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東北大会目前 音色磨く 佐藤部長「曲に気持ち乗せ」 万石浦中吹奏楽部

 石巻市立万石浦中学校の吹奏楽部は、9月5日に山形県で開かれる東北吹奏楽コンクールに出場する。全国で新型コロナの感染者が急速に広がる中、コンクールも生演奏か、録画記録かは不透明な状況。それでも部員は最高のメロディーに仕上げることだけに目を向ける。3年生は最後の大会であり、感謝を込めてリズムを刻む。

 32校が出場した県吹奏楽コンクール(8月5-8日)中学校小編成の部で最高賞の金賞に輝き、各県2校が出場する東北大会の切符を手にした。今年2月にはアンサンブルで木管八重奏が東北大会に出たが、団体としては初めてという。

万石浦中吹奏楽部 (13)

体育館を使って全体練習に励む部員たち

 安田恵美顧問は「開校した平成6年から活動しているが、資料をさかのぼっても東北大会の記録はない」と話す。小編成は部員25人以下であり、同校は27人だが、昨年11月の調査段階の数(19人)が反映されている。

 練習はコロナ禍での密集を避けるため、各パート単位で教室練習が主。22日は体育館を使うことができ、楽器を運び込んで全体練習に取り組んだ。窓を開け、扇風機を回して換気しながら部員の間隔も広げる。ここは気が抜けない。

note用万石浦中吹奏楽部 (18)

 この日は、県内外の吹奏楽部を指導するブラスアドバイザーの妹尾雅利さん=仙台市=が直接指導した。「上達すれば慣れもでる。練習期間が長いと音が崩れる。県大会で指摘されたメロディーラインと個人の底上げを重視したい」と語った。

 東北大会は自由曲であり、同部は「ちはやふる」を奏でる。「リズムが変わるので難易度の高い曲」と阿部美佳顧問。本来は7分14秒の演奏曲だが、時間既定で6分50秒に収めたという。全体練習ではフルートの宮林咲希さん(3年)が部員をけん引し、修正を加えながら音を磨いた。

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佐藤妃夏部長

 昨年はコロナ禍で発表の場を失った。先輩たちの思いも背負って東北大会に臨む佐藤妃夏部長=トロンボーン=は「他の出場校も気持ちが入っており、状況はどこも同じ。表現力を磨き、曲に気持ちを乗せて私たちの演奏を披露したい」と熱を込める。

 主催の東北吹奏楽連盟は、感染状況を鑑みながら直前まで開催方針を協議する考え。不安は拭えないが、同部の3年生10人は集大成として臨む。上位2校に与えられる東日本大会が最高峰。その頂点に立つのを夢見て一段と練習に力が入っている。【外処健一】


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