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三方よし、な消費を

おはようございます、元町ひばりです。

2022年のわたしとお金」というお題を見かけて、去年ごろから意識し始めた「わたしのお金の使い方」を自分自身のためにも分かりやすく言語化しようと思い立ち、書いています。

タイトルにある通り、最近の「わたしのお金の使い方」のキーワードは、「三方よし」です。

「三方よし」と聞いてピンとくる方も多いかもしれませんが、私がこの言葉を初めて聞いたのは、去年の就活の時でした。

どこかの企業さんが、「私たちのビジネスの在り方の根幹は、三方よしです」とおっしゃっていて、説明を聞いた際に「それって、消費者側にも必要な意識では?」と思ったのを覚えています。

ただ、その時の説明はうろ覚えなので(ごめんさい!)、
ここでは企業理念に「三方よし」を掲げていらっしゃる伊藤忠商事さんのご説明をお借りしたいと思います。

近江商人の経営哲学として広く知られている「三方よし」は、
「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という考え方です。

近江商人と三方よし|伊藤忠商事参照

つまり、売り手と買い手、さらには社会をも幸せにするビジネスを目指そう、ということです。

では、私が思う、消費における三方よしとは何でしょうか。

私は、消費における三方よしは、消費の場において自分(買い手)、作り手(売り手)、地球(世間)を幸せにする選択をすること、と定義します。

売り手をあえて作り手と書いたのは、売っている人=作り手ではないケースが多いからです。
例えば、洋服であれば、海外の工場で作られていて、店頭で販売している人は作る工程に関わっていないということが多いかと思います。
店頭では見えない、本当の「作り手」のことを考えることも重要だと思い、あえて作り手という言葉を使っています。

それでは、消費の場で「三方よし」を実現するために、私が心がけていることを1つずつ紹介していきます。


①自分よし

まず何といっても重要なのは、自分の心です。
お金を使う主体は、いつだって自分自身だからです。

流行やその場でのお得感に流されずに、本当に自分が欲しいと思うもの、心から価値を感じるものを買うと心がけることが、「三方よし」の第一歩だと思います。

今は、フリマアプリやフリマサイトがあるため、モノをあまりにも簡単に手放せてしまう時代だと思います。

フリマが悪いと言いたいのではありません。
誰かに譲る、売る、というのは、「ただ、捨てる」よりはいい面が多いとは思います。

でも、自分が後で要らないと思うものは買わない方が、もっとずっといいと思います。本来、買ったモノは、買った人が、できる限り長く・大切に使うのが、ベストなはずだからです。

そして、長く使うためには、素材や値段、デザイン以上に、自分の心と合っているかが重要になってきます。そのためには、自分の心としっかり対話をしなければなりません。

本当にこれが欲しいのか、
どうしてこれが欲しいのか、
このモノのどこに惹かれるのか、
これを手に入れたら自分は本当に幸せになれるのか……。

何かを買うということは、自分の生活空間に1つモノを増やすことだと思います。そのモノによって、自分の生活空間が、ひいては自分の心が本当に豊かになるのか考えること。それは、お金を使う場面で「自分よし」な選択をするために必要な心がけだと思うのです。

特に私が気をつけようと思うのは、「今なら安い」や「期間限定」などの言葉です。今すぐに買うかどうか心を決めようとすると、自分との対話がしきれなくなる可能性があるからです。

こういった言葉に踊らされないためには、お店に行く前に自分の買うものを決めて、それ以外のものは買わないようにしたり、もし一目惚れしたモノがあったとしたら、いったん買わずに帰って、数か月くらいかけて自分と対話する、と自分と約束するのが一番かと思います。

私はそういった一目惚れしたモノたちを手帳に書いておいて、定期的に見直すのですが、数か月も経つと、「別にそんなに要らないかな……」という気持ちになることもあります。

そんな風に自分の心が変化するのを見ていると、時間をかけて考えるというのは、「自分よし」な消費のために必要なプロセスだと思わずにはいられません。


②作り手よし

「作り手よし」な消費というのは、心がけてはいるものの、未だに難しいと私は感じています。なぜなら、定義の際に述べたように、作り手の顔は見えないことが多いからです。

ただ、作り手のことを知らずに買い物をしている自分というものに気がついた時、私は安いものに対して警戒するようになりました。

チョコレートのフェアトレードを想像していただけると分かりやすいと思うので、「ちょっと想像がつかないかも?」という方は、千葉商科大学さんの記事を貼っておきますので、ぜひご覧になってみてください。

この記事では、フェアトレードのメリット・デメリット、そして現状と問題点を説明しているのですが、
その中でも特に私の印象に残ったのは、フェアトレードのメリット・デメリットの説明です。

