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吾の以って待つあることを恃(たの)む (孫子の兵法 九変篇)

兵を用うるの法は、その来らざるを恃むことなく、吾の以って待つあることを恃むなり。
その攻めざるを恃むことなく、吾の攻むべからざる所あるを恃むなり。

(意味)

戦いにおいて、敵の来襲がないことに期待をかけるのではなく、敵に来襲を断念させるような、我が備えを頼みとするのである。
敵の攻撃がないことに期待をかけるのではなく、敵に攻撃の隙を与えないような、我が守りを頼みとするのである。

現代社会にも当てはまる

 現代の経営においては、周辺環境が好転することを待つ姿勢ではなく、あらゆる環境変化に備えて盤石な基盤を構築するべきである、と解釈できます。

 組織運営において、どんな状況が考えられるでしょうか。
これも小さな意味での経営ですので、同様に業務遂行においてあらゆる不測の事態に対応できる地固めをしなさい、という解釈ができます。

 昨今の状況の変化で、うちの組織も全員が一堂に会したのはいつのことやら。チームの飲み会なんて、当たり前のようにやっていましたがそんなコミュニケーションもままならない状況です。

 そんな状況に強制的に移行するとは夢にも思っていませんでしたが、そんな中でも業務を滞らせないよう、普段から細めなコミュニケーションと信頼関係を作っておけばよかったのだ、と、この1年強を振り返っています。

 信頼関係が盤石であれば、普段からお互いの業務を理解しあい、会えなくともチャットや、ちょっとした雑談ができるオンラインコミュニティーがありさえすれば、業務は案外スムースに移行できた気がします。

 また、技術開発やお客様との交渉などの業務においても不測の事態はつきもの。楽観的にベストケースのみを前提に計画を立案するのではなく、最悪ケースまで考え抜いて行動と場合分け別アクションを準備しておくことが、安定した事業を運営する上でも、不安定なスタートアップ事業においても重要です。
 前回の記事も、物事のあらゆる側面(利と害)を考慮すること、という内容を書きました。孫子が「九変篇」で伝えたいメッセージの一つです。


(引用、参考)

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