見出し画像

年をとってからの友達について


年を取ってからの友達は「健康」であるために、とても大事だという。友人がいると活動も増え、孤独感も減り、身体も心も健康になる、とか。でも、実際には、50歳くらいから、活動や交際範囲も狭まり、身体的にも衰えが始まり、なにかと億劫になり友人は減っていく。内閣府の調査では、日本の高齢者の4人に1人が友人ゼロ(!)、この比率は諸外国に比べても高いらしい。孤独死につながっていくのか・・・。そこでシニアの友人の作り方なんてものがネットに出てくる、余計なお世話のような気もするが。

一方、年を取ったら不毛な人間関係は極力絞り、ひとりがいいという人もいる。うわべの付き合いはかえって寂しい、一人になる勇気を持とうと。そしてこれは決して高齢者だけでなく、若い人の間でも、「ひとりが好き」という人が増えているらしい(博報堂・生活総合研究所)

かのシュンペーター先生もその幸福論の中で、「孤独を愛さないものは自由も愛せない。完全に融和できるのは自分自身だけ、そこに原始的な幸福がある」と言っているし。一人を楽しめるというのは、大事なスキル。

年をとるということは、だんだんと人生の終わりを見つめるようになるわけで、そこには「一人で逝く」という事実に向き合うことになる。

SNS社会の弊害なのか、シニアの年代になっても、やたらと友人の多さやネットワークの広さを自慢する人がいるのも確か。飲み会でも、言葉巧みにマウンティング合戦が繰り広げられ、ほとほと疲れる時もある。虚栄心や名誉欲は年とともに強まるというし、精神的な優越性を求めるのは人間の性なのだろうが・・・・。

単なる「知りあい」と「友達」は違う。友達は打算抜きで、お互いのことを思いやれる関係、価値観が近い関係。時間をかけて培われる関係。すくなくとも私の場合は、付き合っている人のほとんどは「知り合い」で「友達」ではない。まぁそう思えば、自慢話やマウンティング合戦もさらっと流せるか。

たとえ友達であっても、ほどほどの関係が良い。例えば、旅。基本、旅は一人旅が一番、と思っている。でも、最近たまにやる「一人半旅」も悪くない。旅の途中で合流して、また別れて、それぞれの目的地に流れていくのが、一人半旅。例えば、北海道の北の果て、美深町で落ち合い、牧場の羊を眺めて、地ビールを飲んで、また北と南に別れて行くとか、もいい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?