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あの頃は、臆病だった(前編) (140文字小説)

 私は後輩で、あの人は先輩だった。

 決して頼りになる人じゃない。

 でも、なぜか気になる人だった。

 気持ちは伝えず、学園生活を終えた。

 社会に出たら時折、どうしているだろうと思い起こす。

 LINEの友だちをスクロールする。

「元気にしてますか?」

 私は勇気を込めて、矢印に指を落とす。

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