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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ… もっと読む
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2021年8月の記事一覧

東京メトロ全線で移住PR 東松島市あすから1カ月間 渋谷大型ビジョンでも動画

 東松島市は、人口減少対策の一環で首都圏からの移住・定住を促す取り組みとして9月から東京メトロ(地下鉄)の全車両にPR広告を掲示し、渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンではオリジナル動画を流す。期間は1カ月間。同市が首都圏の交通機関に広告を掲載するのは初めて。コロナ禍で地方への移住希望者が増えている状況を踏まえ、選択される自治体を目指してまずは認知度を高めていく。  人口減少社会での生き残りをかけ、市では移住定住促進計画を策定し、若者や子育て世代、ニューシニア(50代)に向

「未耕作農地の活用」 ①現状 耕作条件悪く再利用に難

 高齢化や人口減少に伴い、全国的に空き家が増え、放置に伴う危険家屋化が懸念されると社会的に注目を集めている。同様に、一次産業においても作り手の高齢化が進む。体力、維持管理費といった採算性など資金面の問題から耕作を持て余す田んぼや畑が増加。同業者の引き受け手を求めるも、同様の状況にある生産者が多く、他の利用者を上手くマッチングできない状況に。放置が進むと荒廃し、農地としての再生が困難となる。  こうして将来的に耕作の見通しが立たず手が加えられなくなった農地は「遊休農地」と呼ば

2度目宣言後初の週末 人出まばらも慣れ傾向 飲食店悲鳴「経営かなり厳しい」

 新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言の対象地域に追加された宮城県は28―29日、初の週末を迎えた。石巻地方の人出はまばらだったが、昨年4月の宣言時よりは多く、「自粛疲れ」「宣言慣れ」の様相も見られた。一向にコロナ収束の気配が見えない中で飲食店を使う客足も鈍く、店主からは先行きの不安や苦悩の声が聞かれた。  県内では全飲食店に午後8時までの時短要請が出され、酒類提供も終日停止。石巻市末広町で中華料理店「雲雀」を営む韓輝さん(55)は「経営はかなり厳しい。従業員を休ませ、

着水式で運用開始祝う 石巻市南浜マリーナ 河口部に陸上保管施設

 石巻市が旧北上川河口部に整備した「市南浜マリーナ」は30日、運用を開始した。関係者による開港式典が催され、小型船舶の着水式や記念のクルージングが行われた。小型船舶などを陸上保管する市内初の専用施設。県内でも初の公共マリーナとなり、無秩序な係留への対策やマリンレジャーへの利活用で交流人口の拡大につなげていく。  同マリーナは、旧北上川右岸側の旧市立病院跡地などの市有地を活用し、平成28年から工事が始まった。敷地面積は約1万8千平方メートルで、25トンまで上げ下ろしが可能な船

金メダル効果 スケボー人気上昇 石巻・民間パークや 教室に注目 協会「気軽な公設の場切望」

 東京五輪で採用された新競技、スケートボード(スケボー)。さまざまな構造物を使って技(トリック)を繰り出し、得点を競うスポーツだ。ストリート競技では男女とも日本人が初代王者に輝くなど国内でスケボーが盛り上がりを見せている。石巻地方にも多くの愛好者がおり、女川町では公設のスケートパークがあるほど。広域で見ればまだまだ気軽にスケボーを楽しめる場所は少ないが、五輪が追い風となってパーク整備も進みそうだ。 幅広い愛好者 石巻市成田にある民営の「イイノカワスケートパーク」は昨年8月に

「やってみないと分からない」 宣言前夜も 客足まばら 酒なし営業か、休業か店主ため息

 新型コロナウイルスの感染拡大で宮城県も緊急事態宣言の対象地域に追加され、27日から石巻市内の飲食店などで酒の提供が全面停止された。宣言前夜の26日は駆け込み需要も見込まれたが、客足はまばら。酒抜きで営業を続ける店、当面休業する店など対応はまちまちだ。  同市立町の焼鳥居酒屋「備長扇屋」では、午後6時すぎ、座敷に2組とカウンター席には男性が1人。テーブル席はガラガラで、人気店のにぎわいは見られなかった。  店長の佐藤悠樹さんによると、焼き鳥のテークアウトは需要があるため、

南浜マリーナ 30日開港 震災教訓で船舶陸上保管 広がる市街地の安心安全

 石巻市が旧北上川河口で整備を進めてきた南浜マリーナは、30日に関係者による開港式を行い、全面供用を始める。主にプレジャーボートなどの小型船舶を保管する市内初の専用施設で、県内でも唯一の公共マリーナ。津波・高潮の防災や無秩序な係留対策だけでなく、指定管理者による各種イベントを催すことで交流人口の拡大にも役立てていく。  マリーナは旧北上川の右岸側、石巻南浜津波復興祈念公園に隣接。取得した被災後の民有地や旧市立病院跡地などの市有地を使い、第1期として敷地面積約1万8千平方メー

