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「ほや酔明」がおにぎりに 石巻・水月堂物産が共同開発 仙台駅構内で販売スタート

 県内産のホヤとひとめぼれを使った「ほや酔明おにぎり」の販売が1日、仙台駅構内のコンビニエンスストア「ニューデイズ」で始まった。1個200円。水産加工の水月堂物産(株)=石巻市流留=、(株)JR東日本クロスステーション仙台支店、炊飯商品を展開するボン・リー(株)=利府町菅谷=が共同開発した。地域の魅力を凝縮した新商品として「食材王国みやぎ」を全国に広げる期待も込めており、コメとホヤを一緒に炊き上げ、うま味が重なる味わいが特長となっている。

食感とうま味に〝ホヤわせ〟

 水月堂物産は昭和57年に東北新幹線が開通した際、東北の名産物として県内産ホヤを使った乾燥珍味「ほや酔明」を開発。車内販売を始め、40年経った今も愛され続けており、現在は量販店などでも広く取り扱っている。

 しかし、東日本大震災後は風評被害による韓国への輸出停止、そこにコロナ禍の飲食店と観光需要の激減が拍車をかけ、ホヤの消費量は低下。「ほや酔明」も影響を受け、売り上げは震災前と比べて半分以下に落ち込んだ。

しょうゆベースでホヤとともに炊き込んだ「ほや酔明おにぎり」

 そこで同社では、ホヤを使った新しい商品開発で販路と消費拡大を模索。手に取りやすい総菜に着目し、取引のある同仙台支店に相談し、ボン・リーと共同でおにぎりの開発を行った。

 県内産のホヤ、ひとめぼれと一緒に「ほや酔明」を加え、しょうゆベースのだしで味付け。炊き込み飯を丸く成形したおにぎりは、ホヤの香りとうま味がバランスよく口の中に広がる。

ほやドルの萌江さんがおにぎりの魅力を伝えた

 11月30日にボン・リー本社で報道向けの発表会があり、水月堂の阿部壮達常務は「コンビニという手に取りやすい場所に商品が並ぶため、大いに期待したい。ホヤの消費や販路が広がれば生産者の後押しにもなる」と話した。ボン・リーの早坂厚範営業本部長も「苦手な人でも楽しめるよう、何度も試行錯誤して作り上げた」と自信を見せた。

 発表会には〝ほやドル〟として活躍する萌江さんも参加し、早速おにぎりを試食。「ご飯のおいしさとホヤの食感、うまみが凝縮されている。飽きのこない味で『ホヤわせ』な気分になります」と魅力をアピールした。

 現在は仙台駅構内で1日300個の販売となるが、売れ行きが好調であれば、さらに販路を拡大していくという。【渡邊裕紀】





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