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勝手に応援します 『護られなかった者たちへ』

 映画『護られなかった者たちへ』は、現在公開中の映画です。原作は中山七里さんで、私の好きな作家です。私はピアニスト・岬洋介が主人公の音楽絡みのミステリーシリーズや、サイコミステリーの『連続殺人鬼カエル男』を読んだことがあります。

 『護られなかった者たちへ』は、中山七里の長編推理小説で、河北新報などに連載された新聞小説です。私は読んでないのですが、東日本大震災後の復興が進む仙台で発生した連続殺人事件を巡り、日本の生活保護制度の欠陥に迫る社会派ミステリーとのことです。

 この映画はまだ見ていないのですが、原作者が中山七里さんなので、きっと面白いと思います。また、主演の佐藤健さんや阿部寛さんなど、出演者も豪華メンバーなので、面白くないはずがありません。さらに、この映画を応援する個人的な理由があります。それは、この映画監督の瀬々敬久さんが高校の同級生だからです。

 瀬々監督は、この映画以外にも多くの作品の監督をしています。『感染列島』は、日本において新型ウイルスの感染が蔓延した場合、どのような事態となるかが描かれていて、現在の日本(世界)を予測したかのような映画です。瀬々監督は、いまや押しも押されぬ名監督です。

 しかし、信じてもらえないかもしれませんが、私が監督で、瀬々監督が助監督をして演出した推理ドラマがあります。それは、高校2年の時に「卒業生を送る会」でやったクラスの出し物でした。クラスでどんな出し物をやるかを決める会議をしたのですが、同級生は皆さん大人しいので、なかなか意見が出ませんでした。結局、悪友にそそのかされて、私が「推理劇をやろう」と言わされました。

 推理劇のストーリーはオリジナルですが、当時流行っていた横溝正史の推理小説の焼き直しみたいなストーリーでした。たしか『赤き花の魔酔』(?)だったと思います。なにせ40年以上前の話ですから、記憶が定かではありません。私が言い出しっぺだったので、監督に決まったのですが、監督なんてやったことがありません。そこで、当時から8ミリフィルムで自主製作映画を作っていた瀬々君に助監督になってもらいました。結局、私は単なる賑やかしで、監督らしいことは全くできませんでした。でも、瀬々君は素人の同級生をうまく演出して、何とか見られる推理劇に仕上げてくれました。この頃から、瀬々君は才能に溢れていました。

 私はこのエピソードを覚えていますが、たぶん瀬々君は覚えていないと思います。私も瀬々君と親しいわけでもなく、高校時代はあまり会話をしたこともありませんでした。しかし、瀬々君の映画が公開されるたびに、「頑張れー」と、福岡からエールを送っています。

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