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元ハンドクリーム嫌いが愛用しているハンドクリーム

小さい頃はハンドクリームが大嫌いだった。
生粋の乾燥肌系カラカラ星人である私は、幼い頃からベビーオイルやらワセリンやら保湿剤を全身に塗りたくられていたのだが、ハンドクリームだけはどうしても好きになれなかった。

乾燥肌だからこそ、逆に手がしっとりしているという状態がなんだか気持ち悪くて嫌だったのだ。カラカラの痒みとヌルヌルの違和感、どちらを取るか。いつもそんな葛藤を繰り返していた。


ハンドクリームの何が苦手って、やはり一番は塗った後の手でプラスチックや濡れたものを触った時だろう。
他の体の部分は"塗られる側"なのでまだ我慢できるが、手は塗られる側であり、かつ何かを触れる側でもあるので、違和感が半端ない。
ちょっと湿った自転車のハンドルなんて握ろうもんなら「うへぇぇ」と声を上げたくなるようなヌメヌメした感触が襲ってくる。
ペットボトルの蓋は開けられなくなるし、パソコンのキーボードはいつの間にかキーがテカテカしていたりする。

なるべく手に馴染んでから触るようにしたり、こまめに拭いているが毎日触るキーボードに関しては正直いたちごっこみたいなところがある。
手の保湿という意味ではとってもありがたいんだけど、キーボードだけは見た目もなんか汚らしいし、なんとかならないもんだろうか。同じ悩みを抱えてる人いませんか...?


と、ここまでハンドクリームを邪険にするようなことを書いてしまったものの、今の私はハンドクリームがいつも手放せない。
小さい頃は「ヌメヌメの手、気持ち悪ーい」とハンドクリームを拒否してカラカラな人生を歩んでいたが、今や春夏秋冬毎日持ち歩いているし、無人島に一つ持っていけるスキンケア用品を選ぶなら間違いなくハンドクリームを選ぶと思う。

というのも、私の手の乾燥具合がはっきりと変わった時期があったからだ。
もともと肌が弱いとはいえ、手は別にそこまで...という感じだったのに、数年前とある飲食店でキッチンの仕事をして以来、私の手事情は一変した。
働くうちに潤いは消えていき、辞めてからもちょっと体調が悪い時など些細なきっかけで手が荒れやすくなってしまったのだ。多分あのキッチン時代に、私はただでさえ少なめだった手の油分を全て使い切ってしまったのだろう。
水仕事ってほんと大変。飲食業や花屋さん、美容師さんなどはかなり苦労してるんだろうなぁと思う。


それからというもの、ハンドクリームが手放せなくなった私。
ずっと愛用しているのはニベアだ。世界の半分以上の人が知ってるのでは?というあの青いアイツである。
手に塗っても顔に塗っても体に塗っても問題なく、私の肌にはとてもマッチしているニベアさん。安価な上にコンビニ、薬局、スーパー、至る所で売られていて、若干成分は違うようだが海外に行った時も簡単に入手できるのがいい。ヌメヌメ嫌いの私にはやや固めのテクスチャーも相性がよかった。

「あの独特の匂いが苦手」と言う人もいるし、私も使い始めは「あ〜ニベアの匂いするわぁ〜」って思ったけど、今や全くわからないくらいその香りにも慣れてしまった。あんなに特徴的な香りだと思っていたのに、慣れってすごい。そりゃあ自分の匂いってわからなくなるはずだ。


そんなニベアさん、去年アイコンカラーである青の色味が絶妙に変わったのはご存知だろうか。今までは紺色に近い深い青だったのだが、ロゴの変化と共にカラーもちょっと明るい青に変わった。

左が今の、右が前のニベアカラー


最初にその色を見た時は正直「え〜前の紺色の方がよかったなぁ」なんて思ってしまったのだが、案の定香りの慣れと一緒で今となってはすっかり新しい色にも親しみを覚えている。ほんと慣れってすごい。
あと、どうせすぐ慣れるくせに「前の方がよかった」とついつい思ってしまう人間の習性もすごい。

何かが変わった時にすぐには受け入れられないのって、どうしようもないというか当たり前の心境なのかもしれないけど、もっとニュートラルに捉えられるようになりたいなぁなんて思う。
作っている人の思いや時代の流れに沿って考えられた諸々があるんだろうし、少なくとも出会い頭にSNSなんかで「新しいやつダサい!」とか「なんかやだ!」とは言わないようにしたい。
新札にもちょっと同じ気持ちを抱いているけど、それもきっと同じだよね。


そしてもっと昔のものになると、もはや憧れのようなかっこよさを感じるのはこれまたなんでなんだろう。
ちなみにニベアでいうと、私は1922年のデザインと1928年のデザインがすごくタイプ。

ニベア缶の歴史

青いバージョンになってからはマイナーチェンジと言っても過言ではないのに、並んでいるのを見るとなんとなく好きな色味やデザインのものに自然と目がいく。
これを「どうしてそれが好きなのか」と掘り下げていくと「昔の方がいい」とか「なんとなくかっこいい」じゃなくて、自分が心惹かれるポイントみたいなものがわかるんだろうなぁ。ニベアから、自分の好きの要素を探してみるのも面白そうだ。


机に転がっていたニベアをじーっと見つめて思った、私とハンドクリームのとりとめない話。
ニベアさん、いつも潤いをありがとう。
これからも愛用していきます。



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