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これから【訴求】の話をしよう。

FLUXの今野です。まず初めに、このnoteを読んでいただいている皆様に心より御礼を申し上げます。新しい記事を書くたびに暖かいメッセージや、皆様の思い、ご意見を頂いていて私自身が勉強をさせて頂いております。

今日は前回の中で反響が大きかった【訴求】の仕方に関してお話ができればと考えております。*タイトルはマイケル・サンデルさんにかなり引っ張られてます。


企業からは見えない訴求の全容

人材紹介の基本的な流れですが、
1,企業で求人が発生~      
2,エージェントとの打ち合わせ~  
3,エージェントから候補者に訴求~
4,候補者からの応募意思獲得~
5,面接~

となっていくのが通例です。

この流れを考えますと、それぞれのフェーズでどんな人物がステークホルダーなのかを考えると、3番と4番の工程はエージェントに主導権があり、企業側からすると一種のブラックボックスになっており、どのようなコミュニケーションが行われているのか見えません。

このブラックボックスの中で行われているコミュニケ―ションがあまりにも軽視されすぎていると考えております。

求人が発生するということは?

企業の中で求人が発生する前に行われるコミュニケーションを考えてみます。まず経営会議で現場の課題や、目標に対してビハインドの時に、どうするか?を経営層の方は考えています。初手としては何かしらのアイディアや、ノウハウで改善を模索します。その中でマンパワーや工数が足りないということであれば、社内のメンバーの工数確認や、部署移動なども考えながらさらなる改善を模索します。

その結果としてどうにもならない、、、という場合に採用予算を確保し、求人発生という流れになるのが一般的ではないでしょうか。

つまり求人が生まれるということは社内ではどうすることもできない経営上の課題の解決を外の人材に求めているという捉え方をすることもできると思います。

その課題ちゃんと説明していますか?

これは全エージェントに問いたいです。よく散見されるスカウト文ですが、

【急募】OOOでNo1の実績を誇る企業、新規立ち上げメンバー募集
【独占案件】OOO業界を席巻するベンチャー企業案件
【フルリモートOK】働き方が柔軟な優良企業案件

といったようなタイトルから始まり、差しさわりのない案件説明の上、なぜか求人票は2~3件添付されており、決まって結びの言葉には

『この案件以外にも弊社では多くの案件を保有しておりあなたに合った案件が~』『今すぐにご転職をお考えではなくとも~』

のどちらか、もしくはどちらもついていることが多いです。

最悪の場合は『情報交換だけでも~』がついている場合があります。

もちろんこれが悪いというわけではありません。ハイレイヤーの方々とやり取りをするエージェントではこのやり方はご法度です。

訴求、訴求、訴求は介在価値無。

とにかく応募意思を取り、10~20社応募をさせ、とりあえず面接が入るかどうか見てみて、第一志望群、第2志望群~などで分けているエージェントの方々に問いたいです。そのやり方、誰のためになっていますか?

きっと答えはあなたのKPIかあなたの売り上げです。

求職者の方々はもちろんエージェントをプロとして信じてくれたうえでお話をしてくれます。TVのコマーシャルではこぞって人材紹介企業が『プロのエージェント~』とうたっています。

内情は皆様もご存じかとは思いますがほとんどは新卒か未経験のエージェントとなっています。

上記のようなスカウト文は誰にでもテンプレートで送ることができます。大手スカウト媒体に登録をしてみてください。メッセージボックスは何も考えていないスカウト文であふれかえります。また少しカスタマイズしたくらいで自分は工夫しているという方も多いです。

例えば1文だけ
『OO様のOOOOの経験が素晴らしいと思い、ご連絡をさせて頂きました。』

本当に冷める話ですが、これも社内のトレーニングで教わります。

今ご自身が使用しているテンプレートを見直してみてください。目的がばらばらの一方的な訴求であふれかえっているはずです。誰にでも送れる内容の訴求では誰の心も動きません。

訴求:の言葉の意味ですが、”受け手に何らかの行動を起こさせる”という意味が含まれております。

今溢れかえっている案件紹介の訴求で本当に心は動くでしょうか?

なぜA社があなたに会いたがっているのか?


