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ときどき感情は罪なんだと思ってしまう。

もともと喜怒哀楽という感情の幅はあまり大きくなかったかもしれない。

楽ありゃ苦もあるさといった人生だったと思うけれど、怒りに震えるということはほとんどないし、泣き崩れることもなかったと思う。笑うことはもちろんあるけれど、心から笑えることがどれだけあったのか。

人の喜びに素直になれず、そして自分の幸せも怖いと思う。

決して心が震えていないわけではない。
けれど、どこかその震えを止めようとしている何かがある。

ときどき、感情は罪なんだと思うことがある。

だから心に麻酔を打っている。感覚が鈍くなり痛みを感じなくなる。悲しみや苦しみも少ないのかわりに嬉しさや喜びも感じない。

人間らしくないなと思う。
けれど、それを否定はしたくない。

今はそれでいい。