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「ほやたまご」が農林水産大臣賞 女川・マルキチ阿部商店 家庭料理をガチャ販売

 ホヤでゆでたまごを包み、甘辛く煮た女川町の家庭料理「ほやたまご」を、ガチャ(カプセルトイ)で販売する同町宮ケ崎の㈲マルキチ阿部商店(阿部淳社長)が「第32回全国水産加工品総合品質審査会」で、最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。初参加、初受賞であり、ガチャ販売という斬新な発想のみならず品質でも高い評価を得た。

 同店は、つくだ煮などを作ってきた技術を生かし、平成25年からほやたまごを商品化した。2個1セット(600円)の商品は徐々に売れ行きを伸ばしたが、客から「1個のみの販売はないか」との声も多く、新しい販売方法を模索。阿部社長が丸い形状に目を付け、「ガチャに入れたら面白いのでは」と思いついたのが転機となった。

 ホヤを入れるプラスチックケースは洋菓子用に作られた丸型を見つけ、ガチャ販売機は中古品を購入。これまで冷蔵保存していた商品も、常温保存が可能となるよう加工方法を工夫し、3カ月間保存できるようにした。

 今春から仙台駅構内の弁当店に置き、1個400円で販売すると珍しさからたちまちSNSで話題が拡散。現在は女川町の店舗以外にも、いしのまき元気いちば、あいのやなど石巻地方の多くの店舗に置かれ、1カ月で計1千個ほど売れるという。

農林水産大臣賞に輝いた「ほやたまご」。ガチャで販売というユニークさが売り

 そんな中、初めて出品した全国水産加工品総合品質審査会での最高賞受賞に、阿部社長は「思わず驚いた。全国の水産物からほやたまごが選ばれたことはとてもうれしく、光栄です」と喜びをにじませる。「時代とうまくかみ合った商品展開が評価されたのでは」とも語っていた。

 同店では駄菓子から着想を得た「元祖酢漬けほや」など新商品開発に積極的。阿部社長も「地元食材を使った商品を開発し、それが女川町への交流人口の増加につながればうれしい」と思いを込めていた。【渡邊裕紀】


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