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今年観た旧作映画の感想-6

こんばんは。あっという間に年末ですね。
ということで、こちらも最終回!

映画館で観た新作映画や、配信限定の新作映画はFilmarksに感想書いてます。よろしければそちらもご覧ください。
https://filmarks.com/users/higboo

これ書くの結構大変だったので、来年からは旧作映画も全部Filmarksに書こうかしら・・・。

その1

その2

その3

その4

その5

特に個人的に衝撃を受けた映画には★マーク付けてます。注意はして書いてますが一部ネタバレしているかもしれないので、お気を付けて。

★76本目 サスペリア

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イタリア製ホラーの古典。全寮制のバレエ学校に入学した主人公はそこであらゆる不可解な出来事に遭遇する。あまり怖くは感じなかったのですが、最初のホテルでの虐殺をはじめ、映像的にグロテスクだけど綺麗、というシーンが多く、そこを楽しむ映画なのかなと感じました。ストーリーは割と無茶苦茶で、オチも荒唐無稽。盲目のピアニストが犬に裏切られるシーンは気の毒で少し笑ってしまいました。(魔女のせいであって犬は悪くありません。)ラストの何だそりゃ・・・という展開も怖いというよりは面白い。

77本目 ブレックファスト・クラブ

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様々な事情で休日に図書室で補講を受けさせられている5人の生徒が、徐々にお互いの複雑な事情を知るにつれ、打ち解けていく。基本は密室会話劇なのですが、このあか抜けてない感じの5人の役者が全員最高です。正に青春の一ページを”切り取った”というにふさわしい刹那的な一日だけの物語という感じですね。しかし補講が半日かけて、反省文書かせるだけってのは学校側もヤル気あるんでしょうか。教師側の苦悩的な描写もありましたが。

78本目 ナチュラル・ボーン・キラーズ

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新井秀樹さんの「ワールドイズマイン」が好きな私としては、よく元ネタとして上げられるこの作品を観ておかないと!と思い鑑賞。連続殺人犯2人組の逃走劇。ミッキー&マロリー夫妻は、アメリカ中で手当たり次第に殺人を繰り返しながら旅を続けていく。そこに理由みたいなものが全くないのが気味悪いですね。若き日のロバート・ダウニー・Jrが出ていますが、今の方が断然カッコいいです。

79本目 ある女流作家の罪と罰

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劇場で観た「幸せへのまわり道」という映画がとても良かったので、同監督の前作を配信で観たのですが、こちらもとてもいい映画でした。マリエル・ヘラー監督、要注目です。落ち目の作家が昔の売れっ子作家の”手紙”を偽装して、コレクターに売って稼いでいた、という実話がベースの物語。主人公とその周りの人たちのダメっぷりは目も当てられないのですが、もうそう生きるしかないところまで極まっちゃった人たちの哀しい話でもありました。しかし今の時代”女流作家”っていう言い方もどうなんですかね。邦題がちょっと残念です。

80本目 ミニー・ゲッツの秘密

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こちらもマリエル・ヘラー監督作品。思春期の少女が好奇心から母親の恋人と関係を持ってしまう。終始主人公の複雑な内面を中心に描いているので、身体と心が一致しないとか、自分が何者で何をしたいのか分からないといった、誰もが同じ年代に一度は感じたことのあるような気持ちが呼び戻されます。大人側の視点で観てしまい、主人公が心配で仕方無くなる映画です。ろくでもない男には気を付けましょう。握手するときは笑顔で対応しながら「私の方が上よ、クソ野郎」と心の中で思う、というこの映画の教えはぜひ実践していこうと思います。

81本目 斬、

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塚本晋也×時代劇ということで、もの凄くグロテスクな映画なのではないかと思い、少し身構えて観始めたのですが、むしろ監督作の中では一番見やすいかもしれないです。主人公の葛藤が非常に分かりやすい。江戸時代末期、平和が続き、人を斬ったことのない侍の青年が、愛するものを守るためついに人を斬るのか、、というストーリー。暴力では何も解決しないよ…という怒りとやるせなさを感じます。80分くらいで時間もタイトで素敵です。

82本目 タラデガ・ナイト オーバルの狼

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アダムマッケイ×ウィルフェレルのおバカコメディに、今作はサシャバロンコーエンまで出演してしまっているので、もう手の付けようがないバカっぷりです。レーサーとして負けなしで成り上がりまくっていた主人公ですが、とあるレースでのクラッシュからスランプに。本当に大切なものに気付き、復活を遂げていく。ストーリーだけなぞると王道の天才復活ものですが、全シーンこれでもかとギャグ満載です。

83本目 恋のロンドン狂騒曲

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死の恐怖から、衝動的に今までの生活を捨てたくなり、熟年離婚してまで、新しい人生を無理やり再スタートさせた老人。若い新妻を作ってみたりするものの、全然うまくいかず。捨てられた妻の方は、癒しを求めてどんどん怪しい占い師にハマっていき・・・という目も当てられない一家の物語。観ていてイライラもするけど、どこか共感してしまう部分も。人生やり直しは効くかもしれませんが、振り出しには戻せないですよね。

