中国古典📚|「水」シリーズ
こんばんは。中国古典を中心に日々の組織運営、自己成長に役立つ記事を書いています。自分と組織の成長、そしてこのnoteを読んでくださった皆さんのお役に立てるとうれしいです。
今回は昨日の予告どおり、中国古典に頻繁に比喩表現で出てくる「水」を取り上げてみます。
柔軟性・変幻自在(老子)
水の如くしなやかに、柔軟に生きることを理想的な生き方である、謙虚に生きよ、そういう教えです。 「老子」は、別名を「道徳経」と呼ばれており、万物を成り立たせている「道」を体得することにより「徳」を発揮でいる、という思想であり、まさに、この「水」のようなしなやかさをも「道」の一つである、としています。
勢いとパワー(孫子の兵法)
次にご紹介するのは孫子の兵法。
戦場における軍の布陣は臨機応変、状況に応じて変幻自在とするべし。
現代でも、組織は置かれた状況に応じて形を自在に変える柔軟性が、変化の大きい場合には必要なのです。
人民は水、君主は器であり、船である。
こちらも含蓄のある言葉です。君主の設けた器に、人民は収まる。つまり、君主の器の大きさで国は決まってしまうのだ、ということを述べています。
同じ貞観政要で、また違った比喩が用いられています。この言葉では、人民は水、そして君主は水に浮かぶ船です。船は水の上に浮かぶ、「寄生階級」である、浮かばせてくれているのは人民であることを忘れてはならない、ということ。
更に、水である人民はその船を転覆させることもできる、そういうことを言っています。
中国史上最も理想的な治世と言われる、「貞観の治」を執った太宗は、人民の上に立ちながらも謙虚で、傲慢になることなく自らは寄生階級、人民に生かされているのだ、ということを忘れないためにこの言葉を残したのだと思われます。
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