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日本人の給料が上がらない原因は『安物買い』

日本人の平均年収は430万円くらいらしい。

平均という言葉を聞くと、みんながそれくらい貰っているような印象になるが、男性であれば500万くらいで、女性だと300万くらいらしい。

30代くらいまでの若い人であれば350万くらいだろうし、50代なら平均より上ということになる。

日本だと年功序列で基本的に年齢が上の人のほうが給料が高いし、日本全体の人口のバランス的にも高齢者が多いと考えると、今の若い人は平均より限りなく低い可能性がある。

もちろんこういうのは人によるし、平均年収というのは額面そのままに近い額を貰えるような人なのか、会社の変な制度だったり仕事の道具など必要な人であれば、経費がすごいかかったりなど、結構曖昧になることがあると思う。

新しく総理大臣になった岸田総理は、所得倍増計画を掲げている。

これから日本人の給料が上がるような政策をしてくれるのかもしれないが、その一方で富の再分配とか金融商品に課税をするようなことも言っている。

個人的には株で食いつないでいる身として、マジで余計なことだけはしないでくれと願っているが、アメリカがどうやらその方向に向かいそうなので、日本も後追いする可能性がある。

私もそんなべらぼうに稼いでいるわけではないので、税金が減って結果的にハッピーになったわ。という結末を願っているのだが、どうも雲行きが怪しくなりそうな感じはある。

これは総理大臣どうこうより、いずれは訪れる運命だったのかもしれない。

さて、日本人の年収だが、デフレによってどうも上がる気配がない。そして徐々に物価は上がっているという。

給料は下がって、物価は上がるという最悪の事態になりつつある。

給料が上がらない原因は何なのだろうか。

日本の給料はなぜ上がらないのか。ということを一言で言えば、会社が安く人間を雇っているからである。ほぼ、それに尽きる気がする。

いっその事、恒大集団のように、33兆円負債が膨らむくらいまで、会社が身を切って大盤振る舞いしてほしいものである。日本人は会社も個人も誰もが貯金ばかりして、経済の血液である金の流れが停まっている。

岸田さんには、可能であればデノミネーションをしてもらえたらいいなと思う。1万円のような高額紙幣を使用できないようにすれば、偽札の変なものの被害も減るし、タンス預金している高齢者も急いで銀行へ換金に来る。そうなれば、一気に市場に眠っていた金が回り始める。

会社の給料が安いとはいえ、日本に高給取りのサラリーマンがいないわけではない。

ただ、そのような人と、一般的な会社員の給料の差が開きすぎていたり、企業によって同じ業務でも待遇が違いすぎるという問題はある。

パーッと求人を見ていると、

・事務経験が2年以上ある人(Word・Excel)