84本目 フォレスト・ガンプ/一期一会

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トムハンクスの一人芸という印象の映画でした。凄まじい演技力。ベトナム戦争前後、知的障害がありながらも、時代に翻弄されながら、その場その場で純粋に、成長~成功していく男の物語。とても感動的なストーリーである一方で、結果言いたい事はアメリカ万歳!的な若干の薄気味悪さも感じました。個人的に許せないのは実際にジョン・レノンが出演しているテレビ映像に合成して、フォレストガンプと共演しているように見せるシーンです。ここはただただ死者への冒涜だと感じました。

85本目 イレイザーヘッド

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覚悟の上で観ましたが、それでも気持ち悪かった~。ストーリーはあってないようなもので、奇妙な描写のオンパレード。あのほっぺたに大きいコブのある女性がダンスしてるところに、天井から虫が降ってくる描写が頭から離れません。宇宙っぽいところにいる謎の男みたいなシーンとか、塚本晋也監督の「鉄男」はここからきているのか。。などと思いました。もう観たくないです・・・。

86本目 ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

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何も考えずにボーっと楽しめる映画を観ようと思ったのですが、正解でした。バカバカしいをここまで突き詰めると、むしろ関心するといいますか。しかしこの監督が後にジョーカーと撮ったりとか、この俳優が後にアリー/スター誕生を撮ったりとか、ちょっと信じられないですね。でも確かに多くの人を笑わせられる映画が撮れるという時点で、創作者としてとんでもない才能なんでしょうね。

87本目 エクスペンダブルズ

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何も考えずにボーっと観たいシリーズとしてセレクトしましたが、こちらも大正解でした。いい意味で、こんなに何も考えずに観られる映画も今どき中々貴重だと思います。どう考えても敵側の方が気の毒になる、主人公チームの無双っぷり。1やられたら100で返す。もう10年前の映画ですが、往年のスター大集合という感じで、アベンジャーズ感もあり。シュワちゃんとブルースウィルスはめちゃくちゃちょい役のゲスト出演でしたが。続編ではもっと出番多かったりするのかな。。

★88本目 半世界

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昔はSMAPでは中居くん、草彅くんの演技力がダントツだと思っていましたが、ここにきて吾郎ちゃんの役者としての幅が一気に広がっているんだなと感じさえられる作品でした。ど田舎で父の仕事を継いで炭焼き職人として働く主人公。大した実力もないくせに頑固で融通の利かない嫌な感じの父親としての役を、稲垣吾郎が見事に熱演しています。映画のファーストカットのせいで、後の展開は少し読めてしまうところもあり、あまりの唐突なラストにもモヤモヤするところもあるのですが、全体的には小さなコミュニティの中でのストーリーとして、とても見ごたえのある映画だと思います。池脇千鶴が主要キャストの映画は外れ無し!の定義が今回も当てはまりました。

89本目 マイ・プライベート・アイダホ

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今やゴリゴリのアクション俳優というイメージも定着しつつあるキアヌ・リーヴスの超絶美男子時代、そして今は亡きリヴァー・フェニックスの神々しいまでの存在感を堪能できる映像資料的にも貴重な映画です。主に2人のロードムービーではあるものの、ラストに進むにつれて2人の生きる世界が決定的に分かれていく。その切なさがありつつも、別にどっちがいいとか悪いというような安易な善悪の基準に落とし込まないところがいい映画だなと思いました。

★90本目 復讐するは我にあり

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近くで「緒形拳展」というイベントがあったので、予習のために鑑賞したのですが、本当に凄まじい映画でした。日本映画の実録犯罪ものとしては、今まで観た映画の中でもトップじゃないかという程に面白かったです。自分の邪魔になる者を(時にはそうでない者まで)平気で殺しながら、その場その場でうまく立ち回って逃走を続ける殺人鬼。周囲の人間含めて、こいつら救いようがねえ・・・という絶望感が全編に渡って流れています。役者陣全員の圧がとにかくすごい。緒形拳も倍賞美津子も三國連太郎もリアルタイムでは、いろんなドラマとかに出てくる”味のあるベテラン俳優”というような見方しかしていなかったのですが、こんなに恐ろしい演技ができる名俳優だったのか・・・と衝撃を受けました。ラストシーンに至るまで希望が一つもない!容赦ないけど全く目が離せない名作でした。

今年はここまでー!
改めて数えたところ、
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映画館での新作鑑賞50作
配信での新作鑑賞12作
配信などでの旧作鑑賞95作
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合計157作の映画を観ることができました。
コロナで家にいる時間が長かったので、たくさん良い映画を観られました。

でも、映画って本当にキリがないですよね。
まだまだ観たい映画がたくさんあるので、来年以降も映画ライフを楽しみたいと思います。

それではよいお年を~

以上

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