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彼我見聞録-まめぽっと(上)

春日三丁目のローソンの向かいに、芳ばしい香りを漂わせているお店がある。そのお店の名前は「まめぽっと」。そこを営むのはどんな人だろうか。そこを訪れるのはどんな人たちだろうか。初めてお店を訪れる中村と、いつも豆を購入している芹川が、オーナーの古屋さんにインタビューした。

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中村「はじめまして、今日はよろしくお願いします。お店を拝見すると、コーヒー豆以外のものもありますね……。お仕事の内容について、簡単に教えていただけますか?」

古屋さん(以下敬称略)「メインは、コーヒー豆の焙煎と販売です。つまり、生豆(なままめ)を仕入れて、焼いて、販売しています。その他にも紅茶やハーブも、私が好きなので置いています。喫茶はやっていません」

中村「先ほどからストップウォッチを気にしておられますが、もう少し待ってからインタビューを進めた方がよろしいですか?」

古屋「いえ、進めてもらって構いません。焙煎しながらの回答になって申し訳ないです」

中村「それでは改めて。このお店を始められたきっかけを教えてください」

古屋「このお店を始めたのは亡くなった主人なんです。もともと天久保で喫茶店をやっていたんですが、業者から仕入れて淹れるコーヒーに疑問を持っていて、それでこのお店を始めたそうです。当時つくばには自家焙煎店は数軒しかありませんでした」

中村「焙煎の難しいところを教えてください」

古屋「開業時から記録しているデータがあるのですが、それだけでは焼けないところが難しいですね。同じ豆であっても、その日の気温や豆の調子によっても変わってくるので、毎回ちょっとずつ違います。これまでのデータを参考にしつつも、豆の様子を見たり、匂いを嗅いだり、豆の音を聞いたり……。データと感覚をどちらも大切にしながら、ベストな状態にするようにしています。なかなか上手くいかないのですが(笑)」

中村「 ”豆の音”ってどういうことですか?」

古屋「それはハゼと言って……ちょっと待っていてくださいね」

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芹川「今ちょうど、焙煎機からパチパチって聞こえたでしょ?これが ”豆の音”で、もうすぐ焼き上がるサインなんだ」

中村「なるほど」

古屋「お待たせしました。これからは冷ます時間なので、ゆっくりお話できます。焙煎って、抑えなきゃいけない時間と、そうでない時間があって、付きっきりになる必要はないんです。今みたいにお客さんとお話ししながら焙煎している時も多くて、少しの間お客さんに待ってもらうこともあります」

芹川「この焙煎機は直火式ですか?」

古屋「そうです。焙煎は、加熱方式、時間、火力、温度、排気などによって味が変わります。それがその店の個性になります。違うお店の同じ豆を飲み比べるのも面白いです」

中村「いろんな要素があるんですね…。焙煎しながらお客さんとお話することは難しくないですか?」

古屋「そうですね。でもまあ、結構適当にやってますから(笑)」


古屋さんはステレオタイプな職人ではない。都度ベストな焙煎を探究しつつも、決して頑なな印象を与えない。お客さんとの会話も焙煎も同時に大切にしている古屋さんは、絶妙な “ゆるさ” を纏った人だった。(

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店舗情報

自家焙煎珈琲 まめぽっと
・住所:つくば市春日3丁目2-6
・HP: mamepot.com
・オーナーブログ:mamepot.tsukuba.ch
・電話番号:029-851-9161(出られないこともあるそうです)
・営業時間:10:00~18:00
・定休日:木曜日(第一木曜日を除く)
 ※最新情報はホームページなどを参照してみてくださいね!


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