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パリ買付け旅日記2019①百貨店のウィンドウから見る世相

先週11日に、3日に日本を発って始まったパリの買付け旅が終わりました。毎年この時期に行っているので、今年も無事に帰ってこれて感謝です。帰国直後に現地で爆発事故が起こってビビったけど。

 
買付け旅とは言いつつも、実はメインなのは現地での生の情報や体験、空気感を掴んでくること、という訳で、こちらでもシェアしつつ旅エッセイ式に公開していこうかと思います。何か参考になることや発見があれば幸いです。

 
まず、なぜこの時期かと言いますとですね、3日から航空券が安くなるからです。やっぱり年末年始は高騰しますからね。あと現地のセールに合わせてというのも大きい。フランスでは行政区ごとにセールの開催時期が決まっていて、パリは1月の第二水曜日が解禁日。ここに合わせて買い付けも行なっています。

 
フランスまでは約12時間前後。
機内で寝れない僕にとっては大変有意義じゃない時間です。電車とバスは寝れるのに飛行機だけ寝れない。映画も3本くらい観たら疲れるし。結局行き帰りで8本くらい観たけど。カメ止めってそんなに大絶賛される内容か。わざととは言え前半のグダグダ感に耐えれなかったぞ。同じようなプロットなら三谷幸喜の「ラジオの時間」のがおもろくない?

 
そんなこんなでようやく、パリ・シャルルドゴール空港着。翼よ、あれがパリの灯だ的な。

現地は夕方の16時前。ちょっとしたポスターも可愛いですよね。本当フランスはいちいちお洒落。

空港から市内へはタクシーで向かいます。ロワジーバスというのが市内の中心まで行きますが、長い蛇のような連結バスなので僕はとにかく酔う。飛行機寝れないし乗り物酔うってすごいナイーブなヤツみたいになってる。あと降りた後荷物を持って改めてタクシー乗り場に並ぶのが大変。タクシーも空港から市内までは定額なので安心です。

定宿にしているのは、メトロcadet駅目の前のホテル。とにかく色んな場所に出没するので交通の便重視。街も生活感があって商店街も賑やかでオススメです。

 
荷物を置いたら早速街へ。
cadetからは中心部のオペラまで徒歩5分くらいなので、いつでも歩いて行けるのも嬉しいポイント。メトロも便利だけど駅によって乗り換えまでが長くリアル脱出ゲームみたいになるので注意が必要です。

まずやってきたのはギャラリーラファイエット。パリでも一番大きな百貨店です。ホリデーとあってすごい人だかりが出来てます。

これはディオールのウィンドウ。
例年ハイブランドがウィンドウをジャックして、テーマに合った世界観を表現した作品を公開するのがお約束になっています。今年は全体的にファンシーな感じでしたね。

一番目を惹いたのはロジェヴィヴィエのウインドウ。まるでシンデレラの階段をイメージしたかのような、靴にスポットライトが当たるに相応しい演出。これは女性なら欲しくなりますよね。男性の皆さまはぜひプレンゼントに。お高いので言ってから後悔しないように。

メンズ館ではファンタジックビーストの新作公開に合わせたウィンドウも。衣装を再現したトルソーもあったりして気分を盛り上げます。

ちょっと路地を挟んで、今度はプランタンへ。規模的にはラファイエットよりも小さいですが、作りはこちらの方が現代的。銀座にあったプランタンは完全に別物の駅ビルショップ集合体になってたので名義貸しは辞めて正解でしたね、どちらのためにも。

驚いたのは、ハーゲンダッツやダイソンのウィンドウがあったこと!

ダイソンのウィンドウはちょっとシュールだけど。
でもこれまでファッションの、主にハイブランドのものだったクリスマスのウィンドウが全く毛色の違ったジャンルに解放されるとは!と驚いたのは事実。

 
生活全般をひっくるめて提案することがスタンダードになりつつあると同時に、ファッションだけでは埋まらなくなってきているのかな?ということも感じつつ。やはりファッション業界だけで見ると決して景気良くないんですよ。フランスも失業率が高止まりで、それもデモの大きな原因になっている。社会全体に閉塞感や不満が渦巻いてるんです。

 
このディスプレイの陣容を決めたのはかなり前だろうけど、担当者も世相を読んで、きらびやかなファッションだけでなく身近なブランドも入れたりホリデー時期に子供が楽しめるウィンドウにしようと考えたのではないかなと。

 
パリデモの際、フェンディの店舗が襲撃・略奪される映像が拡散されていましたよね。あれはデモに便乗した「壊し屋」と呼ばれる集団だそうですが、やはり不景気で真っ先に目の敵にされるのは高級ファッションブランドなんです。ファッションは高級嗜好品の代表だから。


あの映像はとてもショックでした。ファッションは生活の向上を導くツールであって、決してぜいたくの象徴ではない。業界が不景気になったりこうなったのはファッション業界がイメージのブランディングを偏らせてきた結果でもあると思っています。

 
豊かだから着れるのではない。着たから豊かになったのだ。成長のためのツールがうちのブランドなんだ。ファッションなんだ。

 
そういう発信が圧倒的に欠けていたのがこれまでのファッション業界です。もちろんハイブランドは誰でも買えないので本当はそれに憧れている暴徒集団も略奪したわけですが、実際に袖を通すことでどんな変化が起こるのか。着飾ることでの満足感だけでなく、着たことによる”成長”や”変化”にスポットを当てたブランディングが今後必要なのではないかなと思います。

 
そんなことを考えつつ、初日の夕飯は馴染みのピザ屋さんへ。

路地にあるお店ですが、とにかく上手い!実はパリで美味しいイタリア料理屋を見つけるのは難しいと言われているのですよ。中東系の人がやってるとことか本気で怒りたくなる味。ですがこちらはイタリア系のスタッフが家族でやっているらしく絶品でいつも満員。ここに来るとパリに戻って来たなと感じられます。

生ハムとアーティチョークのピザ、サンドメニコ。これでアーティチョーク好きになってしまった逸品です。しかも安くて量が多い!ぜひご賞味ください。

 
さて、パリ初日はこれにて終了。
翌日以降も旅行記として連載していきたいと思いますので、お付き合い頂ければ嬉しいです。

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