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映画の感想

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『哀れなるものたち』の感想。そのまま超えてけ!

『哀れなるものたち』の感想。そのまま超えてけ!

今更ながら、1月末に見た映画の感想を書く。
ヨルゴスランティモス監督の過去作は『聖なる鹿殺し』『女王陛下のお気に入り』を見ている。
『聖なる鹿殺し』は反吐が出るほど嫌いで、『女王陛下のお気に入り』は結構好き。
今回はどっちだろうと思いながら見に行ったら、めちゃくちゃ面白かった!

オチで「そこに着地するんかい!」ってなってクソ面白かった。感動的な音楽と満足げなエマストーンの顔が余計面白くしてる。

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映画アワード2023!

映画アワード2023!

今年見た新作映画は40本。
その中から際立った映画を表彰して行きます。
これをあーでもないこーでもないと考えるのが年末の何よりの楽しみです。

まずは部門賞を、次いでベスト10を発表します。

部門賞最高のはじまり部門

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』より、若い頃の活躍から一転、落ちぶれまくった老人インディ。

『3時10分、決断のとき』や『ローガン』で、落ちぶれて誇りも失った男と、その

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ドラマ版『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』EP1,2の感想

ドラマ版『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』EP1,2の感想

ついにこの時が来てしまった……!
僕の人生の一冊である、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のドラマ版がディズニープラスで始まった。

僕がどれほどこの本を愛しているのか、そしてその映像化にかつてどれほど傷つけられたのか、書きたいことはいろいろあるけど、とりあえず一旦置いておく。

これから完結まで、毎週各話の感想を書いていこうと思う。

見る前の意気込み。公開初日の夜。こえー、見るのこえー

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「ウィッシュ」の感想。瑕疵ある願いの物語と、それでもそれを語るディズニー。

「ウィッシュ」の感想。瑕疵ある願いの物語と、それでもそれを語るディズニー。

どうせ2ヶ月もすればdisney+で見れる。そう分かってはいるんだけど、100周年記念作品って特別感があるし、主題歌がめちゃめちゃ良かったので我慢できなかった。

休日に映画館に行くのは久々だった。空いてるのも良いけど、混んでるのも映画館のポテンシャルをフルで体感できて良い。特にこういう家族向け映画は。
ほぼ満席で、ほぼ子供を連れた家族客で、ディズニーすげ〜ってなった。

願いの物語に欠けているも

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「ロスト・フライト」の感想

町中華に行って、ラーメン定食を頼んで、それが出てきて、それを食べて、いつも通り美味しいなって思った。
ジェラルドバトラーはいつも通り頼れるリーダーをやっていた。

内容を一文にまとめると、「ヤバい島から脱出する話」だった。
島のヤバさには任意の要素を代入すればよくて(怪物とかゾンビとか)、今回はそこに反政府組織が代入されていた。

ハッピーエンドで終わったんだけど、「ラッカは静かに虐殺されている」

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グチャグチャで面白い!「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」の感想。

グチャグチャで面白い!「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」の感想。

めちゃくちゃ面白かった!!

見たことない映像ザカザカしたラフな線で描かれたコンセプトアートをそのまま動かしてるみたいな映像がマジで良すぎる。
特に薄暗い中での光の演出が最高に映えていた。
人目につかない場所で生きるミュータント達の映画において、薄暗い場所を魅力的に描けているのはめちゃめちゃデカい。
わちゃわちゃ無法図に喋りまくり動きまくる4人とラフな線画も噛み合っているし、表現がそのままテーマ性

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実写版『リトル・マーメイド』は何を間違え何が足りなかったのか。

実写版『リトル・マーメイド』は何を間違え何が足りなかったのか。

アリエルの人種問題で肯定派否定派が色々と揉めていた本作だけど、個人的にその辺はマジでどうでもよくて、今回の感想でも一切触れるつもりはない。
それよりも物語自体に欠陥があると感じたので、それについて書いていこうと思う。

まず良かった部分。オリジナルのアニメ版は見たことない。
劇場に見に行った友人が「めっちゃ良かった」と言っていたので、ディズニープラスで見た。

歌がめっちゃ良かった!パートオブユア

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原点にして頂点の「おかえりパターン」。『ブレイブ・ストーリー』の感想。

原点にして頂点の「おかえりパターン」。『ブレイブ・ストーリー』の感想。

小さい頃映画館で見て以来、多分今回が2度目だと思う。もしかしたら3度目かも。
改めて見たらかなり薄味で「こんなもんだっけ?」という感想を持ちもしたけど、それでも懐かしくて楽しく見ていられた。

「おかえりパターン」それになんといってもこの映画には「おかえりパターン」がある。
おかえりパターンとは、物語の終盤に発生する、主人公が影の自分を受け入れ、合一を果たす展開のことだ。

おかえりパターンの例

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『聖なるGOAL!』の感想。修道士×フットボール!