フェアトレードにデメリットなんてあるの?」とお思いになった方、私も同じでした。でも、メリットしかないのであれば、もっとフェアトレードが進んでいてもいいはずですよね。
記事の中では、フェアトレードのデメリットについて、以下のような表があります。

生産者のデメリット→なし
消費者にとってのデメリット→価格が高い、商品のバリエーションが少ない
企業にとってのデメリット→コストが高くなる
社会や環境にとってのデメリット→なし

「消費者も知っておきたい、フェアトレードのメリットとデメリット! 現状と問題点は?」,MIRAI Times, 千葉商科大学

デメリットは……、端的に言うと、お金なんですよね。

安さが保てなくなってしまうと消費者が買ってくれなくなる、すると企業は困るわけで、安さ競争に不利なフェアトレードはなかなか取り入れられなくなってしまうのです。

でも、誰かの犠牲の上に成り立っている安さは、私たちを本当には幸せにしてくれないと思うのです。

そして、安さのために誰かを犠牲にする社会を正しい方向にシフトさせるためには、理由は知らないけど、安ければいいよね、という感覚を、まずは自分の中から減らしていくことだと思うのです。

例えば、「似た商品なのに、こっちは高い」と思うことがあったら、「安い方を買おうかな」と思う前に、「何で高いんだろう?」と調べてみます。

すると、素材にこだわっていたり、その素材を作っている農家さんと良好な関係を築いていたり、値段の高さの裏側にあるものが見えてくることがあるのです。

そして、裏側が見えると、「値段が高い」とはあまり思わなくなることがあります。逆に、安いものに対して、「安いけど、私は本当にこれにお金を払いたい?」と自問することができるようになるのです。

昨今、消費は投資、という言葉をよく耳にします。どんな人たちにお金を払いたいかを考え、自分が応援したい人にお金を払うと決めた時、まさに消費は投資になるのだと思います。

「作り手よし」を意識した消費は、未来をよりよくしていくための投資なのです。


③地球よし

先ほどの「作り手よし」と重なるのですが、「地球よし」な消費も、モノの値段からわかることが多く、かつ未来への投資となると私は思います。

よく私の母は、「環境にいいものは高い」とこぼしていますが、逆にいえば、環境に悪いものは安いということでしょう。

でも、地球を犠牲にした安さが、私たちを本当に幸せにしてくれるでしょうか? 私たちが住んでいるのは、地球なのに?

安さというのは誰かを犠牲にしていることがあり、それが人だと「作り手よし」に影響し、それが地球だと「地球よし」な消費に影響してくるのだと思います。

そして、結局は、それは「自分よし」にも影響してくるのです。
誰かや地球を犠牲にしたモノは、自分を幸せにはしてくれないからです。


最近は、人にはもちろん、環境に配慮した商品が店頭に並んでいることが多いかと思います。

しかし、それが本当に人に・地球にとっていい商品なのか、個人では分かり切らないことも多くあります。

環境にいいと謳っていながら、よくよく調べるとそんなによくないかもしれない……となることも、少なくありません。

結局、どちらの方が環境にいいの? と選択に迷うことも多くあります。

それでも何とか、「私はこれが欲しいし、しかも、これを買うことで素敵な作り手さんを応援できるし、地球環境にもいいらしい」と思えたモノを買う時、私は最後にできるアクションをします。

例えば、箱ナシで買えるものは箱ナシで買ったり、
量り売りで買えるなら、量り売りで買ったり、
袋ナシで買えるなら、袋ナシで買ったり、
そんな、小さな最後の選択をするのです。

そんな選択の余地もなく、過剰包装されたモノを買わなければならないことが今はまだ多いと感じますが、「別にきちんと箱に入っていなくてもいいよね」「ゴミは一緒に買いたくないよね」「二酸化炭素の排出を抑えられる方がいいよね」という意識を沢山の人が持つことが、生産の場の意識も変えていってくれるはずだと思うのです。


まとめ

お金は、何かを手に入れる時に一番よく使う、便利なツールです。

その使い方を考えることは、自分がどうしたいのかを知ることであり、どんな作り手がどんな環境で、どんな思いで作っているのかを想像することであり、地球の未来を考えることでもあると思います。


ここまで読んでくださった皆さんは、2022年、どんな思いで、どんな風に、お金を使っていきたいでしょうか

皆さんの選択が、皆さん自身の幸せにも、作り手の幸せにも、これから生まれてくる世代の幸せにも繋がるといいな、と思います。

消費の場が「三方よし」に溢れたら、本当の幸せが社会全体に流れていくはずだと思うからです。


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