自称「女子」な男の子のアプリ恋愛奮闘記

最近ある友人の恋愛相談をよく聞いている。
彼は口ひげを生やしていてがっしりとした体格、なかなかの強面なのだが、見た目に反して彼いわく「俺は女子っぽい。」らしい。

どのあたりが女子っぽいのかと聞くと、恋バナが好きだし恋愛相談を周りについしたくなってしまうところだと言う。
恋愛の話を頻繁にする男性もいれば、恋の相談をしない女性もいるだろうとも思ったが、確かに「恋バナ」というとなんだか女の子らしいイメージがあるような気がしなくもない。言葉って不思議だ。

そんな恋バナ好きの彼は、彼女も欲しいしそろそろ結婚もしたいということで、最近マッチングアプリで出会ったある1人の女の子を狙っていた。
今いい感じなのだという。

「ずっと話しててもお互い話が止まらないし、すごい楽しい。顔も好みで、彼女も割と俺みたいな感じがタイプなんだって。一緒に居て楽だし気が合うから俺はもう完全に好きなんだけど、そうなっちゃうと、もう俺すぐ言いたくなっちゃうんだよね。」

彼はその子と何度か会って、もう心が決まっているようだった。
次に会った時に告白するつもりだという。
話を聞いている限り、なんとなく手応えも感じているであろう彼は、ちょっと不安ながらも恋が実りそうな予感にわくわくと楽しそうに話す。
いいじゃんいいじゃん、うまくいくといいねと私は彼にエールを送る。

てっきりハッピーエンド目前かと思われた彼の恋だったが、久しぶりに連絡を取った時に「そういえばあのいい感じだった女の子とはどうなったの？」と聞くと、彼からはなんとも渋い答えが返ってきた。

「いやぁ、それが全然わかんなくて...。」