宮城県に緊急事態宣言 全域で酒提供終日停止 休業要請などあすから強化

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、政府は25日、緊急事態宣言の対象地域に宮城を含む8道県を新たに追加することを決めた。期間は27日-9月12日までの17日間。宮城への宣言発令は、全国が対象となった昨年4月以来2回目。県は26日午前に対策会議を開き、要請内容を決めた。酒類・カラオケ設備を提供する県内全飲食店への休業要請のほか、大規模商業施設の営業時間を午後8時までとする時間短縮要請を出し、短期集中で感染者数を抑え込んでいく。  休業要請対象は、スナックや居酒屋など酒類・カラ

東北大会目前 音色磨く 佐藤部長「曲に気持ち乗せ」 万石浦中吹奏楽部

 石巻市立万石浦中学校の吹奏楽部は、9月5日に山形県で開かれる東北吹奏楽コンクールに出場する。全国で新型コロナの感染者が急速に広がる中、コンクールも生演奏か、録画記録かは不透明な状況。それでも部員は最高のメロディーに仕上げることだけに目を向ける。3年生は最後の大会であり、感謝を込めてリズムを刻む。  32校が出場した県吹奏楽コンクール(8月5-8日)中学校小編成の部で最高賞の金賞に輝き、各県2校が出場する東北大会の切符を手にした。今年2月にはアンサンブルで木管八重奏が東北大

感謝胸に新校舎で船出 石巻好文館高校 白亜の殿堂「勉強集中できる」

 老朽化に伴う全面的な大規模改築工事(校舎新築)が進められてきた石巻好文館高校(猪股成彦校長・生徒576人)=石巻市貞山=の新校舎が完成し、夏休み明けの23日から供用開始した。生徒たちは仮設校舎から上履きなどを持ち出し、新校舎に登校。「とてもきれい。一層勉強に励めそう」と新たな環境での学校生活に胸を膨らませていた。  旧校舎は前身の石巻女子高時代に建設され、東校舎は昭和42年、西校舎は同43年にそれぞれ落成。平成18年の共学化に伴い「石巻好文館」と名称を改めた後も校舎は継続

NHK交響楽団 30年ぶり石巻公演 「感無量」トランペット奏者 安藤さん凱旋

 NHK交響楽団の30年ぶりとなる石巻公演が20日、マルホンまきあーとテラス=石巻市開成=で行われた。同市向陽町出身のトランペット奏者、安藤友樹さん(38)が古里に凱旋。海外でも知名度が高い尾高忠明さんが指揮する演奏は、世界レベルの美しさと壮大なスケールが持ち味。4月に開場した施設のオープンを記念した演奏会では、大ホールの響きの良さがいかんなく発揮された。  午後7時すぎ、オーケストラのメンバーがステージに続々入場すると、それだけで大きな拍手が沸いた。クラシックファンには待

夜の校内包む悲鳴と笑い 西小におばけが大集合 親子で夏の思い出作り

 東松島市立矢本西小学校父母教師会(浅野直美会長)は19日、同校校舎を丸ごと使った初の肝試し企画「西小におばけが大集合」を開いた。児童と保護者約250人が参加。子どもたちは4-5人の班で真っ暗な校内に入り、手にした行燈(あんどん)の灯りを頼りに歩いた。PTAや教職員がふんする〝お化け〟に驚きつつも、勇気を絞ってゴールを目指し、楽しい夏の思い出を作っていた。  コロナ禍で学校行事や季節イベントが見送られるなど楽しみが大幅に減った子どもたちに、夏の思い出を届けようと同会が発案。

遊具は海の生き物イメージ マッシュパーク女川開園 復興支援で公園整備

 ファッションやフード事業などを手掛ける(株)マッシュホールディングス=東京都千代田区=が女川町の海岸広場内に整備した遊具区画「マッシュパーク女川」が完成し、19日に贈呈式が開かれた。海の生き物をイメージした彩り豊かな遊具5種類が置かれ、地元の子どもたちが新たな憩いの場で楽しく遊んだ。  同社は、東日本大震災で被災した沿岸部の子どもたちに「最高の笑顔を届けたい」と、平成28年に遊具を寄贈する復興支援プロジェクトを立ち上げた。沿岸自治体で最も被災率が高かった女川町をプロジェク

引き継がれる人道、博愛精神 元高校校長 佐々木さん資料 従軍看護婦の献身

 石巻市北村の自宅に平和資料館を開設している元女川高校校長の佐々木慶一郎さん(74)は、18歳から「物言わぬ昭和の証言者」である戦争の資料や遺品を集めている。約4千点もの品々のうち収集が困難だったのが、復員後の返納が原則だった日本赤十字社の従軍看護婦関係の資料。体験談の資料から、伝染病の感染の危険がある中で献身的に救護する姿を想像し、新型コロナウイルス感染症の治療に当たる現代の看護師に重ねる。  資料館に収蔵しているのは日赤救護看護婦の制服や従軍看護婦用バッグなど、数十年か