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新卒で10年勤めたヤフー(ebookjapan)を退職しました

2011年に新卒でヤフーに入社して丸10年経ちましたが、3月31日が最終出社でヤフーを退職することになりました。
ここ4,5年はebookjapanに出向しており、振り返りの意味も込めて退職エントリとしてまとめようと思います。​


何をやっていたか

ヤフーには新卒でエンジニアとして入社してフロントエンドの開発からサーバサイドの開発からインフラから運用まで何でもやっていた気がします。

自分はプログラミングほぼ未経験として入社しましたが、10年前はまだ新卒の未経験採用も多く、プログラミングが未経験であっても入社できた時代だったのはある意味で運が良かったなと思います。
(今ヤフーに新卒で入社しようとしたらプログラミング未経験ではまず入れないと思います。。)

入社してから辞めるまでほぼ同じサービスを担当していたというのもある意味珍しいキャリアではあるとは思いますが、その中でも色々な経験ができたと思います。
担当していたのは当時ヤフーブックストアと言われていた電子書籍のサービスで、ヤフーの中では小中規模くらいのサービスだったこともあり
担当人数もそこまで多くなかったことから開発も運用も全部やる形でエンジニアとしてはフルスタックな経験ができたのは結果的に良かったと思います。

PHPでサーバーサイドの処理を書いたり、バッチ処理も書いたり、API作ったり、sshでサーバ入ってログをあさったり、サーバの構築手順書書いたり、GSLBのネットワーク設定したり、KVS導入して負荷対策したり、深夜のアラート対応したり、検索エンジンのチューニングしたり、iOSアプリ開発でObjective-Cを書いたり、Tableauでダッシュボード作ったり、Node.jsでツール作ったり、あげるとキリがないですがまぁ色々とできたかなとは思います。

途中GYAOに出向になり、2016年からはebookjapanに出向になったりとヤフーにいながら別の会社でも働けたのも良い経験だったなと思います。
ebookjapanではエンジニアマネージーをやったり、ヤフーブックストアとebookjapanの統合をしたりしてました。
統合後はebookjapanでデータサイエンス組織を立ち上げ、部長という立場でデータドリブンな組織作りをしておりました。

元々エンジニアの時からサービスのデータを集計したり簡単なデータ基盤を作ったりとデータに関する事はやっており、
個人的にもこの領域には興味があったのと、今後会社を成長させる上でデータ専門の組織は必要だろうと思い、
当時のマネージャーにデータ専門の組織を作らせてほしいとプレゼンして何とかデータ専門組織を作ってもらえて、部長としてそこの責任者を任せてもらえました。

ebookjapanのデータサイエンス組織では主にデータ基盤の構築やデータを活用したプロダクト開発を行うエンジニア組織と
データを活用してビジネスの意思決定のサポートをするビジネス組織の両方をバランスよく見る立場にいました。

ebookjapanでのデータドリブン化の活動に関しては、正直まだまだ道半ばだなとは思います。
できなかった事も多々ありますが、それでも一定の貢献はできたのかなとは思います。


辞める1週間くらい前にはデータを活用して今後どんな事ができるのか?という抽象的な3年先の未来を考える事してたり、
辞める人が3年後の理想を考えるの?と不思議な気持ちになってましたが、未来の事を考えるのは楽しかったですし、それはそれで良い経験だったなと思います。


業務以外のところで言うと、2016年に社内大学のヤフーアカデミアの一般クラスに入校し、翌年にはヤフーアカデミアの選抜クラス、その翌年には内部生としてソフトバンクアカデミアにも参加させてもらい、マインド面もここでかなり鍛えられたと思います。
伊藤羊一さんがヤフーアカデミアの学長をやられていて、羊一さんからの学びは非常に大きかったです。
ロジカルに、かつ情熱的なマインドを持つことの大切さと、自分自身をリードする(Lead the self)考えが身についてヤフーアカデミアに入って良かったなと思います。

ソフトバンクアカデミアには起業家の方々も多く参加されており、自分よりも遥かに視座もレベルも高い人が多く、参加するたびに自分の無力さを感じてましたが、社外の環境で刺激をもらえる場所があったのも良かったと思います。


何故辞めるのか

正直ヤフーやebookjapanを辞めるというのはかなり悩みました。
自分自身は仕事で悩むという事はあまりしないタイプだと思いますし、プライベートでも結婚するときや家を買う時も悩んだりはしなかったのですが、今回の辞める決断については正直かなり悩みました。

ヤフーにもebookjapanにも不満は一切なく
むしろやりたい事をやらせてもらい、人にも恵まれてとても良い環境だったので、その環境を変えるのが良いのかどうか最後まで分からなかったですが
恵まれすぎた環境だからこそ今回は辞めるという決断に至ったのかなとは思います。

