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『無料塾の挑戦』

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4月に発売予定の書籍『無料塾の挑戦~子どもたちに学びの場を』を無料公開しています!平日に少しずつアップしていきます。
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2019年1月の記事一覧

無料塾が人をつくる|第3章-2|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第3章-2|皐月秀起

大学生協でのアルバイト2012年の秋に、関学大の大学生協さんを訪問しました。私の管理物件の一つに、関学生さんが住んでいる「アザレア43」という学生マンションがあり、下宿を探しておられる新入生さんを大学生協の住宅部さんに毎年紹介してもらっていました。年末くらいからお部屋探しがスタートするというので、「アザレア43を今年もよろしくお願いします」という挨拶も兼ねて伺ったところ、「それはそうと、下宿探しの

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無料塾が人をつくる|第3章-1|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第3章-1|皐月秀起

【第3章:助走~学生の成長のために~】すべて任せてくれた父

2012年4月に、実家のある兵庫県宝塚市に11年ぶりに戻ってきました。私の父が賃貸マンションの管理・運営(いわゆる大家さん)をしており、サラリーマン時代も折を見て話を聞いたりしてはいましたが、本格的に手伝うことになりました。実際に物件の現況や管理・運営、財務スキームなどのレクチャーを受けたのですが、父が「好きにやっていい」と言うんです。

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無料塾が人をつくる|コラム③④|皐月秀起

無料塾が人をつくる|コラム③④|皐月秀起

「講師の声」宝塚つばめ学習会で講師ボランティアをしてくださっている「つばメンバー」さんの声を集めました。

質問
1.つばめを始めたのはいつですか? きっかけ、理由なども教えてください。
2.つばめで何を教えていますか? どんな様子ですか?
3.つばめを始める前と後で、あなたに変化はありましたか?
4.あなたにとってつばめ学習会とは?
5.ボランティア講師に興味がある方に一言
6.自由に書いてくだ

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無料塾が人をつくる|第2章-8|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第2章-8|皐月秀起

「もう終わった...」、インドネシアでの苦悩伸びゆく新興国で自分も一緒に成長したいと思っていましたが、現実はとても厳しいものでした。

まずは仕事面、これが全くの力不足でした。それまでの日本での仕事は、ある意味「売ることだけ」を考えていていい環境でした。それが、日本側(買う側)とインドネシア(売る側)の間に立って仕事をしないといけなくなりました。具体的には、少しでも安く買いたい日本と少しでも高く売

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無料塾が人をつくる|第2章-7|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第2章-7|皐月秀起

海外駐在への憧れ住友林業に入社してから3年半経ったときに、部署異動がありました。それまでは全くの国内営業でしたが、今度の部署は国内製造品だけでなく輸入品を取り扱っている部署で、隣の部署ではありましたが仕事の景色ががらりと変わりました。入社前は「チャンスがあれば海外で働きたい」と思っていましたが、入社してからしばらくはそれを強く思わず、目の前の仕事に集中していました。プライベートのサッカーコーチが充

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無料塾が人をつくる|第2章-6|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第2章-6|皐月秀起

あえて二兎を追う結果が出るのには少し時間がかかりましたが、それでも夏前には市内にほぼ敵はいなくなりました。勝てるようになってくると、チームに自信が出てきて、保護者さんも喜んで応援に来てくれます。この保護者さんの支援が子どもにとってもチームにとってもものすごく大事です。でも、自分の子どもが出ない試合を観戦するのはつまらないものです。

試合に出るレギュラーを固定すると、「格差」ができます。私はこの「

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無料塾が人をつくる|第2章-5|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第2章-5|皐月秀起

少年サッカーのコーチに大阪営業部勤務中は、宝塚の自宅から通勤していました。週末が休める部署だったのですが、ある週末にサッカーを見に行くことになりました。見に行くといってもサッカー観戦ではありません。例の避難所でサッカーを一緒にした男の子家族と、ボランティアを離れてからもお付き合いがありました。彼の所属していたサッカークラブも震災の影響でしばらく活動を休止していましたが、4月に活動を再開していました

