よしせん

奈良クラブを応援するファンの記録。

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奈良クラブを100倍楽しむ方法#0

 奈良に住んで40年。生まれも育ちも奈良である。小学1年生からサッカーを始め、5年生のときにJリーグが開幕。それまで日陰者のサッカー部が一躍スクールカーストの上位になるという革命的事件を経験した身である。しかし、奈良には致命的な弱点があった。そう、奈良にプロクラブがなかったのである。大阪には大きなチームが二つあり、どちらもスポンサーも太く優勝争いも経験するほどの実力がある。日本代表に選ばれるほどの有力な選手も多く在籍している。ゆえに、奈良にプロクラブがなかったとしてもそれほど

    • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#024 第22節対ガイナーレ鳥取 ”虎"

      試合終了のホイッスルがなった時、普段あまり感情を出さない堀内が倒れ込んで悔しさを露わにしていた。それくらい、この試合に賭けるものがあったということだ。それでも勝てなかった。この敗戦はかなり痛い。入念に準備をした一戦だっただけに、単純な一敗ではないダメージがある。同じ負けでも、先日のホームでの沼津戦のように総力戦で挑んでの敗戦なら、受け入れやすい。今節は出せるはずのものは出なかったという印象がある。こういう試合は見ている方ですらこれだけ悔しいのだから、選手たちは尚更だろう。もど

      • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#番外編〜奈良の林業とユース組織の未来〜

        文語でいくと、どうしても堅苦しい感じになってしまうので、今回は口語調にして、難しいことでもできるだけ簡単に聞こえるように書いてみようと思います。今回書くことは、実はめちゃくちゃ難しいことですが、これはどんな立場の人も知っておいてほしいと思うので、あえてこういう雰囲気でいきますね。 去る8月11日に、奈良クラブ主催のイベント「ファンコミュニティ会員ブルーディアイベント@吉野郡川上村」に長女と参加させてもらいました。抽選ということでかなりの応募多数だったようですが、めでたく当選

        • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#024 後半戦展望 ”Whatever"

          90年代の英国を代表すバンドのオアシス。このバンドを知っている人なら誰でも知っている、CMにも採用されたこともあるので聞いたことのある人も多いだろう名曲の「Whatever」はこんな歌詞で始まる。 オアシスの楽曲のコード進行は全く難しくない。非常にシンプルなコードでほとんど曲を弾くことができる。FとかBのバレーコードさえクリアできれば、あなたもオアシスだ。そんなシンプルなコードで構成されているというのに、どの楽曲も胸を鷲掴みにするような、「このメロディしかない!」というとこ

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        奈良クラブを100倍楽しむ方法#0

        • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#024 第22節対ガイナーレ鳥取 ”虎"

        • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#番外編〜奈良の林業とユース組織の未来〜

        • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#024 後半戦展望 ”Whatever"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#023 前半戦総括 ”わすれてしまうまえに”

          J3は夏の中断期間に入った。奈良クラブは23試合戦って5勝10分8敗の勝ち点25。15位というところである。間違いなく昨シーズンよりも苦戦しているわけだが、この苦しみを「産みの苦しみ」と捉えるためには、昨シーズンと何がどう変わったのか振り返る必要がある。人間は忘れてしまう生き物だが、忘れてしまうまえに振り返っておくことで、これからの光が見えるのではないだろうか。中断期間を利用して、二人の選手を中心に今シーズンの奈良クラブの特徴を描き出してみようと思う。今回は一人目、岡田優希選

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#023 前半戦総括 ”わすれてしまうまえに”

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#022 第23節対アスルクラロ沼津 ”きみはうつくしい”

           ヨハン・クライフの名言といえばたくさんあるが、この言葉ほど強烈なものはない。誤解されやすいが、彼は勝つことを放棄していたわけではない。むしろ、めちゃくちゃ負けず嫌いだった。よく誤解されやすいし、僕もこのシリーズで二項対立的に扱っている「理想」と「現実」という概念だが、クライフにおいては「理想」と「現実」の区別はない。彼にとって攻撃的で美しいフットボールをすることが「理想」であり、それが最も勝利に近づくという意味で「現実」であった。自陣に引きこもり、ボールを放棄することは、彼

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#022 第23節対アスルクラロ沼津 ”きみはうつくしい”

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#021 第22節対FC琉球 ”Movin' On Up"

           夏が来た。でも、来すぎた。暑すぎる。なんだこの熱波は。僕の車の温度計は41度を表示している。逃げ場のない暑さだ。奈良の夏は暑い。いや、熱い。連日のように熱中症アラートの通知がくる。そんな通知をされなくても、もとより外出することなど無理だ。この暑さの中どこかへ出かけようという気も起こらない。  しかし、夜となると話は別だ。それでもまだ暑いが、少しだけマシになる。そして、夜と言えば奈良クラブの夜間練習が公開されている。練習場の奈良ディーアは山間部の中腹にあるのと、風が抜けるので

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#021 第22節対FC琉球 ”Movin' On Up"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#020 第21節対FC岐阜 ” On Your Mark"

           「背水の陣」という古事成語がある。これはいわゆる「崖っぷち」状態を意味するのはご存知のことだろう。ただし、実はこれは受け身になって追い込まれたということではない。むしろ逆で、退却できない状態にわざと味方を置き、決死の覚悟で戦に挑むための戦術だった。  言うなれば奈良クラブも崖っぷちである。惨敗を喫した沼津戦、2点差を追いつかれた鳥取戦、YSCC横浜戦。思い描いていたシーズンとは、おそらく違う立ち位置に奈良クラブはいる。シーズンも後半戦に入り、1試合の重みはこれからどんどん増

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#020 第21節対FC岐阜 ” On Your Mark"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#019 第20節対YSCC横浜 ” The Girls Are Alright!"