弊社Top営業の1人である石黒さん。名だたる企業の代表から直接課題のヒアリングをして、求職者1人1人になぜあなたなのか?を徹底的に伝えております。


正しい【訴求】はここにつきます。これを感情面、ロジカル面で【説明】をしたのち、【訴求】をします。

このやり方ができるエージェントはまず情報量と、普段対峙しているレイヤーが圧倒的に違います。A社の課題を理解して、A社の経営者の目線に立ち、なぜあなたなのか?を明確に説明できます。

例えばですが、現状のA社の課題をなぜあなたは解決できると思ったのかの説明と、確認ののち、それをしていただけることによりどのようなプラスがあなたのキャリア、インセンティブに反映されるのかをはっきりと数字も含めて説明ができるはずです。

これは私自身の話になりますが、ハイレイヤーの方々とお話をするときは裏側のロジスティックス周りの説明もはっきりとします。

例)『OO社より依頼を受けましたのが2日前になり、BizReach, LinkedInなどで対象になるであろう方は15名おりまして、この15名の方に別々でお声がけをさせて頂いております。OO様はその中でも最初にご返信をいただけましたので、優先的にお話を進めさせていただければと思います。しかしながら、ほかの候補者の方もいない状況ですので、企業側からは比較検討を。と言われる可能性もございます』

このポイントですが、基本的に人事部に入り込んで、選考状況を理解して他社のエージェント状況も確認していないと絶対に説明できません。

求職者の皆様にはぜひエージェントの方に『なぜ私が必要とされているのか?』と聞いてみてください。憶測やあいまいな表現ではなく、明確な理由を数字とパッションで話せるエージェントは良いコネクションを持っています。

逆にエージェントの方は【なぜあなたなのか?】をエビデンスをもって話せるように情報を集めましょう。そうでない訴求に差別化や、バリューはありません。

介在する価値を明確に示しましょう。

【訴求】に求人票はいらない。


エージェント領域のDirector御手洗さんと採用組織コンサルチームの水野さん、天神さんが集まり常に最新の採用手法をUpdateしあっております。

こちらも多く見受けられるのですが、求人票の送付=訴求だと勘違いしているエージェントが多くいます。
また上記の説明ができないので、求職者の方々も『ああ~求人票送っといてください』と流してしまいがちです。

まずそもそも求人票は仕事内容と、ベストペルソナと労働条件が書かれているものが多く、経営課題や、このポジションにつくことによるキャリアの広がり、なぜあなたなのか、組織図などは書かれていません。
どんな人と、
何のために、
そしてそれをするとあなたはどうなれるのか?
が書かれていない資料をどれだけ読み込んだところで働くイメージは決してつきません。

あくまでも求人表は労働条件や、福利厚生の確認、ポジションタイトル、業務内容の確認的な位置づけの追加資料程度だということです。

正しい【訴求】の先にあるものは

よくメンバーには伝えますが、書類選考でOKが出た方が、お見送りになる理由のほとんどは発言内容です。

極端な例ですが、面接のない世界があったとして、書類を見て、会いたい!となった方は合格のはずです。
現状の課題をこの経歴の方であれば解決できる!となったので合うわけです。
ということは逆説的な考えですが、面接のお見送りの理由はほとんどが発言内容ということが言えます。

ここで2パターンの事例を共有します。

案件:大手メーカー海外営業部 営業マネージャーの案件
訴求1:『大企業で安定していて、残業も少なく、グローバルで英語も使えます!添付の求人票をご確認ください。』

この訴求でいいな!と感じた求職者は志望動機を面接で何と言うでしょうか?
きっと、英語が使えるグローバルな環境に惹かれました!というはずです。
果たしてこの企業のこのチームの課題はこのマインドの方に解決できるでしょうか?

同じ案件ですがこう訴求してみます。

案件:大手メーカー海外営業部 営業マネージャーの案件
訴求2:『海外市場の売り上げが落ちてきていて、メンバーの離脱が続いている。もともと海外営業の経験者が少ないチームですが、今はマネージメント候補も含めてこの苦しい状況を打破できる人材がいない。大企業なのでキラキラしているかとも思いますが、泥臭く営業をゴリゴリしながら背中で引っ張るマネージャーを求めています。OOのニーズは確実に海外で広がっていくといわれていますが、この苦しい状況を助けて頂けないでしょうか?』

と訴求を変えたとします。この求職者は面接で何と言うでしょうか?
きっと、『いや~今は海外は厳しいですよね。同じような案件を経験したことがありますが、結局最後はどれだけ泥臭く粘るかだと思います。ぜひやらせてください。』
と言えるはずです。

つまりエージェントの訴求の仕方で求職者の期待値や、アピールの内容が変わってくるということです。

このように、面接でお見送りになるケースはエージェントのせいであるとっても過言ではありません。

求人票をマスで投げてくるエージェントに介在価値はありますか?

正しい【訴求】ができていれば、面接対策やオファー面談なるものは限りなく必要なくなってきます。最初の説明にすべてを盛り込み、話の筋をぶらさない。それを徹底的に突き詰めていくことこそ人材紹介の介在価値を上げていくことにつながるのではないでしょうか?

またまた長い散文を読んでいただきありがとうございました。




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