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ファッションのダイバーシティ化は遠いのか

先日、知り合いのウィメンズショップさんが某百貨店にポップアップショップを出すことが決まったということで、良かったら店頭スタッフとして手伝ってもらえませんか?という話があったんです。元々ウィメンズのバイヤーと販売をやっていたし、スタイリングも女性向けがメインだったので。

 
僕としては嬉しいオファーだし、面白い経験が出来るかもと思って二つ返事で受けました。ところが、打ち合わせの場で提案したら却下されてしまったんですって。
 

その理由は

「女性の服は女性が売った方がいいから」

というものだそうで。

 
良くないお知らせで申し訳ないです…とショップさんはおっしゃってくださったけど、僕はこれを聞いた時

「考え古!」

と思ってしまって。

  
だって、メンズの売り場には女性の店員さん沢山いるじゃないですか。それは「女性視点からのアドバイスやストアの見栄えの点で有用」という理由なんでしょう?逆はあり得ない、なんて矛盾はないと思うのですよ。事実化粧品売り場には男性のスタッフが沢山いるのだし、それが正しいなら僕の仕事は成立してない。

 
そりゃメンズでの経験しかない男性販売員がフロアにいたら邪魔でしかないだろうけど、その人はどういう経歴なの?ということも聞かないってさ。バイトの面接ですら「コイツ落とそう」と思ってても形式的に聞くでしょうよ。

 
そんなことを考えてケンシロウ並の怒りのオーラが浮かびかけていた時、どのレベルまで行ってもそうなのか、と思わされた記事を見つけてしまったんです。

エディスリマンは、一貫したロックテイストで多くのファンを持つスターデザイナー。近年ではサンローランのリブランディグを成功させ、今度はセリーヌに就任しました。しかし、そのデビューコレクションがサンローラン時代そのままじゃないか、といった批判を浴びているのです。まぁ正直確かにそうなんですけど。

ともあれ、今回僕がフォーカスしたいのは、インタビューの中のこの部分です。

男性によるウィメンズ・コレクションが問題なのか?まさかこのコレクションがこういう露出につながるとは思わなかった。

まさかエディのレベルまで行ってもそんなことを言われるなんて!ちょっと衝撃というか業界にガッカリしました。

 
もちろん、同性同士の方が感覚としては通ずるものがあると思います。でも、モノを作ったり提案したりするのに性別を規定する意味があるのでしょうか?

 
評価は、プロダクトやサービスの評価においてのみ行われるべきです。異性ならではの視点が新鮮だったり客観的な意見が入ることによって新たな発見があることは少なくないと思います。むしろファッションてそういう先進分野じゃないの?

 
例えば、確かにゴリゴリの男性的な感覚の人だと女性向けのサービス展開は難しいと思う。女性サイドもしかり。僕自身はノーマルな立ち位置ですが、ファッションに於いては長くウィメンズの現場にいるから感覚はよく分かります。きっと女性でもメンズ向けの現場にいる人は男性の感覚がわかるようになるでしょう。フィット感や着心地だって経験を積めば問題ない。

  
もう男性だから女性だからという一元的な見方ではなく、その人のパーソナリティーや言動で判断していく時代なんじゃないかなと思います。現場の思考が古いからモノが売れなくなってるんだよ。

  
最近、ダイバーシティという言葉が広く使われるようになってきました。最初はダイバーシティ東京くらいしか使われてなかったけど。

解説によると、、

ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。 もとは、社会的マイノリティの就業機会拡大を意図して使われることが多かったが、現在は性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントについていう。(コトバンクより引用)

要は今後はより「多様性」がキーワードになるいうことです。

 
すべては選ぶ方が決めればいいのであって、提供する側・批評する側が勝手に狭めることではない。やったことがなければ試してみればいいじゃないですか。世の中って、ファッションって、そうやって進歩してきたんじゃなかったっけ。

 
ちなみに、「ファッション系はオネエキャラの方が受けるからビジネスオネエになってみたら」と提案してくる方が結構います。僕もそういう方大御所含めて知ってますし一理はあるかなと思いますが、自分に素直なのでストレートで行かさせて頂きとうございます。もし僕が転向したら「こいつとうとう切羽詰まったんだな」と思ってくださいませ。

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