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【葬送歌】君を思い、遠い空へ影送り【オリジナル曲】


『蒼穹のフュネラル』


君が描いてた未来とは きっと程遠い毎日だ
だけど時は戻せないから 僕は前だけを見ていよう

繋いだ指が解けてから 絆の強さが解ったんだ
こんなにも君の思い出が 街中に点在してる

君の名前を呼ぶだけで 胸に刺さる棘がある
心に落とした影を この目に焼き付けて

突き抜ける青空に 今僕を送るよ
いつまでも変わらない想いを乗せて
降り注ぐ青空は今、色を失くした
清らかな雨一つ 僕の頬で弾けた

繋いだ指が解けてから 絆の強さが解ったんだ
こんなにも君の思い出が 街中に点在してる


雲ひとつない今日の空は あの日と同じ快晴で
遠すぎる果てない青に 少し――

悲しみを抱きよせて 出会えた喜びを
突き抜ける青空に「届きますように…」
叶うなら…もう一度 笑い合いたいけど
この詩は葬穹と 泣いてないで凪いで

もし君が悲しむなら 俯くのはやめて
この空を見上げるよ
笑顔を華と献げる


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作詞・作曲・作画:hide_ache
歌唱:白雪舞羽
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3月16日。君は空へ旅立った

10年前の昨日。友人はこの世を去りました。
急性の心臓発作で、前日に緊急搬送されたという連絡が入り
駆けつけたときには既にベッドに横たわりピクリとも動かない状態で
心臓は動いてるけど目も開かない、いわゆる植物状態と呼ばれる容態。

特にこれといった持病等もきいていなかったので完全に寝耳に水、
なんならつい一週間前に一緒に飲んでいて
「またな」なんて軽く次会う約束をしていたくらいでした。
「今度開けようよw」なんて黒霧島を一瓶買ってきておいて。


実は彼はもともとは私の親友の友人。
たまたま同じタイミングで親友の部屋にお邪魔したタイミングで先客がおり
そこで仲良くなり一緒にカフェやカラオケ、演劇観賞と
おおよそ友人と過ごす上で考えうる行動範囲は抑えていたと思います。

そして、ということは、私より親友のほうが負った心の傷は深いわけです。
もともと同じ職場で出会った彼らは、当時既にお互い転職してましたが
それでもこうして職が変わっても関係が続くほど仲のいい様子。
私よりも断然濃密な時間を共に過ごしてきたのです。

付き合いの浅い私とは比べ物にはならない苦しみを、
きっと親友は抱いていたことでしょう。

一緒に面会へ行き、
体中配線をのばす生命維持装置に繋がれた姿を前に呆然とし、
何度も名前を呼んでも応えない君。

帰ってきた部屋で座り込み動かない親友。
その姿を見てるのが辛かった……

さすがに見かねて彼の職場へ赴き、
「今日はあいつを休ませてあげてください」と
独断で休日願いを届けてやるのが精一杯でした。


その日は痛いくらいに陽光が突き刺さる快晴。
まるで陽気だった君の笑顔によく似たピーカン。
思わず流れた涙を拭うような暖かい日差しが頬を撫でます。

毎年この日は快晴を迎えている気がします。
3回忌、7回忌には、親友と君が行きつけだったカフェに
代わりに私を相方にそこへ食事へ行きました。

そこへ向かう道すがら、彼らの思い出を私は垣間聴くのです。
それが切なく、そして輝かしい思い出。それが点在する街。

いつか君が語った夢は眩しくて、
つられて私も結構大それた夢を掲げてみたりはしたけれど
さすがにそれとは程遠い毎日を過ごしています。
君は芸能に明るかったから、
前職の話は君に一番聞いてほしかったな
結果は笑えないけど、でも結局楽しい世界ではあったよ。笑

悲しみは忘れないけど、それでも私や親友は今を過ごしています。
君の分まで幸せに生きる、それが生涯かけて君に誓いたい言葉。

せめて1/365日だけは、君を思わせてくれ。

それを宣戦するためにも作ったのが、この歌です。


楽曲解説

真っ先にショパンの『葬送行進曲』のコードを調べ、
まずキーは変ロ短調に決定
最後の方でもっともポピュラーであるホ長調に転調することを念頭に
全体像を組み立てました。

歌唱者が意図してかせずか、
まさに転調した直後でのみ声をぶらし震わす歌入れをしてきて号泣。
(「もし君が悲しなら」の部分)

汲み取ってくれたにしてもそうじゃないにしても
理想以上の表現をしてくれて、
ずっとその感動を本人に定期的に伝えてしまっています。笑

細かい話をすると、間奏で3度だけを半音上げており
その部分だけ変ロ長調にしているのは
回想が楽しい思い出しかなかったため。

歌メロ部分は短調で悲しい音色だけど、間奏が長調なのです。
あとは転調後はホ長調のままエンディングへ。
あくまでポジティブな曲として終えています。


尚、バラードが好きじゃないのでこの曲調で、
葬送曲ということでオルガンの音色を使用。
バスドラの位置をまっとうなところに置いておらず
ばたばたと落ち着かない焦燥感にしていたりとも。

あとKαinの『葬』という曲を多大にリスペクトしています。
(知ってる人が聴いたら「似てるなぁ」と思ってくれたら成功です)


歌詞はいつもの言葉遊びは封印。
書きたいことだけをストレートに表しています。

影送り、って知ってますでしょうか。
地面に写った影を数十秒じっと見つめたあと
空を見るとその影が空に映って見えるのです。
目の錯覚みたいなものですね。
晴れてる日ほど鮮明に影送りが出来ます。

それが「今僕を送るよ」の意味です。

他はとくにこれといった比喩もしてないので
読んだまま解釈していただけますでしょうか。

あとは友人の名字が歌詞に隠れてるだけですかね。笑


Afterword

この曲を最後に自作のオリジナル曲は作成しておりません。
歌詞は相変わらず書いてるんですけどね。
作曲は所詮付け焼き刃で、そんなにぽんぽんこなせるわけではないです。
苦笑

まぁこのあと就職したからってのがでかいですが。
今は時間が出来たので
精神安定の意味も込めて再挑戦したい気概ではあります。


さて、次回の更新は3/19……と言いたいところですが
ちょっとこの3日間仕事が立て込んでるので
3/21(月)の更新となります。
それまでできればこの曲を聴いて感想とかくれたら嬉しいです。

よしなに。


最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!