必要なカロリー量の算出方法と基礎知識
「カロリーを摂取しないようにして痩せる」「高カロリーな食品を食べると太る」等、今や私たちの生活に馴染み深いカロリーという言葉。
ダイエットを心掛けてカロリーを気にしている人は多くいると思いますが、実際一日に必要なカロリーはどのくらいで、そのカロリーをどんな栄養素から摂取すればよいのでしょうか。
本記事では、カロリーについての基本的な説明と、人それぞれ一日に必要なカロリーはどのくらいなのかを算出する方法をご紹介していきます。
本記事ターゲット
・カロリーという言葉が気になって仕方ないOL
・ダイエットをしたいけど、毎日どれだけ食べていいかわからないビジネスマン
・栄養学について興味を持ち始めた方
目次
1.カロリーの基本知識
1-1.そもそもカロリーとは
1-2.カロリー過多・カロリー不足それぞれの影響
2.一日に必要な摂取カロリー量とは?
2-1.消費カロリーの種類
2-2必要なカロリー量の算出方法
3.まとめ
1.カロリーの基本知識
カロリーを抑えることで痩せれるとよく言われていますが、カロリーは少なすぎると健康に害を与えることに加えて、痩せにくい体になってしまうという弊害もあります。
まずは、カロリーの基本的なことや考え方について、ご紹介していきます。
1-1.そもそもカロリーとは
改めて、カロリーの定義から確認すると、
カロリーとはエネルギーの1種の単位のことで、「1ℓの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量=1カロリー」と定義付けされています。
人は、食事の際に炭水化物・タンパク質・脂質等の栄養素を摂取し、これらの変換されたカロリーをエネルギーとして生命活動を維持することが出来るのです。
炭水化物・タンパク質・脂質の3大栄養素は、それぞれ1gあたりが変換されるカロリーの値が異なります。
炭水化物・タンパク質は1gあたり4カロリー、脂質は1gあたり9カロリーに変換されます。
1-2.カロリー過多・カロリー不足それぞれの影響
それでは生命活動維持に必要なエネルギー、カロリーの摂りすぎまたは不足によってそれぞれどのような影響が及ぼされるのでしょうか。
カロリーの摂りすぎは、ご存知の方が多いように肥満の原因になります。
これは、人の体が体内中の余ったエネルギーを貯蓄しようと働くことで、エネルギーが体内に貯蓄しておける脂肪に変換される事が要因です。
人は、生命活動を維持することや、運動をすること等でカロリーを消費しますが、この消費カロリーよりも摂取カロリーの方が多い状況、つまりカロリーの摂りすぎをしてしまうと、肥満になりやすいのです。
では逆に、カロリー不足はどのような影響があるのでしょうか。
カロリー不足とは、先程述べた内容とは逆に消費カロリーが摂取カロリーを上回った状況のことを示します。
この状況ではカロリーは余らない為、脂肪が貯蓄されることはありません。
加えて、体は体内に貯蓄されてある脂肪からエネルギーを抽出しようとする為に、ダイエット効果があると言われているのです。
しかし、カロリーはあくまで人間が生きていくためのエネルギーです。
カロリーが過度に不足してしまうと、生命活動の維持に支障が出てしまう為に、立ち眩みや頭痛、集中力の低下等の様々な弊害が生じます。
その為に、ダイエットを志し摂取カロリーを減らすとしても、最低限自分の体に必要なカロリーを摂取することが大切です。
2.一日に必要な摂取カロリー量とは?
先程述べたように、カロリーはダイエット中でも最低限自分の体に必要な量を摂取する必要が有ります。
そこでここからは、消費カロリーの種類と一日に必要な摂取カロリーの算出方法について紹介していきます。
2-1.消費カロリーの種類
そもそも、人が消費するカロリーには生命を維持する為に必要な「基礎代謝」、食事を摂取した後に自然と消費する「食事誘発性熱産生」、運動や労働によって消費する「活動時代謝量」の3種類があります。
勿論人それぞれの生活習慣によって異なりますが、一般的にそれぞれの内訳は、基礎代謝が全体の60%、食事誘発性熱産生が10%、活動時代謝量が30%と言われています。
ダイエットを志す人でも、これらの消費カロリーのうち最低でも基礎代謝分のカロリーを摂取することが必要だと言われています。
基礎代謝分のカロリーを摂取しなければ、生命を維持する為に必要なエネルギーが不足し、先ほど述べたような様々な弊害が生じてしまう恐れがあるのです。
2-2.必要なカロリー量の算出方法
まずはじめに、一日に必要な摂取カロリーの算出方法を紹介します。
一日に必要なカロリーは、自らの体重を元に以下の式で求められます。
一日に必要なカロリー=標準体重×基礎代謝基準値×身体活動レベル
各項について順番に説明をしていきます。
まず、標準体重とは自らの身長に対して標準的な体重のことを指します。
標準体重は以下の式で求めることが出来ます。
身長(m)×身長(m)×22(男性の場合。女性は21)
22という値は、「肥満を表す指数」の「BMI」の標準値です。
身長175cmの30歳の営業職の男性でシュミレーションをしてみると以下のようになります。
次に、上で求めた標準体重に基礎代謝基準値をかけます。
基礎代謝基準値とは、体重ごとにどのくらいの基礎代謝量があるかを求めるための、年齢によって異なる係数の事です。
基礎代謝基準値については、年齢ごとの値がまとめられているサイトがあるのでこちらをご覧ください(引用:2018年4月19日)
シュミレーションの男性で計算してみると以下のようになります。
図で示しているように、ここで求められた値が基礎代謝量です。
ダイエット中でも、最低でもこの値のカロリーを摂取しないと健康に害を与えてしまうので、是非自分の基礎代謝量を図って見て下さい。
最後に、求めた基礎代謝量に身体活動レベルをかけます。
身体活動レベルとは、一日の労働・運動のレベルによって異なる値のことです。こちらについても、レベルごとの値が記載されているサイトがあるのでこちらをご覧ください。
先程のシュミレーションの男性の基礎代謝量に身体活動レベルをかけると以下のようになります。
このように、身長175cmの30歳男性の一日に必要な摂取カロリー量を求めることが出来ました。
現在の体重を維持したい方は、標準体重ではなく自らの体重を用いて計算すると、現状維持のために必要な摂取カロリー量を求めることが出来ます。
3.まとめ
改めて、ここまでの内容をまとめると以下のようになります。
・摂取カロリーが消費カロリーより多いと太り、少ないと痩せる
・ダイエット中でも基礎代謝量のカロリーを摂取しないと健康に害が生じる
・一日に必要な摂取カロリーは「標準体重×基礎代謝基準値×身体活動レベル」で求めることが出来る
本記事を読んで、ダイエットに活かそうと考える人も多いと思われます。
しかし、あくまでカロリー過多はあくまで肥満の要因の一つであり、肥満の要因、健康維持への悪影響には他にもたくさんの要因が存在します。
例えば、望ましいカロリー量を摂取していても栄養バランスが悪ければ脂肪が貯蓄されますし、健康に害が生じます。
日本人が不足しがちな栄養素や肥満の原因の一つとなる血糖値について、他の記事で紹介していますので、興味のある方は是非見てみて下さい。
カロリーをコントロールして健康を維持するという事を、あくまで一つの考え方として覚えて頂いて、皆様の健康維持に役立てば大変嬉しく思います。
最後まで読んで頂き有難うございました。
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