           練習が好きだ。なんなら本番よりも好きだ。本番は、言うなれば答え合わせのようなもの。練習の方が試行錯誤や工夫ができるので、楽しみがいがある。個人的には本番が無くても充分に楽しい。それくらい練習が好きだ。  さて、先日から奈良クラブの夜間練習が公開された。練習場のナラディーアは自宅からも近いということで、見学に行ってきた。これは素晴らしい体験だった。  内容については規約があるので書かない。それでも練習について書くのは、試合では見られない選手の違う面を発見したからだ。奈良クラブ

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#019 第20節対YSCC横浜 ” The Girls Are Alright!"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#018 第19節対ガイナーレ鳥取 ” Hallelujah"

           試合終了後の”ヒーロー”インタビューでマイクを握ったのはゴールキーパーの岡田慎司選手だった。今日に限っては”ヒーロー”という言葉の意味がずいぶんと違って聞こえるかもしれない。それでも、結果への悔しさを隠そうとせず、言葉を詰まらせながら観客の前に立つ岡田選手は間違いなく”ヒーロー”だった。彼がゴールマウスの前に立っていなければ、もっと悪い結果だって十分にあった。彼のスピーチには、「言ったこと」以上に「言わなかったこと」のなかに真意があり、聞いている人はそれが十分に伝わったこと

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#018 第19節対ガイナーレ鳥取 ” Hallelujah"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#017 第18節対アスルクラロ沼津 ”Both Side Now"

           大学の頃は本ばかり読んでいた。今から思えば、読書は体力勝負だ。20代のころと同じよう運動できないのと同じように、20代の頃のように読書を積み重ねることはできない。今から思えば結構な読書量だったと思うが、当時の自分としてはそこまで特筆すべきものだとは思っていなかった。その時に仕入れた知識は今でも結構役に立っているので、できるときにできることをするというのは大事なことなのだと思う。  学生時代は特に哲学書が好きで、現代思想の解説本や原著を読んでいたが、難解すぎて意味不明だったも

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#017 第18節対アスルクラロ沼津 ”Both Side Now"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#016 第17節対ギラヴァンツ北九州 ”Bitter Sweet Symphony"

           敗戦を受け入れるのは辛い。勝負の世界は、どちらも「負けよう」と思って試合をすることはない。それでも、かならず勝ち負けはつくものだ。見たくない現実を見ることでしか、次なる未来に進むことはできない。  今節対峙したギラヴァンツ北九州は、非常にタフで反発力があり、勝つことに貪欲なチームだ。この試合に臨むにあたり、いつも通り直近の試合のハイライトを見返し、気になるシーンはDAZNで見直してみたが、正直なところ奈良クラブの勝ち筋が見えなかった。本職の分析担当者もかなり苦労したのではな

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#016 第17節対ギラヴァンツ北九州 ”Bitter Sweet Symphony"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#015 第16節対SC相模原 ”All Along the Watchtower (見張塔からずっと)"

           戦術論という高尚なものよりは、かなり雑な論評をずっと書いてきたのだが、今回は初めて試合前にプレビューというのを書いてみた。いわゆる野良戦術解説者的な存在は、後出しジャンケンのような形で自分の説を出すわけだ。それはそういうものだから仕方がないのだが、その「後出しジャンケン」感が「知ったかぶり」と映ってしまい、批判の根拠になることもある。ので、今回は試合前にどんなことを考えて、実際の試合がどうだったのかを検証しつつ、フットボールの試合の僕なりの見立て方を示してみようと思う。なお

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#015 第16節対SC相模原 ”All Along the Watchtower (見張塔からずっと)"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#014 第15節対FC大阪 ”大阪へやってきた"

           ダービーというのは「近親憎悪」の発露である。特に生駒山ダービーとなれば尚更だ。奈良クラブとFC大阪はJFL時代からなにかとライバルとしてお互いを意識してきた。それはお互いが似たような環境にあるフットボールクラブだからであろう。特に大阪を中心とした関西のスポーツチームは、野球という伝統的なコンテンツに加え、大阪を本拠地とするJ1クラブの存在も無視できない。ほとんど飽和状態というなかで、そのなかに僅かに存在するニッチに分け入り、ファンを獲得していかねばならない。両チームの対戦に

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#014 第15節対FC大阪 ”大阪へやってきた"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#013 第14節対FC岐阜 ”Get Me Away From Here, I’m Dying"

           物事がうまくいかないときというのは、往々にして人間は2パターンの行動をとる。簡単に言うと、これまでしてきたことAを強化したA’という行動をとるか、Aとは全く違うBという行動をとるかである。国民性などもあるが、日本ではA’を採用して自滅するパターンをよく見る。もともと、Aでうまくいっていた時期があれば尚更Aをやめることはできない。Aでうまく行っていた時期にAに割いたリソースを回収しきっていないと考えるときは、なおさらそれに固執しA'、あるいはA’’という行動パターンに終始し自

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#013 第14節対FC岐阜 ”Get Me Away From Here, I’m Dying"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#012 第13節対福島ユナイテッドFC ”ブルース”

           まだ「春一番」の余韻が身体中を巡っている。出演者全員がお目当てなフェスだったが、なかでも一番は友部正人さんだ。サポートに僕が最近では一番推しているおおはた雄一さんがつくということで、ものすごい組み合わせだなと思っていたが、そのパフォーマンスは思った以上だった。名曲揃いのラインナップのなかで、心に響いたのは割と最近の曲で「ブルース」という曲だった。  この歌詞を延々とリフレインしながら、曲は進んでいく。淡々と歌う友部さん。でも、その淡々さが心に染みる。思えばブルースというの

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#012 第13節対福島ユナイテッドFC ”ブルース”