『聖なるGOAL!』の感想。修道士×フットボール!

修道院の存続のため、サッカー未経験の修練士達が聖職者のサッカー大会「チャンピオン・クレルム」での優勝を目指す話だ。

最近サッカーにもキリスト教にも興味を持っている。
そしてこれは興味のある2つを合体させた、嘘みたいにおあつらえ向きの映画。見るっきゃない。

感想さて見た感想を言うと、スポーツ映画としてはかなり微妙だった。
それは彼らが勝つ理屈が描かれないからだ。
メンバーの特訓や上達の過程が言い

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『バービー』の感想。2つのフィクションと1つの現実。

『バービー』の感想。2つのフィクションと1つの現実。

よく出来てて面白かった!

バービーランド/現実、だけじゃない!一見するとこの映画は女の支配するバービーランドと男の支配する現実世界を対比させているように見えるけど、実際にはそういう構造にはなっていない。

現実世界というには、セントラルシティの様子はあまりにも戯画化されすぎていた。
・バービーを不躾な目で見る見る街の男たち
・男の役員しかいないマテル社の会議室
・ケンが目撃し感化される「強い」男

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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の感想!マリオが人間になった!!

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の感想!マリオが人間になった!!

面白かった!なにより、全編通して映像的な快感で満たされていて、イルミネーションの本領が遺憾なく発揮されていた。

映像面以外での本作の1番の功績は、マリオをアイコンじゃなくて人物として描き直した点。なにより、マリオとルイージに家族を用意したのがデカい。マンハッタンに住むイタリア移民としてのマリオは新しく、しかし納得感もあってかなり良かった。
彼は家族(ルイージ)を大事にしていて、そして未だ何者でも

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『屋根裏のアーネスト』の感想。少年少女+幽霊のロードムービー。

『屋根裏のアーネスト』の感想。少年少女+幽霊のロードムービー。

デビッドハーバーがサンタをやってる映画に続いて、今度はデビッドハーバーが幽霊をやってる映画を見た。

↓サンタの方

最終盤が残念だったけど、それ以外はめっちゃ面白かった。
ハッピーデスデイ1,2といい、ザ・スイッチといい、今んところランドン監督の映画は全部面白い。

『バイオレントナイト』でのサンタのデビッドハーバーも良かったけど、本作の幽霊のデビッドハーバーもこれまた良かった。不憫な顔がすごい

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『バイオレント・ナイト』の感想。ジョンウィックシリーズとそのフォロワーとの違い。

『バイオレント・ナイト』の感想。ジョンウィックシリーズとそのフォロワーとの違い。

サンタ姿のデヴィッドハーバーが観れる=最高の映画!
それ以外の良さは無い!!

感想面白くは無い。可愛くはある。

見ている間ずっと
「つまんねー映画だなー」と、「いやでも、デヴィッドハーバーがサンタなんだぞ?最高だろ?」
という感想が競り合っていて、最終的には「つまんねー映画だなー」が勝った。

結局のところこれは、劣化ジョン・ウィック(#1)である『Mr.ノーバディ』(#2)を作ったスタジオ「

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『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の感想。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の感想。

1番の感想。完っっっっ全にリック&モーティで笑った。じゃあこっから始まるフェーズ5と続くフェーズ6を通して、アベンジャーズはリックと戦っていくのか。

最初からリックアンドモーティだと思っていたわけじゃないけど、見終わった後、脚本家がリックアンドモーティの人だと知った瞬間に一気にパズルが組み上がって快感だった。
そうそうそう、蛍光色でベトベトでなんか陽気なエイリアン達が闊歩する宇宙に、マルチバース

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