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訪問看護のやりがい ~本来のやさしい自分を再発見~


こんにちは。
訪問看護ステーションはーとふる多摩センターです。

これまで「訪問看護のやりがい」というテーマで、いくつかの切り口を提示させていただきました。私たちもこの仕事が好きで続けている立場としては、まだまだ「やりがい」として挙げられることは山ほどあるのですが…。ひとまず今回でいったん締めとしたいと思います(笑)

ということで、最後の「訪問看護のやりがい」は、題名の通り「本来のやさしい自分を再発見」です。ただし、このテーマは全ての看護師さんに当てはまるとは限りません。「あ~! わかるわかる」と感じてくださった方にお読みいただければ、それだけでも幸せに思います。


看護師の転職理由の上位は人間関係?

看護師の転職理由の上位に常に位置するのが「人間関係」です。よくある求人社の広告などに書かれているのことなのでデータの裏付けが取りづらいことですが、概して採用面接などをさせていただいていても、この点は納得できるところです。

看護師は国家資格です。技術者であり、ある意味職人さんです。そして、そんな看護師が勤務するのは、限られた空間でプライドとプライドがひしめき合う硬質な世界でもあります。

また激務な上、夜勤もあり、生活自体が不規則ななかで体調を崩し、ストレスも蓄積させ、つい患者様や同僚に対してあってはならぬとわかっていながらイラっとしてしまうことがあったり、本来は人道支援という尊い仕事なのに、精神状態によってはその業務自体が疎ましく思ってしまったり…だれしも人間ですからそうなるのは無理もないことです。

その結果、対人関係にまで支障をきたし、だんだん働きづらさを感じてきてしまい、それなりに高額なお給料が保障されている職場にも関わらず、泣く泣く離職しなければならなかった…なんていうお話も少なからず耳にします。

確かに、私自身がある病院に入院した時に患者の立場からそこの看護師さんたちが働く様子を拝見したことがありましたが、時によってはどこかピリピリして話しかけづらい雰囲気がひしひしと伝わってくる場面が何度となくあったことを記憶しています。


看護師さんはもともと「やさしい」

しかし、考えてみると、そもそも看護師さんになろうと決意されるような方は、もともとは「困っている人を助けたい」とか、「慈愛あふれる医療者になりたい」とか、「かつて病弱だった自分を支えてくれた素敵な看護師さんの背中を見て」といったような新鮮で純粋な思いを胸に、戴帽を受けたはずなんだと思うのです。その想いが無ければ、看護学校の過酷な過程を乗り越えることは出来なかったのではないでしょうか。

ところがそんな熱い想いは、いつもまにやら激務の中で忙殺され、弱い心を守るため気の強さという鎧をまとってしまったり、経験の垢に埋没してしまったり、あるいは医療の道を志す上での目標そのものを失ってしまっている方は、実は結構いらっしゃるのではないかと思っております。

(以下は、訪問看護の「可能性」の話であり万人に当てはまる話ではないので、ご理解の上お読みください)

訪問看護では、原則看護師は単独でご利用者様に応対します。一対一の空間では、いくら業務とはいえ、そこには深い心の交流が生まれます。在宅療養者の多くは高齢者様です。人生の黄昏時を心身の不自由とともに暮らされており、目の前の看護師を心から頼ってくださっています。そして皆様とても謙虚です。支援者を信じ、待ち、受け入れてくれてくださいます。まるで、くらし(苦楽死)のすべてをさらけ出しながら、看護師に尊い教育を与えてくださっているようです。

この瞬間、ある意味において、本当に癒しているのは、または癒されているのは、実際どちらなのでしょうか…。

そんな経験をすることが出来るかもしれないのが、訪問看護の魅力のひとつなのではないかと思っております。

多少極端な話を差し上げましたが、病棟や施設経験を経て訪問看護師になられた方のなかには、「今はご利用者様に向き合っているという実感を感じている」、「みんなの笑顔が嬉しい」、「移動中の紅葉が綺麗だった」など、本来お持ちの感受性のアンテナをフル活用してお仕事をしてくださっている方々が多くいらっしゃいます。その結果、は~とふる多摩センターでもスタッフが足並みを揃えて私たちのモットーである「やさしい」対応をしくださり、ご利用者様との関係性も良好になり、それがまた更なるやりがいに繋がってくるのだと思っています。

訪問看護を通じて看護師が「やさしくなる」んじゃないんです。看護師は皆、もともと「やさしい」んです。

(念のため…訪問看護以外のすべての職場が上記のような対人関係の過酷な状況ではありませんし、とても心優しい病棟看護師さんや施設看護師さんを私は何人も知っております。さらに言えば、当事業所でも訪問看護師をお辞めになって病棟に転職された方もいらっしゃいます。認定看護師を目指したい、先進医療など高度な専門知識を身に着けて向上したい、というのも医療者本来のあるべき志です。こればかりは人それぞれということになります)


【関連記事:訪問看護のやりがい ~ご家族や地域との関わり合い~】


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