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2022年教育ニュースまとめ Part-1

2022年を振り返ります。私が個人的に重要だと感じた2022年の教育ニュースを月ごとに集めてみました。また、各ニュースに対する私の感想も加えています。それぞれの内容を見ていきましょう。

1月:全国で始業式に先生が2558人不足(文科省調査)

令和3年度4月1日時点で、全国の公立小中高校で教員が2,558人不足していることが判明しました。年々、教員不足が深刻化していることも判明しました。

今回の調査は、年度始めのまだ欠員が比較的少ない状況のデータにすぎません。年度途中で病休や育休等、教員が休みに入ることは多々あります。年度初めだけでなく、年度途中で教員が足りないという話は頻繁に聞かれます。実態はもっと深刻だと思われます。

2月:教師のバトンプロジェクト一周年 過酷な勤務実態を訴える投稿続く

教師のバトンプロジェクトが1周年を迎えました。#教師のバトン は、教職不人気に危機感を持った文科省が、現役教員に教職の魅力をSNS等で広く伝えてもらおうと始めた企画でした。しかし、文科省の意に反して、労働環境の過酷さや学校での理不尽等に言及する投稿が相次ぎました。未だ盛りあがりをみせている #教師のバトン ですが、公式アカウント自体はもう一年以上沈黙を続けています。

3月:文科省『新任教員、10年以内に特別支援学校で複数年経験を』

特別支援教育の必要性の高まりを受け、文科省が新たに採用した教員へ特別支援学校での勤務をさせるようにと自治体へ通知を出しました。

特別支援教育、特に発達障害や学習障害に関する知識とその支援方法は非常に重要なものです。しかし、問題なのは現場の教員が疲弊して、自ら学ぶことができないほどであることです。そこを勘違いし、研修を増やせばなんとかなる、とさらに教員の負担を増すだけの文科省の政策にはガッカリした方が少なくないのではないでしょうか。

4月:高校1年生で観点別評価開始

新学習指導要領で学ぶ新課程の高校1年生が入学しました。高校においても、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度、の3観点でABC評価をつけるようになりました。

観点別評価により、負担が増した学校は多いのではないでしょうか。また、『主体的に学習に取り組む態度』をどう評価するのか、は未だ議論になる点です。観点別評価は、次へ活かす評価としてはまさに理想の体現だと感じます。しかし、やればやるほど現実的ではないと感じてしまいます。

5月:学校の体育ではマスク不要 対処方針改定

政府が新型コロナウイルス基本的対処方針を改定し、屋内外でマスクを外せる状況を初めて示しました。学校においては、十分な身体的距離が確保できる場合や体育の授業で着用の必要はないと文科省より通知が出されました。

熱中症を考慮すると、屋外や運動時のマスクは危険であることは確かです。しかし、『マスク不要』という文言が独り歩きするのでは、との懸念が聞かれました。

6月:教員採用試験倍率一倍台の自治体が続出 大分は驚愕の1.0倍

各自治体で、志願者数と採用予定者数のデータが出揃いました。多くの自治体の小学校教員採用試験の倍率が、一倍台になってしまっていました。そして、なんと大分県では約一倍の低水準を記録するという事態になりました。特に小学校において、教職不人気を示す決定的なデータとなりました。

部活の大変さばかりがクローズアップされがちですが、小学校の先生の過酷さが分かるデータになりました。英語教育、プログラミング教育、など◯◯教育がどんどん追加され、小学校の先生には、ありとあらゆる能力が求められています。小学校は行事等も大変です。小学校の教員不足により、日本の公教育は根本から崩壊するのではと危機感を感じました。

まとめ

どれも重要な話題ばかりでした。特に、教員の多忙や教職不人気を裏付けるデータが多数ニュースの話題になっています。後半(Part-2)では7月以降のニュースについてもまとめます。

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