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雑記コラム

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物理探査に関係が薄い雑多なコラムをまとめました。
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#思い出

つらい思い出ほど忘れられない。

 人生には良いことばかりは起きません。時には悪いことも起きます。しかし、嫌なことがあっても、それはその時かぎり、その場かぎりの出来事です。なので、過去に執着せずに行きましょう、と言われても修業を積んだ禅僧でもない限り、そう簡単には割り切れません。  つらい思い出も、「あの時は、きつかった」と微笑ましく思い出せるものと、思い出しただけで胸がギューと締め付けられるものがあります。場合によっては頭がクラクラしたり、気持ち悪くなることさえあります。この違いはどこから来るのでしょうか

初めての焼き鳥屋

 今朝のラジオで言っていましたが、福岡市は人口当たりの焼き鳥店数が日本有数だそうです。正式な統計は知りませんが、体感的には頷けます。確かに焼き鳥屋さんは、福岡では目につきます。  福岡では焼き鳥屋さんに、戦国武将の名前を付けるのが定番のようです。信長、秀吉、家康の三英傑はもちろんのこと、信玄や謙信、地味なところでは信秀(信長の六男)という店まであります。ところで、福岡の焼き鳥はヤキトリと言いながらトリではありません。鳥(鶏)もメニューにありますが、好んで食べられるのはやっぱ

卒業論文の思い出

 大学では、文系の学部では卒業論文(卒論)が必須ではないところもありますが、理系の学部では卒論は必須です。卒論を書くためには、卒業研究が必要です。研究分野によってその研究内容は異なりますが、多くは実験やシミュレーションなどを実施して、新たな知見を求めます。実験と一口に言っても、その種類は様々で、生物・化学・物理などを基礎とした実験を実施します。  私の卒業研究は、電気探査データの解析精度に関する研究だったので、当時まだ一般的ではなかった大型コンピュータを使って、データ解析の

火山は活きている! 阿蘇山が噴火

 阿蘇山は、日本の九州中央部・熊本県阿蘇地方に位置する火山です。阿蘇山は、カルデラを伴う大型の複成火山であり活火山です。2021年10月20日の午前11時43分、熊本県の阿蘇中岳が噴火しました。2016年以来の規模の噴火で、火砕流が発生しました。  阿蘇火山は、カルデラと中央火口丘で構成され、高岳、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳が阿蘇五岳と呼ばれています。最高点は、高岳の標高1592mで、カルデラは南北25km、東西18kmにも及びます。北側の阿蘇谷方面から阿蘇五岳を見た姿

勝手に応援します 『護られなかった者たちへ』

 映画『護られなかった者たちへ』は、現在公開中の映画です。原作は中山七里さんで、私の好きな作家です。私はピアニスト・岬洋介が主人公の音楽絡みのミステリーシリーズや、サイコミステリーの『連続殺人鬼カエル男』を読んだことがあります。  『護られなかった者たちへ』は、中山七里の長編推理小説で、河北新報などに連載された新聞小説です。私は読んでないのですが、東日本大震災後の復興が進む仙台で発生した連続殺人事件を巡り、日本の生活保護制度の欠陥に迫る社会派ミステリーとのことです。  こ

「じゃらん」と「コッペパン」

 大学の授業の内容はほとんど覚えていませんが、面白かった雑談はよく覚えています。そのなかでも、私にとって特に面白かった”じゃらん”の話を書きます。『じゃらん』は、日本で刊行されている旅行専門雑誌で、リクルートライフスタイルが発行しています。じゃらんは、道を意味するインドネシア語の”jalan”から来ています。雑誌の『じゃらん』は1990年発行ですが、そのずっと以前から私は”じゃらん”の意味は知っていました。   インドネシアに海外赴任したことがある非常勤講師の先生の雑談で

『トルコライス』と『オーロラ鯨』

 トルコライスもオーロラ鯨も、私が学生の時に食べていた、どちらも九大生協の食堂のメニューでした。  トルコライスは長崎のご当地グルメで、ピラフ、パスタ、とんかつをワンプレートに盛り合わせた料理です。 トルコライスは、国名のトルコとは全く関係がありません。諸説ありますが、トリコロール(三色の)ライスが訛ってトルコライスになったという説もあります。  本場の長崎では、トルコライスはカレー味のピラフとナポリタンのパスタを並べて盛り付け、その上にとんかつを置いて、デミグラスソース