その中でも辞める理由をいくつか整理するとこの辺りだったのかなと思います。

1. 新卒入社から10年の区切り
2. 今後ありたい姿は「エンジニア」ではなく「ビジネスマン」
3. 迷ったらワイルドな方

1. 新卒入社から10年の区切り

新卒で入社して、途中出向などで会社は多少変わったものの、担当サービスもほぼこの10年ずっと同じものを担当していたのは10年という区切りの意味ではタイミングとしてはちょうど良いのかなと思いました。エンジニアとして入社し、マネジメントやデータサイエンス組織の立ち上げと運営など同じサービスにいながらもある意味職種を変えながらバランスよくキャリアアップできた様な気はします。

正直、新卒で入社して定年までこの会社で働くという選択肢も残るくらい働く環境や働く人、世の中に対する影響度など良い点ばかりの会社ではありました。
ただ一方で、変化の激しいこの世の中、1つの会社でしか働いた事がないというのはむしろ経験値としてはマイナスになり得る要素かなとも同時に思っておりました。

その考えもあって自分個人としては2017年くらいからずっと複業もしており、本業以外でも数社で働いた経験があったので社内での出向も含めると、合計で6社位で働いた経験がありました。
(転職した事ないけど6社で働きました!というのもある意味面白いかなとという意味でもあえて転職しない選択肢はずっとありました)

転職するしないに関わらず、今では複業という形で本業以外の会社で働く経験はいくらでも積めるのでどの会社に所属しているのかは相対的に今後価値がなくなってくる要因だとは思っています。

ただ、やはり会社員としての本業は時間的に多くの割合を占める場合が多く、時間だけをみると複業での経験にも限界はあると思っています。
やはり環境を変えて成長するのであれば多くの時間を投下する本業を変える選択肢が一番良いのかなと思い、かつ10年同じ会社で働いたというのは1つの区切りとしてはちょうど良いのかなとは思っていました。

社内の中でも色々な経験ができたとはいえ、働く人や事業ドメインが変わらない以上、変化という意味では弱いというのは実感しており
10年も同じ会社で働いていると仕事のしやすさも含めて流石にコンフォートゾーンにいるなという実感も湧いてきました。

働く環境も良く、一緒に働く人にも恵まれた環境だからこそ、それに甘えると自分の成長が止まる危機感もあったので
部署移動(社内転職的なこと)も検討には入れましたが、一気に環境を変える決断をしました。


2. 今後ありたい姿は「エンジニア」ではなく「ビジネスマン」

転職の軸としては、ebookjapanでやっていた広くデータに関する仕事を継続したいと思っていました。

データに関する仕事というと本当に幅が広く
・データエンジニア
・データサイエンティスト
・データアナリスト
などがありますし、それ以外にもDXやマーケティング領域でもデータ活用は近年様々な職種の掛け合わせしても注目されていると思います。

その中で「自分は何をやりたいのか?どうありたいのか?」と考えたときに、直感的に思ったのは
自分は「エンジニア」になりたいのではなく「ビジネスマン」になりたいのかなとフワッとした感覚がありました。

エンジニアとしてスタートしたキャリアではありますが、元々エンジニア志望だったわけではなく、
当時、大学時代の就活はコンサルティングや会社の経営や事業運営に興味がありました。ただ、コンサルティングや経営は新卒でいきなり踏み入れる領域ではないと自分としては考えていたのでまずは現場で使えるスキル、その中でもITスキルを身につけてそれを活かしてコンサルティングできたらいいなと思い、新卒ではエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。

実際エンジニアをやってみると、当初はスキルが全くなく、かなり苦労はしましたが、
ある程度仕事ができる様になるとエンジニア自体がとても楽しく、物づくりの楽しさだったり、エンジニアとしてサービスを支えて事業に貢献するという関わりもできるという実感もあったのでエンジニアとしての魅力も大いに感じていました

ただやはりエンジニアとしてキャリアを進める以上、技術的に優れているかは問われるポイントだと思っており、エンジニアマネージャーをした経験もありますが、個人的にはマネジメントであってもエンジニアであれば技術に強い必要はあると思っています。

その前提で考えると自分の技術力は自己評価としては決して高いとは思わず、むしろ周りには自分よりも技術力があるエンジニアはたくさんいる状況だったので、個人的なキャリア戦略としては「エンジニア」の土俵で戦う限界は何となく感じていたのかもしれません。

だからこそ、ばりばり開発をするエンジニアからマネジメントにシフトしたり、データを活用する組織を作ったりと、エンジニアを軸としながらも多少フィールドを変えて自分のキャリアを作っていったというのは、今振り返ると良かったのかなと思います。

なので、データに関わる仕事がしたいと思いつつ、今後のキャリアとしてはどちらかというと「エンジニア」よりの方向ではなく、
データを活用してビジネス課題を解決する「ビジネスマン」の方に自分の興味としても移っていったと思います。

ただいずれにしても自分のキャリアのスタートはエンジニアであり、エンジニアとしての経験やエンジニアとしての楽しさも実感はできているのでそこは今後どんな道を歩もうとベースになる部分だとは思います。

よく「事業が分かるエンジニアは強い」みたいな話を聞きますが、それはその通りだと思っていてエンジニア経験がありエンジニアとしてのスキルがある人が事業サイドにいる事は強みだと思うので、自分はどちらかというと
そうゆう存在になりたいという思いもありました。