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無料塾が人をつくる|第2章-4|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第2章-4|皐月秀起

阪神・淡路大震災とボランティア4回生になり、就職活動を始めました。今でもその傾向は残っていますが、特に「体育会信仰」が根強く、サッカー部の二つ上の先輩あたりまでは、あっという間に大手企業に決まっていました。しかし、ちょうど私の一つ上の学年から、いわゆる「就職氷河期」に突入し、急に就職が難しくなりました。ご多分に漏れず時間はかかりましたが、「いずれは海外で働ける可能性があり、比較的身近な業界」という

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無料塾が人をつくる|第2章-3|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第2章-3|皐月秀起

全面的に非を認める練習に来なくなってから4~5日経ったあとに、私は2年生に対して頭を下げ、全面的に自分の非を認め、練習に復帰してもらいました。キャプテンという立場を利用して、理不尽な罰走を強要したことを心から反省しました。私がどう思っていようが、私を擁護する人がいなかったという事実に納得するほかありませんでした。

2年生が練習に復帰してすぐの週末に練習試合がありました。久々に全員が揃ってのウォー

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無料塾が人をつくる|第2章-2|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第2章-2|皐月秀起

ゴールキーパーとの出会い中学は、兵庫県西宮市にある中高大一貫校の関西学院中学部に進学しました。今でこそ男女共学で幼稚園から小学校~大学までありますが、私の時代はバリバリの男子校。彩りのない、男臭い学校でしたが、私にはそれが合っていました。部活は野球とサッカーのどちらにするか、悩みに悩んでサッカー部を選びました。

中学1年生の終わりに、サッカー部のコーチに私ともう1人が呼ばれました。何事かと思った

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無料塾が人をつくる|第2章-1|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第2章-1|皐月秀起

【第2章:生い立ち~着想の源泉を探る~】サッカーが生活の中心に

私は1972年(昭和47年)に兵庫県宝塚市で生まれました。小さいときから体を動かすことが好きで、小学3年生のときにサッカー経験者の先生が赴任してこられ、それと同時に小学校にサッカークラブができたので、すぐに入部しました。火・木・土が練習日で、夕方まで校庭で練習し、それ以外の曜日は友だちと近くの神社で野球をしました。サッカーと野球の「

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無料塾が人をつくる|コラム-①②|皐月秀起

無料塾が人をつくる|コラム-①②|皐月秀起

講師の声質問
1.つばめを始めたのはいつですか? きっかけ、理由なども教えてください。
2.つばめで何を教えていますか? どんな様子ですか?
3.つばめを始める前と後で、あなたに変化はありましたか?
4.あなたにとってつばめ学習会とは?
5.ボランティア講師に興味がある方に一言
6.自由に書いてください
※学年は掲載当時

矢儀丈博(やぎたけひろ)さん①
関西学院大学
社会学部3年1. 1年生の秋

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無料塾が人をつくる|第1章-3|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第1章-3|皐月秀起

学歴別に見た賃金学歴による賃金の差もはっきり現れています。若い内に大きな差はありませんが、男女いずれも大学卒・大学院の賃金カーブの傾きが大きくなっており、高校卒、高専・短大卒との差がどんどん開いていきます。特に、女性に比べて男性のほうがその傾向が大きく出ています。

生涯賃金ですが、中学卒の男性と大学卒の男性を比較すると、生涯賃金で約7800万円もの差があり、高校卒と比較しても約5900万円の差が

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無料塾が人をつくる|第1章-2|皐月秀起

無料塾が人をつくる|第1章-2|皐月秀起

絶対的貧困と相対的貧困、どちらがきつい?講師ボランティアの研修会などで学生たちに投げかけてみると、うーんと考えた末、「相対的貧困の方がきつそう」とだいたいの学生が答えます。もちろん答えがあるわけではなく、「どちらもきつい」が正解でしょう。私たちは絶対的貧困の指標である1日200円での生活がどれほど苦しいのかを具体的にイメージするのが難しいので、実際のところ二つの貧困の比較はできません。

ただ、相

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