今年観た旧作映画の感想-1
コロナで遠出もできず、配信サービスが充実しているおかげで今年は家で映画を観る機会が多いです。せっかくなので忘れないように簡単に感想をまとめます。記憶違いで記載内容に色々と間違いもあるかも。基本、初見の映画ばかりです。
特に個人的に衝撃を受けた映画には★マーク付けてます。
1本目 グエムル 漢江の怪物
19年末に「パラサイト」を観た興奮そのままにポンジュノ作品を鑑賞。父子家庭の一家の小さな視点から描いた怪獣映画。怪獣の造詣がキモくて素敵。ソンガンホの存在感は素晴らしい。ペドゥナは美人過ぎて貧乏感が全くない。ナイスジャージ。怪獣が街を大暴れ!みたいな爽快感ではなく、あくまでも、メインは家族を巡る人間ドラマ。めちゃくちゃ渋い余韻を残すラスト。
2本目 黒い家
原作は中学の頃に読んで大好きだったのですが、映画は初見。保険会社に勤める主人公が、大竹しのぶと西村雅彦のサイコパス夫妻に付き纏われ、挙句の果てに命を狙われる。画にするとチープになりかねないところ、役者陣の怪演で不気味さが伝わる。世にも奇妙な~的な90年代初頭の映像の質感が不気味。怖いけどちょっと笑える。乳しゃぶれー!
3本目 ワンダー 君は太陽
容姿が人とは違う子どもがいじめや偏見を乗り越えて居場所を見つけていく。洋邦問わず量産されている心温まる系のファミリームービーで、展開がありがちではあるのだけど、題材に対して誠実で好感の持てる映画だと思う。特に父母役は流石の演技。最終的には出てくる人全員善良な人たちなので、全編通して悲壮感無し。
4本目 トップガン
実は観たことなかったし、どんな話なのかすら全く知らなかった。今年続編も公開予定とのことで予習。曲やファッション含めて、とてつもない"時代感"。イケイケ天才戦闘機パイロットが相棒を亡くし、落ち込んでヤル気無くすも、恋人や上官の助けもあり、見事復活を遂げる。ある種のテンプレみたいなアガル話だと思った。確かに戦闘シーンの映像は迫力満点で劇場で観てみたい。
5本目 羅生門
世界のクロサワ映画。芥川の「羅生門」は昔読んだことあったけど、ほぼ関係なかった。実質の原作は「藪の中」。武士殺しに関する審議、同じ場に居合わせたはずの浪人・侍女・老人の三者で証言が全く噛み合わない。それを豪雨の羅生門で回想する老人。人は自分の都合のいいように簡単に記憶を書き換えてしまうっていう事なのかしら。三船敏郎のオーバーアクトは観ているだけで楽しい。
6本目 浮き草たち
兄の代わりにやむなく運び屋をやらされる主人公。道中出会った少女とともに行動し徐々にミステリアスな彼女に振り回されつつも惹かれていく。不良っぽいヒロインがとても魅力的。俯瞰のショットが印象的な静かなロードムービー。不穏な雰囲気はしっかりありつつも、展開が悲惨すぎず最後まで安心して観られるあたり、好み。
★7本目 誰も知らない
その昔観た気もするけど、あらすじ以外ほとんど覚えていなくて、しっかり見直したらとんでもない名作だった。”是枝監督の子役演出”といえば今や世界でも参考にされるほどとよく聞きますが、確かに世界中見渡してもこの映画を超える子役映画は中々無いのでは?育児放棄され取り残された兄弟4人がなけなしの金で何とか生きようともがく。最初から完全にネグレクトされているわけではなく、少しづつ母が家から離れていく様が妙にリアル。所属していたゼミの教授がこの映画のファーストシーンのトランクは胎内であり棺桶のメタファーだと話していたのを思い出した。
8本目 トイ・ストーリー3
至るところで評判は聞いていたもののようやく初鑑賞。1は世代的に小さいころ何度も観た。2は観たはずだけどほぼ記憶にない・・・。行き違いでアンディ家から保育園に寄付されたウッディー一同の脱出劇。しっかりハラハラドキドキさせられる。ちょっと壮大になりすぎだけど。ピンクのクマは事情はあれど最後の最後までなかなかの悪。おもちゃは歳を取らなくても、周りの人間は歳を取る。役割を繋ぐラストシーンの涙腺決壊度は抜群。
9本目 トイ・ストーリー4
3から続けて一気見で4も鑑賞。3と比べるとあまり感想を聞かないので、どんな出来なんだろう・・・、というか3であんなに良い終わり方したのに続ける必要ある!?と思ったものの、なるほどこれは異色作。3では成長しないおもちゃと、成長する人間のギャップを描いていたと思ったら、4ではおもちゃ自身の成長と自立という、それを言っちゃあお終いよ!という領域に踏み込んできた。こうなると人間と何が違うんだ?ちょっと怖いよ!
