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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ…
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記事一覧

石小に爆弾 講堂に大きな穴

石巻市鹿又・田口さん 子どもの目に焼き付く光景  石巻市鹿又の田口正孝さん(86)は、終戦を迎える昭和20年、石巻国民学校(現・石巻小学校)の1年生だった。「講堂に落ちた爆弾が、屋根に大きな穴を開けたんだ」。同年8月10日。中心市街地が空襲にさらされ、米軍の攻撃は子どもたちの学びやにも及んだ。  「幼く細かな記憶はおぼろげだが、目にした光景は鮮明に覚えている」。講堂に爆弾が落ちたその日は、学校から裏町裏(現・立町)にあった自宅に帰る途中だった。  そこで警報を耳にし、と

金港堂石巻店 閉店へ

最終営業は9月16日  石巻市蛇田で平成10年から続く書店「金港堂石巻店」=本社・仙台市青葉区=が閉店することが14日、分かった。最終営業日は9月16日。閉店後は他業種に場所を貸し出すという。2階のテナントでゲームやカード類などを扱う「シーガル石巻店」は通常通り営業している。  石巻市にはかつて大街道と立町に金港堂の店舗があったが、平成10年に2店を合併する形で蛇田に移転。延べ床面積約260平方㍍の店内で、教育図書やコミックを中心に常時10万冊ほどを取り扱っている。  

不死身の航空兵だった父

石巻市中里・片岡さん 手記で伝える記憶  石巻市中里で喫茶店を営む片岡多美子さん(77)の父・伊藤平吾さん(平成3年に71歳で病死)は、かつて日本軍横須賀海軍航空隊に所属。計37回の空中戦で戦果を挙げ〝不死身の航空兵〟として海軍少尉にまで上りつめた。戦後、自身の生い立ちや壮絶な戦争体験を書き残しており、長女の片岡さんがこれを一冊にまとめた。片岡さんは「平和と自由の世に生きる私たちは戦争の教訓を忘れないよう、後世に伝えるのが責務」と語った。  伊藤さんは大正9年、稲井村で生

「はだしのゲン」で伝える戦争

石巻市山下町・菊池英行さん 次世代へつなぐ責任  核兵器や戦争の悲惨さ、平和の尊さを地域に伝え続ける「平和と文化を愛する会」(通称・はだしの会)。10日は「平和のつどい実行委員会」とし、原子爆弾が落とされた広島を、少年の視点を通して描いた劇場用アニメ「はだしのゲン」シリーズの2作品を上映した。  同実行委の代表は石巻市山下町の菊池英行さん(75)。これまで40年にわたって「平和のつどい」を開き、原爆や戦争の教訓を語り継いできた。「新しい世代へ向けて、戦争体験に触れる機会を

過酷の満州引き揚げ体験

東松島市小松・三浦さん 紙芝居で伝承「平和感じて」  戦後79年目の夏を迎えた。戦火の恐怖や悲しみを知る人たちは減り、実体験の語り部も少なくなる。平和の祭典であるオリンピックの裏で軍事侵攻や紛争が続き、平和とはほど遠い状況が続く。「戦争とは何か」「平和とは何か」。日本もやがて実体験者不在の時代が差し迫る。貴重な記憶を「語り継ぐ」ことは今しかできない。(5回続き)  東松島市小松在住で満州引揚経験を紙芝居で伝える三浦亨子さん(86)。昭和13年に桃生郡矢本町立沼に生まれ、ま

石巻グルメ 海外の反応は

仏インターン生が試食 こども記者と食で交流  石巻市を訪れているフランス人インターン生を招き、こども記者とともに食を通じた交流イベント「もっと知りたい私たちの街」が8日、石巻市かわまち交流センターで開かれた。石巻産の菓子や加工品など8品を全員で試食。忖度なしで味を評価し、和食や日本文化の奥深さ、地域の魅力を伝えた。また、インターン生はフランスからの観光客がどの菓子、加工類を好むかも舌で確かめた。  イベントは石巻日日新聞社が主催、食材提供などで一般社団法人石巻観光協会(後

震災で沈下 今は隆起しすぎ

北上川で進む水辺乾燥化  東日本大震災の地震で広域的に沈下した地盤は徐々に元の高さに戻り、北上川河口部ではむしろ発災前より高くなっている場所が出てきている。それによって河川敷が冠水する頻度が低くなり、乾燥化が進む。このまま隆起が続けば、象徴的な水辺のヨシ原が外来植物群落に変化していく恐れもある。  国土地理院が管理する電子基準点のうち、北上川河口に最も近い「河北」の地盤高は、震災で57㌢沈下した。その後すぐに上昇に転じ、今年3月まで70㌢隆起。震災前よりも13㌢高くなって

