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ファンキーを知るために観た映画スローなブギにしてくれ

「今はいないねえ、ファンキーな女の子がさ」

とあるお客様と喋っていたときのこと。「どんな女性が好みなんですか?」という話題で、50〜60歳くらいの彼は私の知らない女優の名をいくつか挙げた。

わからないなあ、という反応をすると、「まあ、今はいないタイプかなあ。例えばスローなブギにしてくれの浅野温子みたいなファンキーな女の子っていうのがさ。見かけないねえ」

とぼやくのだった。


浅野温子。

私の中のイメージは、看護師か口うるさい教師役がぴったりの、昭和感たっぷりの妙齢女性、あのキムタクを騙して結婚までこじつけたという(ウワサの)工藤静香とどうも重なる女優。

スローなブギにしてくれ。聞いたことはある、あるけれどそれがどんな物語だか一片も知らない。早速検索してみると、向こう側まで続く公道の手前にぽつんとバイクがあって、男女が睨みつけるジャケットがあった。それをみた私は「たしかにファンキーな感じがしますね、ファッションとか」。


ファンキーな女の子。たしかに、最近誰がファンキーな子だろうと巡ってもピンとくる人がいない。ファンキーとはそもそもなんぞやと言われてしまえば抽象的だけれど、それでも私の中の「ファンキー」に当てはまる人がいなかった。


だから気になって観てみた。


観てみたら、とっても面白かった。


ファンキーとはこういうことか、と膝を打った。


腐ったトマトをはじめとして、アイスクリームや牛乳を宙に撒き散らし、家具や窓ガラスをめちゃくちゃにするシーンはこちらも楽しくなる。バックミュージックがいいね。

ムスタングの男役:山崎努は、いい俳優だ、いい俳優なんだけど、よすぎて、役がキモチ悪くてしょうがない、現代だったら足蹴にされるぞほんと。かっこいいんだけどさ。マジで本当にチューするかよ…。うえええ。


原作者である片岡義男さんは、前にいくつか本を読んだことがあって、その文体になかなか馴染めなかったんだけど、これは本読んでみたいなあと思う、とTwitterに書いたら、電子版出てますよ、とメッセージをいただいた。読みます。


「敵討ち」をしてくれた男がいくバーへのこのこと顔を出し、マスターに「あんたねえ」と怒られ(呆れ?)てもテヘペロできる肝の座りようは、マジで見習いたいと思いました。カワイイ。こりゃファンキーだわ。


ラストは笑ったね。ネコ好きの女には要注意……。私もネコ好きなんですが、あそこまでミャアミャアさせない、と思う…。

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