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百物語6話目「座布団枕のSL」(実話怪談)

これは超怖い話に採話はされなかったけれど、最初に当時の掲示板に書き込んだ話で、編集の加藤さんに面白がられた話だ。

こたつに入ったまま、私はふたつ折りにした座布団を枕にして横になっていた。

突然、耳をつけていた座布団枕の中から

ポ――――ッ!!!

と、SLの汽笛の音が響く。

なんだ? これ?

と思いながらも、そのまま座布団枕に耳をつけたまま、続きを聞いた。

すると、ゆっくりと車輪がまわりだす音まで聞こえてくる。

重たくまわりだした鉄の軋みが、次第に早くなると、ガタンゴトンと枕が上下に揺れ出した。

まるで本当に汽車の中に座っていて、窓ガラスに頭をつけているような感覚。

ポ――――――ッ!!!

再び、大きな汽笛が景気よく鳴り響く。

それで、私は座布団枕から頭をあげた。

もう、音は聞こえない。

私の町に鉄道が通ったことはない。

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