観光大使 重田さん | 石巻の印象力もアップ

背景パネルで納税PR  印象評論家で、いしのまき観光大使の美有姫(重田みゆき)さんは2日、亜細亜大学の学生と一緒に市役所を訪ね、市のふるさと納税をPRする際に使うバックパネルを披露した。動画配信時の背景にするパネルで、市から年間寄付額20億円超えの期待を託された。  パネルは幅約3㍍で高さ約2・3㍍。石巻市の名と市の観光PRキャラクター「いしぴょんず」、亜細亜大ホスピタリティ・マネジメント学科重田みゆきゼミナールの通称である「MYK」の文字などを規則正しく並べたカラフルな

滝山公園で昆虫観察

夜に探検 発見いっぱい 大人も子どもも熱中  東松島市の滝山公園で7月27日夜、園内を探検し、昆虫を観察するイベントが開かれた。市内小学生と保護者17組39人が参加し赤井出身で東京農業大学の松林尚志教授(52)が案内した。子どもだけでなく、大人も童心に帰ってカブトムシやクワガタムシを探すのに熱中。セミが羽化する様子も見られ、夜の公園での出会いや発見に胸を躍らせた。  イベントは一般社団法人東松島みらいとし機構(引間世枝美代表理事)主催。「東松島いきもの調査隊」と題し、小学

男子バレー日本代表 故藤井さんの夢実現

石巻の小中学生に指導  石巻市雄勝町出身で、男子バレーボール日本代表メンバーとして東京五輪でも活躍し、胃がんにより31歳で逝去した藤井直伸さんが生前、周囲に語っていた「地元にバレーで恩返しがしたい」という夢。この願いを実現しようと母校の古川工高バレー部OBと、所属していたVリーグ東レアローズ静岡が1日、石巻市総合体育館で市内の小中学生対象のバレーボール教室を開いた。東レの選手らが講師を務め、藤井さんの両親も教室を訪ねた。  藤井さんは大須中でバレーを始め、古川工業高、順天

31―9月1日 石巻名画座 「この世界の片隅に」上映

片渕監督らトーク  石巻名画座(本庄雅之代表)の第9回目となる上映会が31日と9月1日の両日、シアターキネマティカ=石巻市中央一丁目=で開かれる。作品は、長編アニメ「この世界の片隅に」(2016年、片渕須直監督)。第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞、第90回キネマ旬報ベスト・テンの第1位に選ばれるなど大ヒットした名作だ。  戦時下に18歳で嫁いだ主人公すず(声・のんさん)が、広島県の呉でさまざまな困難に直面しながらも、けなげに生きる姿が描かれている。

光の大輪 東北最大規模 川開き祭り花火大会

3日間で23万8千人  第101回「石巻川開き祭り」(2―4日)は幕を閉じた。3日間の人出は約23万8千人で、昨年の100回記念より約3万8千人の減少となった。呼び物である花火大会は開北橋下流で開催。尺玉を含む約1万6千発が打ち上げられ、東北最大規模の花火を大勢の人が見上げた。今年は初めて無料観覧席に飲食ブースが設けられ、10店舗全てに長い列ができていた。  花火大会は昨年から震災前と同じ開北橋周辺に移った。今年のテーマを「優雅満開 百花繚乱大花火『きぼう』」とし、無料観

第101回石巻川開き祭り 市民が盛り上げ にぎわい本番

孫兵衛船競漕や陸上行事開幕  第101回石巻川開き祭り(同実行委員会主催)は2日目の3日、石巻市中心部の陸上行事や旧北上川での「孫兵衛船競漕」が始まった。各会場を多くの人が行き交い、夏の日差しの下で市民が元気な演技や競技で熱く盛り上げていた。祭典行事が中心のきのうと打って変わって祭り本番のにぎわいとなり、今夜は午後7時半から東北最大規模の約1万6千発を打ち上げる花火大会がある。  手こぎの孫兵衛船は、石巻大橋から下流550㍍がコース。水の都を象徴する行事で、12人乗り一般

8月2日、流灯や供養花火 川開き祭り開幕

本番のにぎわいあすから  石巻市最大の夏祭り「第101回石巻川開き祭り」(同祭実行委員会主催)は2―4日の3日間にわたり、市中心部で行われる。2日は前夜祭に当たり、午後から各種祭典行事を開催。日没に合わせ東日本大震災犠牲者を供養する灯籠流しなどがある。祭り本番のにぎわいはあすからで、開北橋下流の旧北上川右岸では花火大会の会場設営が進められていた。  祭りは江戸時代に北上川を改修して港を開き、石巻発展の礎を築いた川村孫兵衛翁への報恩感謝が原点。2日は関係者が釜地区にある孫兵