・英語で電話やメールなどの業務に支障がない人

・残業月20時間

・月給22万円

みたいな求人が普通にある。

冷静に考えて、月給22万円あたりというのは、普通に大卒で勤めて1年目か2年目くらいにもらう金額である。

それを転職を前提とした求人で、いろいろスキルを求めて、そのような給与水準というのはどうなんだろうかと思う。

ヤバイやつを解雇できないせいで、ヤバイやつの可能性がないと言い切れるくらいまで採用の基準を上げないと、採用しないというのが流動性を著しく下げている。

ダイソーのクオリティが凄すぎて、1380円くらいのキッチン用品を誰も買わなくなってるみたいな、そんな状況が労働市場にも見られる。

平均というのは実に誤解を生みやすい数字である。

年収1000万と0万の2人の世界でも平均年収は500万であるし、年収400万と600万が5人ずついる世界でも、その世界の平均年収は500万である。

上の2つの世界は、同じ生活レベルの国だろうか。

年収430万が低いとか高いとか、それだけでは判断できない。

なぜなら、お金というのは何かと交換して初めて価値が生まれる数字だからである。

430万では一体なにが買えるだろうか。

まず前提として、税金などもろもろで100万くらい持ってかれるということである。

そうなると、月に使えるお金は28万くらいである。

東京に住んでいると仮定すると、引っ越し代や更新費含めて年で割ったら、8万~14万くらいは家賃で飛ぶはずである。

そうなると使えるお金は14万~20万くらいになる。

もちろん、家族がいるか一人暮らしで大幅に変わってしまうのだが、ケータイ代、ネット、電気代、水道ガス、などもろもろ含めて1~2万円くらいとする。

そうなると12~18万

そこから食費や服や、どっか行くときの交通費とか含めると、人によって全然変わるだろうが、3万くらいが平均になるんじゃないだろうか。

そう考えると、残りは9万~15万である。

もちろん、毎月それくらいを貯金できればいいだろうが、急にパソコンがぶっ壊れたり、洗濯機や冷蔵庫がぶっ壊れたら、10万くらい飛ぶことになる。

賃貸だと関係ないかもしれないが、ガスの給湯器が壊れたりすると、一気に30万くらい平気で飛ぶ。

虫歯になって、「あ~インプラントですねー」みたいになったら、10万20万平気で飛ぶわけである。

ある意味、私が気が狂うくらい健康に気をつかうのは、そのような病気だったり、変なことで金使うリスクを減らしたいからというのはある。

女性の場合だと、化粧品や生理用品や、服代は男性より多くかかると思うし、年収も300万となると、どうにもならない感じになってくる。フルのアルバイトだったら、どうなってしまうんだろうか。

ある意味、そういう経済的な背景からパパ活とか援助交際に向かいやすい要因になっている事は否めない。普通にバイトして、普通に短時間で自分が納得できる金額を得られるのが理想だと思う。

しかし、残念ながらそのような理想を実現するために向かっていないのは確実である。誰かが誰かの上に立ちたいと思っているし、下の人間は下のままでいいと思っている人がいる限り、この安物買いの連鎖は止められない。

私の場合はもう、23区内のスラム街のような月45000円で風呂ありの、なぜか水道代が月500円で固定という謎の物件に住んでいた。駅まで徒歩10分くらいだったが、ゴキブリとハサミムシが毎日潰しても毎日出てくるので、早々に引越した。

さすがに家賃を45000円までに抑えれば、安月給でありながら月10万は貯金できた。近所に業務スーパーがあれば、まず貯金の地盤強化は整う。

年収がなぜ低いのかという議論から逸れてしまったが、それは私達自身にある経済の感覚によるものだと思う。

基本的に私達は時間が経って、待っていれば割引になるという感覚で生きている。スーパーも値引きするまでハイエナをする人が多い。時間が経てば、値段が上がっていくということは起こり得ないことだと信じているし、値引き後の値段が適正価格だと思っていたり、安く買えるなら安ければ安いだけ良いという前提で生きている。

なので様々な割引サービスやポイントカードが流行している。

メルカリでもいきなり何の根拠もなく消費者が4割引近い値下げを提案して○○円だったら買います!みたいな糞コメントを送ってくるのである。平気で白昼堂々送ってくる。本当に頭がおかしい。

私達の生きている世界の定価とは何で、何によってその価格になっているのかを、あまりにも見過ごしている人が多すぎる。

他の店で300円で売っているからといって、別に他の店も300円に揃えないといけないルールはない。

企業の競争原理というのは、あって然るべきモノだと思う。ただ、日本の場合それが価格競争という発想にしか至らないのが残念なところである。

多くの人は同じ名前なら安い方を買う。そこに何の思慮もない。反射神経で買ってしまう。安い方は安全じゃないんじゃないかとか、ゴミ捨て場のような施設で労働者が働かされているんじゃないか。などとは考える人はいない。

私の中ではマクドナルドとモスバーガーは全く別の食べ物だと思っている。ただ、日本人の多くは『モスはマックより高い。』しか評価しない。

そもそも言うほど高くないし、100円高いから買わないという神経もよくわからない。100円があなたの人生に重大な損失を与えるほどの金額であれば、もちろん買うべきではないが、そんな人間がATMで5時以降にお金を下ろしていたりする。

