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ニューヨークの美容院で。

音楽やダンス、HIPHOP文化に触れたくて20年前に行ったニューヨーク。
去年のニューヨークとの違いを!なんていいながら、全然書けてないのだが、、
今日もその当時のニューヨーク、ハーレムの美容院に行った時の話を。
とにかく、日本と違いすぎて強烈に残っていることと、考えさせられたことをお伝えしたい。
それは

値段交渉
★まさかのランチタイム
★なにが良いサービスなのか?
 

そもそもHIPHOPに触れたくて訪れたニューヨーク。
髪型をブレ―ズにして帰る!というのも、目的の一つだった。今となれば、日本でその髪型をしている人はあんまり見かけないが、
その当時、そう20年前はブラックカルチャーに憧れている人達は、結構やっていた。
きっと、こnoteを見ている方の中でも昔ダンスやDJをやっていて、ドレッドしてたな~という人もいるかもしれない。

私ももれなく、HIPHOPや、R&Bを聞きながら、ミュージックビデオをみながら、
踊ってい一た人だったので、本場でブレ―ズにしたい!という気持ちが強かった。
しかも当時は、日本ではとにかくドレッドやブレ―ズができる美容院や人が少なかったから技術料として、4,5万円が相場でなんなら、髪の毛が多かったり、手間がかかると、7,8万円かかるとこともザラ。
それだけのお金をかけるなら、もうニューヨークに行って、やってしまおう!という結果ではあった。そして、なんとなく漠然とニューヨークでブレ―ズにすることがかっこいい!みたいな感覚もw。

旅行本を読みあさったり、先輩達から得た情報からは、、概ね1万円くらいが相場ということだった。それを頭にいれながら、私達は145STあたりになる美容院へと向かった。

前回も、記載したが、私たちが泊まっているホテルウエストサイドインはマンハッタンの110ST、ハーレムエリア。20年前の当時は、危険と言われていたエリア。そして私達が向かうのは更に、それよりアッパーの143THくらいのヘアサロン。
地理的には京都みたいに縦と横でわかりやすい。1ST~215STだ。↓

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もちろん、ソーホーや、イーストビレッジなど下のほうに行けば、色んなの国からの旅行者でにぎわっていたがホテルより更に上の145STまで行くときは、アジア人には一人も合わなかったし、観光客もいなかった。どこを歩いても周りの人達に見られた。周りの人達というか、そこに住んでいる人達。
物乞いの人達がお金を求めてついてきたり、何してんだ?みないな軽く声をかけてくる人達。
もちろん、笑顔というかニヤニヤという言い方が適しているかもしれないが、物珍しさで見てくる人も多かった。

とにかく、その時の私達はおどおどせずに、いつも通りにしようと、地図を片手に歩いていた。 そして、無事たどり着いた美容院では、ブレ―ズやドレッドヘアの、貫禄ある女性たちが笑顔で出迎えてくれた! 
おお~!素敵や!やっとたどり着いた! しかもなんか優しそう~。と一気に気が緩むが、
それもそのハズ。
むこうからしたら日本人はカモなのだ。 (いや、もちろん、結果いい人達だったのだけど、でも間違いなくに日本人はお金をもっているという概念だったに違いない)

だから、みんな笑顔で色々話しかけてくるのは当然だ。どんな髪型にしたい?長さは?色は?みたいな。あとあとわかったのだが、もうすでにその時、だれがこの2人を担当するかという争奪戦だったようだ。

私達は、そんなこととはつゆ知らず、そのやりとりさえも楽しい錯覚に落ちていた。
そして、話しながらなんとなく担当者が決まったのだが、ここから値段の交渉だ。
値段を全く知らされていないから、とにかく最初に確認しておこうと「HOW MUCH?」ときくと「150ドル」という提示! 
いや、これは絶対に高く表示されていると認識した私達は、ここから値下げ交渉だ。

「oh no! too expensive!」          「 Please,discount、please!!」

もう、言える言葉はこれくらいで、でも150ドルは高いよということを必死にジェスチャーで伝える。向こうももちろん、高い金額から言っていたのであろう。
少しずつ値段をさげていく。 しかし、130ドル、120ドルといわれようが、私達は、相場の1万までには持っていきたかったから、please discount を連呼。
よくもまあ、これだけの片言しかない英語力で美容院に来たことだw

関西魂があったからかわからないが、いや、もっと下げてくれないと違うところに行くよ。みたいな、そぶりを見せる。すると向こうは、それだけは避けたいと思い、下げてくれる。
でも、そこで95ドルまで下げた私達は、なんとか85ドルにならにかともうひと踏ん張りしてみたら、今度は向こうが、「じゃあ、違うところに行きな」みたいな、雰囲気だ。