10本目 運び屋
久々に動くイーストウッドを観られるだけで嬉しい。もう90近いお歳のはずなんですが、いろんな意味で健在すぎ。じいさんの偏屈ぶりもここまでくると爽快。現実でこんな人近くにいたら絶対に面倒くさいけど。最近はもっぱら実録ものが多く、15時17分~のような捻った作品もありましたが、これも一応実録ものではあるものの、ストレートな娯楽作という感じで見やすい。孫娘役は私の推しのタイッサファーミガ。
11本目 24時間ずっとLOVE
ここ数年観た映画の中で最も奇妙なバランスの映画でした。めちゃくちゃ変。どう感じろと!?という不思議な気持ちにさせられる。同性愛の女子大生2人が知り合って間もなくベッドイン。この愛が本物かどうか試すために24時間ずっと一緒に過ごそうと試みる。最終的にケンカしてウ○コ投げつけられる。結婚する前に同棲はしといた方がいいぞ、という教訓としては超いい映画なのでは!?
★12本目 パンとバスと2度目のハツコイ
うまく言葉にできないのだけど・・・とても良かった!「愛がなんだ」もそうでしたが、なんでこんなに、なんてことない恋愛与太話が魅力的に撮れるんだ!ただ演出や音楽の雰囲気にヤラれてるだけの気がしなくもないけど、それができるだけでも十分な映画作りの才能なんでしょうね。主演2人は乃木坂と三代目だからなあ、、普段だったら敬遠しかねないジャンルなのだけど全く違和感なし。むしろこの2人のこと好きになった(三代目のけんちゃんは実は元から好きだけど)。誰もが感じたことのある心の痞えみたいなものに響くのでしょうか。この監督の恋愛以外の映画も観てみたい。
13本目 ミッドナイト・イン・パリ
お恥ずかしながら、初ウディ・アレン。そしてここから完全にハマってしまい、この後ウディ・アレンの登場回数めっちゃ増えます。何本か観た後で思ったけど、ここまでSFっぽい設定は珍しいのでは?語っている内容は完全にいつものだけど。でも最終的に彼の妄想っていう解釈もできるのか。もう理屈とか抜きの強引なタイムスリップ。往年のパリはとても楽しそう。そしてやはり主人公は最終的にしっかり落ち着くところに落ち着くのでした。
14本目 ハッピー・デス・デイ
ホラーっぽい学園SFもの。スプラッターと思わせてのダークコメディ。何度も殺され続ける嫌なタイムループ。それほど怖くもグロくもなくて、繰り返すことで徐々に明らかになっていく犯人の正体も、普通に謎解き要素として楽しい。ゲームのような楽しさがある。主演のジェシカ・ロースは存在感があってカッコカワイイ。
15本目 映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
すみっコぐらしが何者なのかもよく知らず、映画を観てもよく分からず。台詞無しでナレーションで進む絵本の読み聞かせのような作り。そしてそれが物語とも重要に結びついている。絵本の世界の住人は絵本でしか暮らせない切なさ。しかし絵本と現実という区別だと、すみっコたちが普段暮らしている世界が現実ということになり、何か頭おかしくなってくる。しかしこのクオリティの映画を作れるというのは驚き。制作陣の本気度みたいなものが伝わる良作かと。
本日はここまで、めっちゃ疲れた。始めたことを既に後悔しています・・・。でもアウトプット大事!
現時点であと80本くらいストックがあるので、地道に書きます。
以上
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