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サムライ債見参!

現在、欧州の金融機関を主の発行体とする「サムライ債」の起債が盛んです。
欧州と言えば、アメリカ以上のインフレであり、今朝の日経トップ面で報道されたように、ECB(欧州中央銀行)が連続して0.75%の利上げを決めました。
景気後退のリスクがある中での利上げで、物価上昇を抑えようとしています。

その欧州の金融機関が発行体となっているサムライ債とはいったいなんでしょうか。
簡単にいうと、日本に居住していない海外企業などが“日本円建て”で“日本”で発行する社債のことです。

日経新聞によると、サムライ債の発行は急増していて、私募債も含めた今年の1~10月の発行額は9500億円(前年同期4900億円の約2倍)。

『背景には米社債市場の混乱がある。』
FRBによる度重なる利上げで金融市場が動揺しました。

『利回りの急上昇(債券価格の急落)を受け投資家の買いが鈍り、発行額も調達金利の上昇で負担が増す。』
というのが説明にありました。

『普段ドルやユーロ建てで債券を発行する海外企業の目には日本市場が一定程度安定して映る』
という専門家のコメントも紹介されています。

このサムライ債を積極的に買っているのは、国内の生保・損保など。
どの程度の規模かというと、4~9月でサムライ債含む円建て外債を340億円買い越しているとか。
これは前年同期の実に6倍です。

ただ、どの投資であっても言われるように、当然リスクもあります。
どのようなリスクかというと
『サムライ債は海外景気の影響を受けやすく、国内の社債に比べ価格の変動が大きい』
つまりサムライ債は、国内の債券に比べて利率が高く設定されているものの、発行体の財務情報や信用情報が入手しにくく、発行体の国の景気に左右されやすいものです。

『一般に債券の償還までの持ちきりを前提とする投資家は利回りが高ければ投資しやすい』
けれども、国内生保の専門家のコメントにもありますように
『実際に損失が出なくても、含み損が広がれば他の資産への投資行動を鈍らせる』
という状況になり得ることも想定しておかなければなりません。

サムライ債が日本市場の安定ということにどのような影響を与えていくのか、今後の動きに注目です。

『 』内引用:2022年10月28日 日本経済新聞 
21面 マーケット総合 ポジション 
「安定」日本、サムライ債活況 より

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