定番の夕食メニュー 冷めたトンカツ

 トンカツは揚げたての熱々が美味しいのは当たり前ですが、今回は冷めたトンカツの話です。  ”冷めた”と聞けば、米有力紙に「冷めたピザほどの魅力しかない」と揶揄された”平成オジサン”こと、小渕元首相を思い出した人もいるかもしれません。小渕恵三元首相はユーモアのある人で、官邸の外で待っている記者たちに、温かいピザを差し入れしたこともあったそうです。しかし今回の話は、ピザではなくトンカツの話です。  現在は春(5月)に行なわれますが、昔は秋(10-11月)に九重に行って、懇親会

"かしわおにぎり"の思い出

 ”かしわおにぎり”とは、鶏の炊き込み御飯をおにぎり状にした物です。九州のうどん屋さんでは、白いおにぎりやいなり寿司とともに、この”かしわおにぎり”は、たいていの店に置かれています。また、うどん屋さん以外でも、コンビニなどにもかしわおにぎりは普通に置かれています。かしわとは、茶色の羽の地鶏を褐色羽(かしわ)と呼んでいたので、鶏全般を指すようになったそうです。九州だと、お肉屋さんでも鶏肉の事を”かしわ”と書いてある所があります。  かしわおにぎりには、今でも時々思い出すエピソ

金星の土地 1200坪持ってます!!

 研究室の卒業生の結婚式に招かれて出席した際に、金星の1エーカーの土地をプレゼントされました。私の土地は、金星の北緯10-11度、西経0-1度の付近にあります。1エーカーはイギリスとアメリカでは僅かに違いますが、たぶんアメリカの会社のライセンスなので、約 4046.872 平方メートルとなります。一坪を3.3平方メートルとすると、約1,226坪なので結構な広さです。  エーカー(acre)という単位は、ギリシャ語で牛の軛(くびき)を意味する言葉に由来していて、「雄牛2頭引き

インディアンダンス

 ”インディアン”は差別的な響きがあるとして、”ネイティブ・アメリカン”(元々いた地元のアメリカ人)と言い換えられていて、お年寄りの日本人が想像する”インディアン”に対して、この言葉が使われることは殆どありません。”インディアン”の呼称は、コロンブスが新大陸をインドだと勘違いしたことに由来しています。コロンブスに責任は無いとはいえ、罪作りですね。これと同じことですが、オーストラリアの”アボリジニ”も、最近では”アボリジナル・オーストラリアン”に統一されつつあります。  ”

金田一春彦先生の思い出

 金田一 春彦(きんだいち はるひこ)先生は、日本の言語学者・国語学者で、国語辞典などの編纂、日本語の方言におけるアクセント研究で知られています。先生はテレビでの露出も多く、その昔、タモリさんの『笑っていいとも!』にレギュラー出演していたので、ある年代以上なら覚えている人も多いかもしれません。今なら息子さんの金田一秀穂さんの方がお茶の間での馴染みが深いので、金田一秀穂先生のお父さんと言った方が若い人にはわかりやすいかもしれません。  20年以上前になりますが、羽田空港で金田

倉田令二朗先生の思い出

 私が工学部の学生だった頃、不思議な数学の先生がいました。それが倉田令二朗先生でした。(注:画像は本人とは関係ありません)  倉田先生の講義は出席を取らないのと、単位が取りやすい(?)ことから、出席する人が少なく、私を含めていつも3-4人の出席者でした。当時は110分授業でしたが、倉田先生は必ず遅刻します。そして、10-20分早く授業を終わります。時にはいつまで待っても来ない時もありました。当時は確か、20分以上先生が来なかったら休講になるという暗黙のルールがありました。私

学術書を書き終えて

 ”人生を変えた一冊”というと、たぶん多くの人が、これまで”読んだ本”の中で、どの本が一番感銘を受けたのかに思いを巡らすでしょう。しかし、私は”書いた本”の視点から、人生を変えた一冊を語ろうと思います。おそらく、多くの人にとっては”本を書く”経験はあまりないだろうと想像します。  拙著『はじめの一歩 物理探査学入門』は、私の専門分野である物理探査学の入門編として、2年前に出版しました。この本の”あとがき”にも書いていますが、本を執筆する前の準備期間が2年ほどありました。実際