【短編小説】ある日、屋台のおでん屋で #2
ある寒い冬の夜、気まぐれな屋台のおでん屋は河川敷に出没していた。
SNSなどで全く告知などしていないにも関わらず、今日も天界人と魔界人が酒とおでんと公用語を求めてやってきた。
とはいえ、冬の河川敷の寒さはまたひとしおで、今日の客足は今一つだった。
(さて。少し休もうか)
最後の客が帰ったところで、店主のラディンはマグカップに蜂蜜入りのホットウィスキーを作り、近くのベンチに腰かけて一口啜った。
(やはり、これが一番温まるな)
思わず、口元がほころぶ。ホットウィスキーを飲み終わる