言葉を超えて大切なものを紡いでいく物語『舟を編む』三浦しをん
仕事とは何か?
自分らしく生きるとは何か?
人と人を紡いでいくものは何か?
真面目で誠実で不器用な生き方に、ウルッとくる素敵な小説でした。
辞書の世界なんて全く知らなかったから、もしかして苦手かもって思ったけど、不器用な登場人物たちが情熱を注いで働く姿、悩む姿、恋に誠実に向き合っていく姿に、気づけば共感していてグイグイ引き込まれていきました。
口下手で相手に思いをうまく伝えられない馬締くんが主人公ってのが良いんですよね。完璧から程遠い姿に共感や好感を持ちました。そんな口下手な彼が、本当に大切にしたい人にどうやって思いを伝えていくのか、そこがグッときたんですよね。
完璧じゃないからこそ、自分にしかできないものがある。自分だけにしかできないことがある。自分だけが持っているもの。自分が本当に大事にしたいものを大事にしていこうと思える優しい物語。
言葉を乗せて、その意味へ私たちを運んでくれる舟。辞書に対する思いが変わったことと、真面目に誠実に生きていくことへの優しい勇気をもらえた気がします。
最後までありがとうございました。本の感想や三浦しをんさんのオススメ本をコメントやDMで教えてくれると嬉しいです!
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