さかもっち 坂本ひろし

日本共産党富山県委員会で働いてます。県委員会の書記長です。

さかもっち 坂本ひろし

日本共産党富山県委員会で働いてます。県委員会の書記長です。

最近の記事

『盗撮をやめられない男たち』

『盗撮をやめられない男たち』(斉藤章佳著、2021年、扶桑社)を古本で入手し、読みました。 著者は、アジア最大規模の依存症治療施設・榎本クリニックで保健福祉部長をされている、斎藤章佳さん。精神保健福祉士、社会福祉士で、アルコールやギャンブル、薬物、摂食障害、性依存、万引きなどの依存症の治療されている方です。 同書の前書きには次のようにあります。 「本書は、依存症としての盗撮を扱った、おそらく日本で初めての本です。盗撮被害の実態や盗撮加害者の犯行様態、刑罰や治療・更生の現

    • NHKスペシャル『未解決事件 File.09 松本清張と帝銀事件』に刺激をうけ『帝銀事件と日本の秘密戦』を読んだ

      お正月、『帝銀事件と日本の秘密戦』を読みました。 1948年1月、日本がまだ占領統治のもとで戦後の混乱期、白昼に起きた大量毒殺事件「帝銀事件」を追った番組で、昨年12月29日、30日に放映されたNHKスペシャル『未解決事件 File.09 松本清張と帝銀事件』がきっかけです。 番組の1日目・前編は、小説家・松本清張がこの事件の不可解な点を丹念に調べ、平沢貞通犯人説に疑問を投げかけ、真犯人を追っていくというノンフィクション小説を書こうとするドラマ仕立てになっていました。2日目

      • 『分解の哲学』ー自然循環に果たす分解の役割と資本主義

        『分解の哲学―腐敗と発酵をめぐる思考― 』(藤原辰史著、青土社、2019年) 「分解の哲学」という書名に、どういうことだろうと興味をそそられました。 私たちは、欲望(必要)を満たすために食料や製品を作ります。それらを消費しその役立ち(使用価値)が失われれば後には残骸や排泄物が残ります。それらは分解過程に入り、分解者(微生物や菌、フンコロガシやハイエナ、堆肥をつくる農民や修理屋)によって再び他の生物の栄養源や何らかの原材料になったりして新たな役割を持たされるのです。ここに、

        • 今からで遅くない。男性こそ自覚的になること、学ぶこと/『これからの男の子たちへ』太田啓子著

          『これからの男の子たちへ』(太田啓子、大月書店、2020) 「男らしさ」から自由になるためのレッスン 男の子に話そう、性のこと。 書名と帯のキャッチコピーからも想像できるかもしれません。子どもたちにはできる限り小さい時から、社会のジェンダー格差に対する自覚を促すように大人からのサポート・教育が必要ということが強調されています。しかし、男の子だけでなく、ぜひ大人の男性にも読んでほしいと思いました。「男らしさ」の呪縛にがんじがらめになっている男性に。それがどこまで受け止められる

        『盗撮をやめられない男たち』

          人新生の「資本論」

          「SDGsは、大衆のアヘンだ」という挑発的な出だしに、膝を打った人も多いかも。 今売り出し中の斎藤幸平氏の新著『人新生の資本論』。 環境配慮、SDGs、グリーンニューディールなどのスローガンを掲げ行動しても、成長の論理の同じ土俵での対策では、資源や化石燃料の消費を抑制するのは根本的に不可能である。根本解決のためには、資本主義を終わらせることだと正面から率直に語り、晩年のマルクス研究から見えてきた脱成長のコミュニズムをボジティブに訴える書。 ベストセラーになると思う。 以下備

          人新生の「資本論」

          「無知は勤勉の母」…資本は考えない労働者を追い求める。労働者は、考え、対抗する力をつけなければならない

          『資本論』12章、マニュファクチュアの学習から マニュファクチュアでは、労働者を分業体制に組み入れて生産機構の一部分の作業にのみ従事させることで、全体が効率的な生産となります。その際、労働者は自分では何も考えず、1つの作業をひたすら続けるようになり(そのことで多くの労働者の不具、不全を生み出す)、何も考えられないようになるのです。マルクスは、その作業場では、人間の精神活動が労働者から切り離されて資本家のものとなり、今度は労働者を支配するものとして労働者に対立するものになる、

          「無知は勤勉の母」…資本は考えない労働者を追い求める。労働者は、考え、対抗する力をつけなければならない

          『モラルの起源』

          『モラルの起源』角田達也(岩波新書、2017) 人は、抜け駆けやズルを見たとき、許せないという憤りの感情、不公平感、懲罰感情がわくのは普通の反応です。それが、集団のモラルや規律の土台になり、不平等や抜け駆けを抑制し、ひいては社会を存続させる力になるというのです。 一人一人が損得を見極めて行動するよりも、(一見合理的でないように見える)自然にわいてくる感情に基づいて行動する方が、集団を維持していくのに理にかなっているというあたりは、へえ〜と思いました。 しかし、それらが有

          『資本論』第1巻第8章 人格化された資本と、人格化された労働時間

          『資本論』を第8章から読み始めました。かつて関西勤労協の吉井清文さんの講座を受ける機会があって、『資本論』は8章からやるとわかりいいとすすめられたことがあります。資本と労働者の標準的な労働時間確立をめぐるたたかいを生き生きと記述しており、実に面白い章です。 資本家は「人格化された資本に過ぎない」というあの味わい深い言葉をいろんなところで引用していたのですが、読み進めて行って2節の最後の方に、労働者は「人格化された労働時間以上のなにものでもない」という、これまた含蓄ある記述があ

          『資本論』第1巻第8章 人格化された資本と、人格化された労働時間

          「暴力についてのセビリア声明」

          コロナ休校の中で、子どもらはテレビ、スマホ、ゲーム、漫画、DVD漬けで、昼夜逆転になっている。 大学生には、こんな時こそ本を読んで頭を鍛えるチャンス、学生時代が最も吸収できる時だと強調して、たまたま放置してあったテキストを目につくところに置いといたが、食指が動かなかったようである。 「暴力についてのセビリア声明」 ユネスコで1986年に発表されたものだそうで、戦争や暴力は人間には避けがたいもの、人類の本能によってひき起こされるものとする言説に対して、戦争は社

          「暴力についてのセビリア声明」

          ジェレミー・リフキン著、『限界費用ゼロ社会』(2014)備忘

          内容のまとめではなく、勝手な備忘メモ。(今後追記修正あり) 長く続いた封建時代の共同的社会は、資源や土地、生産手段の囲い込み=資本主義的私有によって終わる。資本主義企業は利潤最大化をめざして、原料ー生産ー販売を統一的・集約的に行い、規模拡大に邁進、垂直型の産業構造がこの社会の特徴となっていく。国家は、電力や公共交通、電信というインフラ構築を強力に推進し、資本主義の急速な発展を後押しした。(集中、大規模化が生き残りの道であり資本主義の特徴となる。大きいこと=競争力が高い、

          ジェレミー・リフキン著、『限界費用ゼロ社会』(2014)備忘

          noteを書き始めてみた。

          メモ備忘録的に使おうかなと思う。

          noteを書き始めてみた。