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日本の稀代の自由人たる柄谷行人

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柄谷行人の著作を, 全てではないものの, まあまあ読んでいるわたくしが, 柄谷行人の著作を紹介します★
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#批判

日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その6

柄谷行人の著作について, 間接的に触れるような記事は, 比較的最近においても書かれていたが, 彼の著作を直接に取り上げるような記事は, この記事以来ではないだろうか. この記事で取り上げたいと思った著作は, 柄谷行人『定本 柄谷行人文学論集』(岩波書店, 2016年)である.

この著作はまず, 次のように説明されている.

「一九六〇年代末に文芸批評家としてデビューした著者の今日にいたるまで

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日本の稀代の自由人たる柄谷行人 その1

今回は, 柄谷行人を思想家として認識させるに至らしめたと言える, 『トランスクリティーク カントとマルクス』(岩波現代文庫, 2010年)という著作についてその内容を, 序文の徹底解説という形で, この記事で行おうと思う.

1 目次の紹介『トランスクリティーク』の目次は次のようになっている.

序文

イントロダクション トランスクリティークとは何か

第一部 カント

 第1章 カント的転回

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