そりゃそうだ。向こうにしても生活がかかっている。この日本人たちを獲得したいが、
さすがにそこまでは下げられないというのは彼女たちからしても当たりまえかもしれない。
そして、私達も、他のお店なんてもちろん調べておらずここをめがけてきたわけだから、95ドルで納得して、成立した。成立したあとは、何事もなかったかのように、おおらかで優しかった。

でも、間違いなく、日本人はお金があると思っただろう。20年前の学生の女2人が
ニューヨークにきて、ドレッドをする。しかも、現地で95ドルはかなりの値段だ。
格安で、来ました。なけなしのお金で来ました!なんて言っても旅行に行っている時点でまったく違う。結局その人達からしたら裕福だと思われて当たり前。少し複雑なざわざわを感じて、ブレーズに変化していく髪型をドキドキしながら見守っていた。

実際に、ブレ―ズをやってもらうのだが、細い束をとって、地毛にエクステを加えて1つづつ編み込んでいくので、相当に時間がかかる。長いことは覚悟していたのだが、なかなかすすまない。そして、編み込まれていくと、毛量も増えるからだんだんと頭が重くなる。

いつ終わるやろな~と隣と友達と言っていたら、急に、「私達はちょっと買い物にいってここを離れるわ!」みたいな言葉を言われて、
私達は、「えっどこいくん?まだ3分の1くらいでこの中途半端なまま、私達はどうしたらいいの? 」て思ってみても、
動ける体制ではない。そして、それらを具体的に聞き出す英語力もない。

そして、帰ってきた人達は、大量にドーナツを買っていた。「今から、ランチタイムだから!」みたいな感じで、みんなで座って、ドーナツを食べて談笑がはじまった。

「え~~!!!!ここで、ランチタイム!私達もお腹空いてるんですけど!! なんなら早く終わってほしいんですけど!」
という心の叫びはもちろん届くはずもない。 これが私たちのスタイルよと言わんばかりに、楽しそうにおいしそうに食べていた。
もちろん、スーパーでも座ってレジをしていたり、スタッフとしゃべってるのも当たり前だから、そのあたりの免疫はついていたのだが、
まさかのランチとは思ってもみなかった。 はっきり言って、朝から出発して、もうお昼をすぎるころ。私達もお腹空いてる! 

しかも今の自分達の頭の様子をみてもだいぶかかりそうだ。えっどうする??といった心境。
しかし、椅子に座って動けないこの状況で、どうしろというのだ。もはや、すがるような眼で私達はドーナツの方をみる。

たぶん、かなりの眼力でみていることに気づいたのだろう。 「ドーナツいる??」みたいな素振りをしてくれ、              「いります、いります!心のそこから!」というリアクションでその人達の優しい好意を受け取った。本当に感謝。Thank you so much!!!

そこから、少しづつ会話をして、ダンスで来たことなんかを伝えると向こうもなんだか盛り上がってくれた。結局、全部含めて、6時間以上かかって出来上がったブレ―ズヘアに私達は大満足だった。彼女たちも、笑顔で似合ってるわ!と上機嫌。
と、同時に頭の重みは一気にまして、どっと疲れていたのは間違いないけれどもw

そして、アパレルで接客をしていた私にとって、ふとなにが良いのかな?と考えた。
日本だったら、ほとんどがお客様優先で、接客の途中でお客様を待たせて目の前でランチなんてありえないw。
おもてなし精神や、サービスについては素晴らしいという海外からの言葉も良く耳にする。
もちろん、そうではあるし、そのサービスが嫌なわけでもないく、すごいとも思う。そして、まんまともちろん自分もそうしている。まぁ、人と話すことも洋服もすきだから、仲良くなった人とは、こっちの方が良いですよや、それはやめときましょ。みたいなことは言ったりするけど、でも、お腹空いたんでご飯行って来ます!とか、今日は気分がのらないので、勝手に好きなもの選んでくださいとはならないw。

ただ、この6時間もなんというか、終わってみたら、それはそれで良かったのだ。お腹が空いたらご飯を食べて、みんなで喋って、楽しくなって、ある意味ほったらかしw。途中からは笑けてきたけど対等だ。そして、うらめしそうな私たちをみて、ドーナツをくれる。そんな気を使わないやりとりや優しさ、素の姿で交わし合った言葉や心はあったかい。そんな感じも良いなぁと思った、貴重な経験ができたニューヨークのとある1日。

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