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企画の教科書 #4 企画の顔となるコンセプトが重要

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コンセプトの意味と重要性


 企画の具体的なアイディアを束ね企画理念として設定されるのがコンセプトです。コンセプトとは、もともとは哲学用語で、「概念」という意味です。

 企画や広告の世界では「企画の基本的な考え方・方向性」を指し、「既成概念にとらわれずに商品やサービスを新しい視点でとらえ、新たな意味づけをして、企画や広告の主張や"ねらい"とする考え方」を童味しています。

 最初に決められた企画テーマが、とりあえず企画作業をスタートさせる上での方向性であったのに対して、コンセプトは全面テーマを踏まえた上でのゴール(具体案)を目指す為の方向性となるのです。

 さらに、コンセプトは、ただ単にプランナーのアイディアを方向づけるだけのものではなく、企画のねらいを強いイメージでアピールするための"企画の顔"でもあるため、企画全体像を的確にまとめ、それをいかにインパクトのある強い"言葉"で表現できるかが、重要なポイントとなります。

(1)コンセプトを導き出す

 情報分析から得られた議旨をまとめ、相手を納得させられる論旨かどうかを検討します。論旨をまとめるにあたって、いくつかの課題を加工したり組み合わせて選び出します。この時、明るい未来に結びつき、現実可能なものを選択することが大切です。「~しなければならない」という課題を「~する」と言い換えてみれば、それがアイディアの土台になり、企画目的のコンセプトとなります。

(2)1つの企画には1つのコンセプト

 コンセプトは、その企画のすべてが凝縮されたエッセンスであるだけに、なるべく単体のほうが好ましいものです。コンセプトは、相手の記憶に残るような印象的な"言葉"にまとめます。

  1. 企画の目的を一言で言い表すようにする

  2. ターゲットへ直接訴えかけるような文句を考える

  3. アイディアを出してから、内容を要約してみる

  4. 「キャッチフレーズ」のような"言葉"を考える

次に挙げるのは、ある観光都市におけるCI導入計画のコンセプト発想をまとめたものです。
(※CIとは、コーポレート・アイデンティティの略で、企業の特徴を明確にし、顧客が共通でイメージ・認識できるように推進することです。)

北田市場のイメージ・コンセプト

(3)ネーミング発想術

 商品やコンセプトの為のキャッチフレーズを考えるという作業は、企画を考える上で非常に重要になります。

  1. どのような考えでこの商品を作ったか

  2. 商品の特性・色・形

  3. 商品の機能

  4. 目指しているイメージ

  5. ターゲットなどの商品情報が与えられる

 次に、商品情報からキーワードを探し出します。無数のキーワードを足したり、引いたり、語尾を変えたりすることで、ネーミングレベルに加工し、その中から商品特徴を一言で伝え、覚えやすく最も適切なものを選び出します。これがネーミング作業です。この「言葉」を駆使してネーミングレベルに加工する作業は、コンセプトの表現を発想する場合にも共通します。

①単語合体方法
 キーワードとキーワードの合体。単に足すだけでなくジャンルの違う言葉同士など、新鮮な結びつきが必要。

(例)
ピックエッグ
バスクリン

②造語方法
 キーワードの一部同士の合体。二つの意味をもちながら、シンプルな言葉になる。

(例)
リンプー(シャンプー+リンス)
ウォシュレット(ウォッシュ+トイレット)

③ゴロ合わせ方法

(例)
通勤快足
湯名人

④擬人化方法

(例)
写楽
オセ口

⑤擬音化・擬態化方法
 商品の特徴、櫨麓、効果などを擬音、擬態語で表わす。

(例)
どっきん四国
ジュージュー

⑤外国語方法
 キーワードを外国語に置き換える。

(例)
とらばーゆ

次回 企画の教科書 #5

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