自分がありたい姿は「事業が分かるエンジニア」ではなく「エンジニア出身の経営者」に近いと最近は考える様になったので、その意味で考えると今の会社にいるとどうしても前者に近いようなイメージだったので、ありたい姿に近付く意味でも今の会社を辞めるという決断に至ったのだと思います。
(自分が会社経営ができる人だとは思ってないですがあくまでイメージとしてです。。)


3. 迷ったらワイルドな方

転職活動は正直真面目にやっていたわけではなく、ずっと今の会社で働くイメージもなくはなかったのと、絶対に転職したいと思っていたわけでもなかったので、他に良いところがあれば考えてみるか、くらいのテンションでゆるーく転職活動をしてました。

データを活用してビジネス課題を解決できる様なポジションでいくつか会社を見てみましたが運良くご縁もあり割とすぐに内定をもらい結果的に「悩む」ところまで行き着きました。

今の環境に不満があるわけでもなく、自分のやりたい事もできていて、働く環境も良い、というある意味最高の環境ではあったのでその環境を変えるのか?というのは正直かなり悩みました。

自分は元々安定志向ということもあり、だからこそ新卒で大きい会社に入り、10年も同じ会社で働いてきたというのは少なからずあると思いますが、複業を始めた時くらいから当時の「安定」と今の「安定」は変わってきたという実感もありました。

自分が就活をしていた10年前は大きな会社に入るのが安定だった様に感じますが、今の時代では大企業だろうがベンチャー企業だろうがフリーランスであろうが、それだから安定という事は一切なく、変化が激しい世の中になってきたからこそ「社会や会社に依存しないスキルを持っている事」が安定であると自分の中での考えも変化していったと思います。

きっかけは複業して自分のスキルで稼ぐ経験ができたり本業とは違う環境で働いたりしたのが大きいとは思いますが、
それ以降は自分のスキルをどれだけ磨けるかも少なからず意識はしていました。(もちろん本業の会社に貢献するのは大前提として)

そう考えたときにやっぱ入り今の会社でそのまま働き続けることと、環境を変えて少し職種も変えて新しいことにチャレンジャする事では
どっちの方が自分のスキルが上がるのか?という視点ではやはり後者になるなという思いはありました。

もう1つヤフーの中では有名な言葉で「迷ったらワイルドな方」という言葉がありますが、最終的に自分の中の後押しをしたのもこの言葉が大きいかなと思います。
スキルアップ、キャリアアップとはいえ環境を変えることに対するネガティブなイメージはもちろんあるので、色々な条件も含めて環境を変えることに対する「悩み」や「迷い」はありました。

ただこれを客観的に「あ、自分今悩んでるな」と感じることができたので、
「迷っているならワイルドな方選ぶか」という気持ちで現状維持ではなく、現状の環境を変える決断をしたというのは最終的に辞める決断ができた大きな要因かなと思います。


次何やるか

ここまで色々と書いた様に、今後もデータに関わる仕事を広くやりたい気持ちは変わってないです。
その中でも「エンジニア」よりではなく「ビジネスマン」としての経験をより積んでいきたいと思ったので、今後はデータを活用したコンサルティング領域にチャレンジします。

わからないこと、不安なこともありますが、一方でエンジニアとしてのスキルや経験、データサイエンス組織を立ち上げてでデータ活用を推進した経験
などもありそれがどこまで活かせるのかワクワクした気持ちもあります。

複業していて良かったなと思う事は多いですが、転職という観点でいうと「違う環境に置かれて即戦力で結果を出すという経験」ができたこと
非常に大きいなと思っていて、その経験があるからそ転職しても何とかできそうという一定の自信が持てたのも大きいと思います。


いずれにしても自分の中では新しいチャレンジになるので、環境の変化を楽しんでいきたいと思います。


最後に・感謝

この10年を振り返ると本業、複業含めて本当に色々な経験ができたと思いますし、何より一緒に働く人に本当に恵まれたなと思います。特にヤフーやebookjapanには優秀な人が多く、そんな環境の中で働けた事は本当に幸せな事だったと改めて思います。

ヤフーもebookjapanも本当に素晴らしい会社なのでまたいつか一緒に仕事ができると嬉しい気持ちでいっぱいなので、それまでに自分は個人としてもスキルをどんどん磨き込んでいきたいと思います。


辞める時に本部長、COO、CEOの方々と直接1on1でお話をしましたが御三方とも言ってくれた事は同じで「寂しいけど、応援してるよ」と声をかけてくれたのも今振り返ると印象的でした。
何なら少しくらい引き止めてくれても良かったのでは?と思うくらい(引き止められて気持ちは変わらないですけどね、、、)
自分のチャレンジを前向きに応援してくれて、そこも含めて改めて良い人に恵まれていたなと思います。


というわけで、長くなりましたが
10年間、本当にありがとうございました!!
まだまだ未熟者ではありますが引き続き精進して参ります。

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