、結果に一喜一憂しているときかもしれません。また、現在高校に通ってはいるものの、年度末になり「このままでいいのだろうか?」と漠然とモヤモヤしている高校生もいるかと思います。
 さらに、お子さんを見ていて、どことなく不安を感じている保護者の方もいるでしょう。
 もしそういう悩みやモヤモヤがあるようでしたら、いつでもCAP高等学院のホームページにアクセスして、お問い合わせください。入校するしない関係なく、ご相談を受け付けます。「完全オンラインの学校って、切磋琢磨できる仲間が見つかるの?」という疑問も出るかもしれません。そのような様々な疑問にも答えます!
 お問い合わせは、私の個人メールhiro.sato@caphighschool.comにでも構いません。

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