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週あたりの授業削減=教員の負担減!?②

 皆さんこんにちは!または初めまして!
 公立小学校教員歴19年目のヒデと申します。

 前回のこの記事において、週あたりの授業を削減したところで教員の負担減には繋がらないことについて述べてみました。
 また、その中で長期休業が減らされるのではないか、という懸念や夏休み不要論もあることについて触れてきました。
 今回の記事ではその「長期休業」について深掘りしたいと思います。


▶︎子どもにとっての長期休業とは

 そこそこ長く小学校の先生をしていますが、いまだに「え?夏休みって先生方も休みじゃないの!?」と驚かれる保護者さんに出会います。
 まあ、上から認められた特別休暇「夏季休暇」というものが数日与えられますが、これはおそらくどこの官公庁・民間企業等でも同じでしょう。つまり、教職員にとっての「夏休み」とは他業種と考え方自体はさほど変わりません。

 では誰にとっての「休み」なのか。
 それはもちろん、児童・生徒にとってです。
 進級または進学して、新しい環境で学習を頑張ってきたご褒美。そしてどんどん高くなっていく気温からの避暑の意味で必要不可欠の長期休業が「夏休み」なのです。

 大人の皆さん、想像してください。
 小学校であれば朝の8時30分ごろから15時ごろまで学習するわけですが、それを「研修」だと想像してみましょう。そんな研修受けたいですか?
 それが毎日です。月火水木金です。
 仕事であればきっとある程度自由裁量で一息休憩をつくこともできるでしょう。
 好きなドリンクなんかも手元に置くことができます。
 しかし学校では児童・生徒にそれは許されません。
 学校によってはエアコンも完備されていません。
 それを「もうすぐ夏休みだから」と踏ん張っている子どもも中にはいるのです。

 また、夏休みは文字通りの長い休みなので、普段ではできないことができますね。
 スポーツに没頭したり、どこかに出掛けて見聞を広めたり、自分の興味関心に基づいて勉学を追求したり、受験に向けて苦手に取り組んだり・・・。
 そこに至るまでにだいぶ頑張ってきた子どもたちですので、たまには夜更かし・寝坊させてあげてもいいですね。

▶︎教員にとっての長期休業とは

 前述しましたが、教員にとって長期休業はあくまでも出勤日です。
 したがって、夏季休暇を取得するにも年休(いわゆる有給)を取得するにも管理職に申請しなければなりません。
 ただ、児童・生徒にとっての休みであるので当然子どもたちは学校にいません。
 普段よりも休みを取りやすいです。
 よって、僕たちはここぞとばかりにたまった休みを消化するのです。

「民間ではそんなにまとめて休み取れないよ」
という声が上がりそうですが、民間と公立学校との対立議論はここではしません。ナンセンスです。
 それぞれの業種にはそれぞれの長所短所があるものだと思いますので。

 では実際に長期休業中に教師は何をしているのか、僕の実体験も踏まえながらいかにまとめてみます。

【勤務している場合(職場に出勤または在宅も含む)】
・二学期以降の授業の準備、教材作り
・体力テストなどの各記録の点検や整理
・学芸会の台本づくりや楽譜づくり
・研修を受講したり、書籍等で自己研鑽  など

【休暇を取得している場合】
・体を休める。とにかく休む。
・普段行けない病院などにかかる。入院を合わせる。
・レジャーや旅行などといった娯楽
・趣味に費やす
・家族と触れ合う            など

▶︎社会にとっての長期休業とは

 ここまで書いてきて、「長期休業」といったり「夏休み」といったりごちゃごちゃですね、すみません💦
 さて、長期休業について論じる時にいつも子ども・保護者・学校の三者で考えられることが多いと思いますが、僕は「社会」についても考える必要があると思います。
 この日本社会は基本的に今の学校の長期休業に合わせて動いている部分がありませんか(そうでないこともありますが)。
 お盆はどうしましょう。
 各レジャーの夏休みプランはどうしましょう。
 交通各社もこの時期に書き入れ時を狙っていますよね。

 また、この社会はそういった余暇を要請してくるのに対し、政府は夫婦の共働きを進めてきます。
 父親、母親ともに働くことを求めておきながら、廃案になったようですがある自治体では小学3年生以下の子どもを留守番させていると児童虐待に当たる、という条例をあげたところもありましたね。
 この辺りのチグハグ感はどうしましょう。

 さらに、言わずもがな、社会を構成しているその大半は「親」です。
 親にだって休みは必要です。
(だから子どもは学校で、という議論は当たりません。先生方も親なので)
 単純は話、親の皆さん、自分たちが小学生や中学生の時に「夏休みは今年から短くなります」と言われたらどう思いますか?

▶︎長期休業は絶対に必要

 ということで、子どもにとっても教員にとっても、社会(大人・親)にとっても長期休業は絶対に必要であるというお話でした。
 特に、小学生2人の親でもあり、小学校教員でもある僕にとっては「長期休業を減らすなんてとんでもない!」という結論です。

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