質が違うモノが価格が違うのは当たり前である。まずそれは大前提で、人間も同じである。

輸入の格安肉と神戸牛を、アメリカの方が安い。という人の神経は普通ではない。確かに事実であるが、比較対象にならない。質が違うのなら、価格が違う。ごく自然のことである。

そんなことを言われなくてもわかってる。と頭に来る人もいるかもしれない。

ただ、それが人間になるともっと理解不能なことを言う人が多い。

1時間で10本の仕事を処理出来る人と、4本しか処理出来ない人がいるとする。

その仕事の専門であるならば、単純に考えて前者の給料は後者の2.5倍でなければオカシイ。10本でも4本でも給料が同じだと通用するのは、今年の大谷翔平だけである。

ただ、それを当たり前のように同じ仕事の立場で同じ雇用形態なら、永遠に同じ給料として扱うのが日本の企業である。

むしろ、それなのに給料の基準が下がっているというのだから、問題である。もうどしようもない。安い給料で質の低い仕事をして、誰も幸せじゃない状況になっている。

ただ、給料が適正という可能性もある。要するに、言うほど全員が利益に貢献するような仕事ぶりが出来ていない状況である。たとえば1人で出来る仕事を3人でやっていたり、10分で済む仕事を日本企業の文化によって許可取りに1時間かかるといった非効率な状況が生まれるなら話は別かもしれない。

じゃあ、そういう仕事場を変えようと提案したときに、すぐ変えられる権限が個々に与えられているのか。個々がそういう提案をして認められた時に、「お前よくそんな最高な事思いついたな!」と評価される土壌があるのか、ということが最低でも必要になってくると思う。

そもそも是非を判断する上司の判断力や能力がマトモなのか。上司が会社を良くしようとするモチベーションがあるのか。売上を伸ばすモチベーションや人件費以外での働き方でコストを下げるモチベーションはあるのか。

上司が部下を評価するのではなく、ヤバい上司だった場合、部下が上司を評価して老害を排除できるシステムが備わっているのか、そのような事を変えない限り、永遠に給料は上がることはないと思う。

蛙の子は蛙ように老害は老害を生むだろうし、いい人というのは基本的に長く会社にいないし、そういう人は自己の利益を犠牲にするので出世しない。

そうなると老害の給料はそのまま現状維持になり、その枠から漏れた人の給料は、会社の売上とともに年々下がり続けることになるかもしれない。そして転職しようにも、日本の非効率な労働市場だと満足にいかないのである。

年収600万以上の人が数人に対して、300万円台の人達がわんさかいる状況が今の日本だと思う。

リーダーシップのない人間が大きく組織をコントロールしようとした場合、そういう形の組織にするのが一番効率がいいだろうし、300万円台の派遣や契約社員などで埋め尽くすのが、コストも自分の立場としても安定できるのである。

人生は金だけではないので、430万円が高いか安いかは人によると思う。

本当に人によって全然生活スタイルが変わるからである。

ただ、額面が安いとか高いということ以上に、頑張りが評価されるとか、能力のある人間が、能力に相当する金額の給料をもらえないという構造が異常であると思う。

そして、派遣にしろバイトにしろ、生活水準を担保できない金額で人をフルタイムで雇うことに関して、誰も疑問を持っていない社会もそれはまた異常である。

どうでもいいが、スウェーデンは国民全員の給料が見れるらしい。

マイナンバー的な他人の番号を検索したら、その人の住所や給料まで全てを他人が見れるらしい。

なぜそれで犯罪が起こらないのか謎だが、日本でそれが導入されたら、上司がめちゃくちゃ殺されたり、大変な事件が各所で起こりそうだなと思ってしまった。

スウェーデンのようにしろ。ということではなく、給料と働きぶりが合っていて、誰もが周りの人も含め納得できる給料水準でないと、経済の非効率は続くと思う。

できるだけ安く買ってやろうと思い続けている人がいる限り、適正な評価は遠のくばかりである。


















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